カーセキュリティのプロ
中尾昌弘
Mybestpro Interview
カーセキュリティのプロ
中尾昌弘
#chapter1
明石市の郊外、見渡す景色はほとんどが畑や田んぼというのどかな場所。
※2010年6月1日に現住所(神戸市西区)へ移転
そんな立地にある有限会社オートセキュリティ・サイレンズは、アメリカのカーセキュリティ(自動車盗難防止装置)製品である『VYPER』の日本における取付台数が7年連続1位、日本の『ユピテル』という製品の取付台数も一昨年が全国2位、去年は1位という会社。こちらの代表取締役を務めるのが中尾昌弘さんです。サイレンズさんでは、中尾さんを含むインストーラー4名は1年間で1000台取り付けているとか!なぜそこまで売れるのかと聞くと、
「実は、兵庫県は全国でも車上荒らしなどの被害が多く、車の盗難率は上位10位以内に入っています。しかし、兵庫県はカーセキュリティを扱うお店が少ないのでうちに集まっているのでは」と中尾さんは謙虚。でも、兵庫だけでなく、大阪や滋賀、和歌山、遠くは岡山からもお客様が訪れるということから、決してそれだけではないと言えるでしょう。
中尾さんは、カーセキュリティを、盗難者から盗まれないように罠をかけるところから「トラップ」と呼びます。
「取り付けでは、どこまで車を分解し、車の限られた空きスペースにどう隠すかが重要。お客様が車を買い替える場合、僕たちが取り付けたセキュリティを同業者が取り外そうとしてもどこに付けたのかわからないような技術で設置しています。すぐわかってしまうのではセキュリティとは言えませんから」。
#chapter2
中尾さんは自動車整備士として働いた後、20歳の時に新しい仕事をしたいとカーセキュリティの取り付け会社に転職。そこでこの道に進もうと決め、6年技術を学んだ後独立、2001年に会社を設立されました。
「僕が学び始めた頃、まだ日本ではカーセキュリティという言葉自体メジャーではなく、装置を付けても誤作動ばかり。何もないのに音が鳴って困るため『カーセキュリティは付けなくていい』と言われていました。しかし、年々車上荒らしや車両盗難の被害が増加し続けるうちにカーセキュリティもメジャーになりました」。
お店を始めた当初は、総合代理店はなく直接仕入れていたため、自分で英語のマニュアルを見て取り付けていたとか。
「大体車関係の用語ですから一度辞書を引いて調べた言葉は覚えられました。今では、車や商品の取扱説明書ならなんとかわかりますよ」。
この仕事で大変なのは、新型車の解析をいち早く行わないといけないこと。解析は、車を分解して配線を1本ずつテスターで調べるのですが、新車となると触れる機会が最初はないもの。
「うちは車のディーラーと提携しており、お客様が新車を買われてから納車される前にディーラーの元へ行き製品を取り付けることも多い。早い段階で新型車が手がけられ、解析でき、対応しています」。
普段はご自分の車が気兼ねせずなんでもできる一番の題材と、いろいろ試しに取り付けるなどし、とにかく勉強熱心です。
#chapter3
現在、セキュリティは車だけではないと、家のセキュリティも検討中。今カーセキュリティメーカーの技術者の方に試作品の製作を依頼しています。
「僕たちが提案するのは簡易的なホームセキュリティで、施設などにある地震速報装置に防犯機能を付属させ、月々500円ほどで利用できるというもの。何かあった時にボタンを押せば事前登録した携帯電話に緊急連絡が入る仕組みで、老人のいる家ならナースコールにもなります。来春までには実現させたいですね」。
カーセキュリティは付けて損するものではないと中尾さんは言い切ります。
「最初は機能に不安があったり高額な費用を出せない人もいるでしょう。でも、迷っている間に被害に遭われた方はたくさんいらっしゃいます。確かに、車両保険に入っていれば車も直り取られた機械も新品になって返ってきます。でも、知らない人が乗ったり触ったりされたという記憶や嫌な気持ちはいつまでも残る。さらに、生産中止の貴重な車なら車は戻らない確立が高い。そういう思いはしたくないはずです。悲しいけれど盗難は無くならないし、すべて阻止するのは物理的に無理。そうなると自己防衛しかないのです」。
盗難後、カーナビなどの機械はインターネットのオークションで売られ、車両は海外へと売られていくというルートが今やできあがっているのだとか。特に最近の盗難者は外国人が多く、彼らはセキュリティが付いていてもサイレンが鳴ろうとも構わず持って行ってしまうため、カーセキュリティの必要性は高くなっています。今一度、ご自分の車のセキュリティについて、中尾さんのようなプロに相談して考えてみてはいかがでしょうか。
(2008年12月 現在)
リンクをコピーしました
Profile
カーセキュリティのプロ
中尾昌弘プロ
整備士
有限会社オートセキュリティ・サイレンズ
\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /
掲載専門家について
マイベストプロ神戸に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または神戸新聞社が取材しています。[→審査基準]