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ブローネマルクシステムを使ったインプラント治療と普及活動に尽力

安全性を伝える指導者でもあるインプラントのプロ

朴沢一成

朴沢一成 ほうざわかずなり
朴沢一成 ほうざわかずなり

#chapter1

自分の歯と同じように噛む力を維持できるインプラント治療

 世界有数のインプラントシステムとして知られ、豊富な臨床実績を持つブローネマルクシステムによるインプラント治療を行う「ほうざわ歯科」。同歯科の院長・朴沢一成さんは同システムの発案者であるペル・インクヴァール・ブローネマルク博士に指導を受け、1992年からインプラントに着手し、豊富な経験と多くの実績を持つインプラント治療医です。

 インプラント治療とは、失った自分の歯の代わりに、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法。健康な歯を削る従来の入れ歯(ブリッジ)とは違いガタついたりせず、自分の歯と同じように物を噛むことができます。
「入れ歯の噛む能力は天然歯の30%ほど。部分入れ歯だと40%くらいで、総入れ歯だと20%くらいです。パーセンテージが低くて、入れ歯と歯茎の間にものが挟まることもありますし、しばらく使っているとバネが欠けてしまうこともあります。インプラントにはそういう心配がありません。また、人工の歯根が入ることで残っている天然歯が守られます」と朴沢さん。

 歯は生えそろうことでお互いを支え合っているため、抜けてしまった歯の隣の歯は崩れやすくなります。抜けたところにインプラントが入ることで、残っている歯が固定され、いつまでも元気に保つこともできるのです。

 「きちんとした術前のチェックと手技、そしてメンテナンスをすればインプラントは安全なものです。インプラントの歴史はまだ50年なので、50年先までは見通せるということになります」と朴沢さん。噛む力を維持し、健康な自分の歯を守っていけるのもインプラントの魅力だと話します。

#chapter2

インプラント治療を行うほか、歯科医師に向けた指導も実施

 朴沢さんは1983年に歯科医院を開業。同院を始めて5年がたった頃から、一般的な歯科医療に不満を感じていました。そんな時に出会った治療法がインプラントでした。

 そして1991年の秋に現在の場所(奥州市水沢区佐倉河字羽黒田)へ移転する際、手術室を設置してインプラント治療をスタートさせました。「最初は、今使用しているものとは違う種類のインプラントを2種類使っていたのですが、納得のできない気持ちがあって、もんもんとしていた時に恩師の小宮山彌太郎先生に出会いました。そして今みなさんに施しているブローネマルク・インプラントの発案者、ブローネマルク教授にもお会いしたのをきっかけに、このシステムを使用するようになりました」

 当時の日本にはインプラントはまだ普及しておらず、朴沢さんはスウェーデンのブローネマルク教授のもと研修を受け、さらには世界中で活躍する教授のお弟子さんを訪ねて、技術を学んだと言います。

 2000年には宮城県仙台市に「カズデンタルオフィス」を開業。「デンタルインプラントセンター仙台」を併設し、恩師である小宮山医師を招いて、若い歯科医師に向けてインプラントの基本を学ぶきっかけと場所を提供してきました。

 2012年以降は奥州市にある現在の歯科で治療に専念するほか、盛岡市内でインプラント手術の指導に関する技術講習会を行い、歯科医師に向けてインプラントの普及活動を再開しています。

朴沢一成 ほうざわかずなり

#chapter3

「常に患者さんの身になって誠意ある治療を心がける」を座右の銘に

 「最近では手術をした当日に仮歯を入れることもできます。インプラント手術後、人工歯根と骨がくっつくのに上顎が6カ月、下顎で3カ月かかります。くっつくまでの間、インプラントは歯茎の下に隠すのが一番オーソドックスなやり方なのですが、最近はオールオン4と言って、4本のインプラントを使って、手術当日に仮歯を入れて帰ることもできるようになりました。インプラントの技術は、みなさんが生活しやすくなるよう進化を続けています」と朴沢さん。インプラントに興味がある人、また不安があるという人に、まずは相談してほしいと言葉を続けます。

 「東日本各地から来院してくださる方もいます。県内の方もそうですが、わざわざ来てくださいということはありません。ご相談していただければお住まいの近くの先生を紹介します。私自身、出張手術に行き、県内各地の先生を知っています。また小宮山先生やブローネマルク教授の弟子の会があり、日本中に66人のメンバーがいます。例えば仙台市には小宮山先生の指導を受けた先生がいます。そういうつながりを利用してもらえれば」と朴沢さん。

 食べ物を咀嚼したり、言葉を発したり、骨格形成や脳の働きにも影響を及ぼす歯。インプラントを利用して、しっかりと噛める歯を手に入れて、健康を維持してほしいと朴沢さんは願っています。

 「初心を忘れず 過信をせず 常に患者さんの身になって 誠意のある治療を心がけ 医療従事者として生きていく」を座右の銘に、朴沢さんはこれからも歯科医師と患者さんにインプラント治療を伝えていきます。

(取材年月:2019年1月)

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専門家プロフィール

朴沢一成

安全性を伝える指導者でもあるインプラントのプロ

朴沢一成プロ

歯科医

医療法人 カズデンタルオフィス ほうざわ歯科

ブローネマルク・インプラントの発案者から直接指導を受け、技術を修得。安全性の高い純チタン製のインプラントを使った治療を行っている。診察・治療以外に同業者を対象に、定期的にインプラントの指導も実施。

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