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北国岩手に求められる家を、この手で建てていく

耐久性と経済性を兼ね備えた暖かい家のプロ

松本稔

松本稔 まつもとみのる
松本稔 まつもとみのる

#chapter1

北国の住宅会社だから、北国に必要な家を知っている

 寒さ厳しい岩手県で家を建てるとき、やはり気になるのは冬の快適さではないでしょうか。しかも「暖かさ」をあいまいではなく、はっきりと数字で提案してくれたら……。そんな要望に応えてくれるのが、株式会社松本の代表取締役・松本稔さんです。

 松本さんは「耐久性、経済性を兼ね備えた上で、暖かい家」を提案します。株式会社松本の本社は県北の九戸村にあります。寒さが厳しい土地柄だけに「暖かい家」には特別なこだわりを持ち、北国の家は北国の住宅会社が一番知っているという自負もあります。

 そんな松本さんが力を入れているのは、新木造住宅技術研究協議会(NPO法人・新住協)が開発した「Q1.0(キューワン)住宅」。超省エネの高断熱住宅で、世界的にも厳格な基準を持つ環境先進国ドイツのパッシブパウスに近い性能を持つ家です。
 Q1.0住宅の断熱にはグラスウールが使用されており、断熱性の高い家になります。しかしそのためには確実な施工技術が必要です。「自社の職人が責任を持って仕上げています」と松本さんは自信をのぞかせました。

 最近は断熱改修、耐震改修などのリフォームの相談も増加傾向です。長く暮らしていくことを考えれば、誰もが丈夫で暖かい家で暮らしたいと思うことでしょう。また、店舗からのリフォームの依頼も増えてきています。断熱改修を施すことで、光熱費などのコストを下げたいという意向が強いそうです。
 松本さんはそれらのニーズに応え続けています。「お客さまの予算の範囲内でベストの方法を考え、暖かい家を提案していきたい」。さまざまな要望に応える準備ができているのが心強いですね。

#chapter2

性能を数値化。“見える化”で納得できる家を

 松本さんが「暖かい家」に行き着くにはどんな経緯があったのでしょうか。
建築科卒業後、修行時代は「いろいろな住宅会社で経験を積んできました。それが今の糧となっています」
 会社ごとにやり方が異なり、個性も異なります。さまざまな家の考え方・建て方を学んでいるうちに、自分なりに理想の家を思い描くようになったそうです。そしてたくさんの現場経験を踏まえ、導き出した考えが「耐久性、経済性を兼ね備えた上で、暖かい家」でした。

 その大きな特徴は、耐久性、経済性を数値ではっきり提示することです。お客さまへの説明の際には断熱性能や電力消費量、電気代など、あいまいにせず数値で家に関すること全てを“見える化”しています。

「光熱費の『1年間燃費保障』を北東北三県で初めて導入しました。シミュレーションした光熱費を超えた場合には、その差額を弊社が負担します」

 家は人生で一番高い買い物。だからこそ、依頼主と住宅会社の信頼関係が重要です。提示した数字を理解してもらい、他社と比較してもらい、納得した上で選んでもらいたいと松本さんは願います。
 2015年には盛岡店をオープンさせ、ますます県内全域から受注を受け易くなりました。話を聞いてみたい、相談してみたい。そう声がかかれば、どこへでも出かけていく。そんなフットワークの軽さも魅力といえるでしょう。

松本稔 まつもとみのる

#chapter3

家主との信頼関係が最大の財産

 松本さんがこの仕事をしていて、思い出に残るエピソードがあります。それは30年前に松本さんのお義父さんが担当した家主から、新築をお願いしたいと依頼を受けた時のことです。
「義父が建てた家の後を、私が継ぎました。信頼を得てきた結果だと思いますので、責任重大でしたね。『暖かい家にしたい』というのがご希望だったので、今まで持っているノウハウをつぎ込みました。日射を利用したり、夏場は日影を作ったり……。結果的にゼロエネルギー住宅になったので、とても喜んでいただけました。私の理想にも近い家になりました」
 イキイキと話す松本さんの様子からも、快心の仕事だったことが伝わってきます。この家主とはさらに信頼は深まり「(松本さんに任せるかどうかで)迷っている方がいたら、うちの家を見てもらって」とまで言っていただけました。
 ちなみにこの家は太陽光パネルを利用しており、光熱費が一切かからず売電することで年間約8万円の収入になっています。住めば住むほど、お金が貯まる家という訳なのです。

 これから松本さんが目指すのは、定期的に新卒で職人を採用し育てていくことです。現状のままでは職人は半減すると予測されるだけに、この状況に歯止めをかけることも自分の仕事だと考えています。
「メンテナンスが必要になった時に、すぐに駆けつけられる。その時うちの家をよく分かっている職人が手をかけないと」
 お客さまに満足していただける家は、建てる時はもちろん、建てた後も重要と松本さんは考えています。職人と共にこれからも「暖かい家」を造り続けていくことでしょう。

(取材年月:2018年12月)

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松本稔

耐久性と経済性を兼ね備えた暖かい家のプロ

松本稔プロ

建築家

株式会社 松本

「耐久性、経済性を兼ね備えた上で、暖かい家」が理想。断熱性能、電力消費量、かかる電気代など、曖昧にせずに数値で提出。“見える化“を実践。

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