企業と国・自治体をつなぐ経営コンサルティングのプロ砂川章雄

企業と国・自治体をつなぐ経営コンサルティングのプロ

砂川章雄

政策の予算プロセスに精通し、行政への効果的なアプローチ法をアドバイス

　〝自治体に営業したい〟〝モデル事業や実証実験に参画したい〟などビジネスチャンスを広げたくても、「役所とどう付き合えばいいのか？」と困っていませんか。

　企業と国や自治体をつなぐ経営コンサルティングを提供する「Oneness Link（ワンネスリンク）」。代表取締役の砂川章雄さんは、24年身を置いた大手電機メーカーで政策渉外などに従事し、官公庁への出向経験も有します。
　「自治体などとの関係構築で重要なのが、予算スケジュールや施策実行のプロセスを把握することです。私どもは実務に基づく知見があり、特有の用語や慣習も熟知しているため、あうんの呼吸で話を進められます」と砂川さん。

　大手から中小まで支援実績は多岐にわたります。ある建設会社では、スポーツ事業として野球チームを創設し、地域連携を模索していました。砂川さんが、地域のスポーツ振興に関する提案書作成や、スポーツイベントでの協力体制を構築し、市との包括連携協定締結に至りました。
　「市の街づくり戦略を読み解き、どう貢献できるか事業と結びつけるところから始めました。野球チームで若手人材が生き生きと活動する姿を見ると、その一員のようにうれしくなります」

　また、リフォーム会社の障害福祉事業立ち上げでは、就労継続支援事業所の許認可申請から運営までサポート。AIデマンド交通サービスのスタートアップ企業では、自治体営業のアドバイザリー役を担いました。
　「行政に企業の魅力を伝え、企業にも社会貢献の視点を持っていただき、橋渡しをします。対話を重ねる中で行政の担当者が親身になってくれるなど、良好な関係が築けると気持ちがいいですね」

より良い政策検討につなげる官公庁のサポート実績も豊富

　「世の中の制度は国がつくっており、企業活動はその範囲内で行われます。政策の大きな流れに乗ることは、ビジネスの成長を加速させます」と砂川さん。事業ステージごとに、国や自治体の動きを意識することが重要と言います。

　「技術が社会実装されるまでの過程で、大きく3つの壁があると言われています。すなわち、基礎研究から実用化するまでの〝魔の川〟、製品ができ事業化するまでの〝死の谷〟、製品を市場に定着させ、産業化するまでの〝ダーウィンの海〟。それぞれの壁をクリアするために活用できる手立てを国や自治体が用意しています。例えば、研究費の補助や実証実験、規制緩和、助成金。それらの情報をいかに早くキャッチして生かせるかが、事業の成否を左右するので、幅広い場面でお役に立てます」

　砂川さんは、官公庁や自治体などの検討会・研究会のための事務局業務や政策立案支援も手掛けています。最近は、政策検討に向けた、地域における情報通信の課題抽出で、全国50の地方自治体のヒアリング調査を担いました。
　「現地を視察した際、ある自治体の担当者が『誰一人取り残さないデジタル改革を実現するため、山上の一軒家にまで光ファイバーを通したい』と話されました。政策の検討段階では、現場職員の思いや、自治体の先にいる企業・住民の困りごとなどを知ってもらうことがスタートです。国の担当者から『現場のことがよく分かって助かった』と言われ、より良い政策立案のための議論に貢献できたと感慨深いものがありました」

大手電機メーカーでの政策渉外や総務省での実務経験を発揮

　砂川さんは、大学卒業後、大手電機メーカーに入社しました。当初、公共分野のシステム営業として建設省を担当。その後、総務省に出向した2年間が大きな転機になったそう。
　「施策を立てて財務省に予算を請求するといった実務に携わり、法律や予算はこう決まるのかと、世の中の動きを実感しました。競合他社や異業種の企業と付き合えたことも視野が広がる大きなきっかけになりました」

　本社に戻り、中央省庁との関係づくりを担う政策渉外担当を10年以上務めた後、東京都に対するシステム販売責任者として、道路の監視システムや観光向けデジタルサイネージなど大型案件の販売を拡大。退職後、国内フィンテック企業の政策渉外を経て、2023年に「Oneness Link」を立ち上げました。
　「さまざまな企業が行政とつながることは、その企業だけでなく日本全体の力になります。一つの企業のためだけでなく、両者をつなぐ立場になれば、その機会がさらに広がると考え、起業を決意しました」

　コンサルティングでは、母校の東京大学をはじめ、培ってきた人脈を発揮。大学時代は少林寺拳法部に所属し、OBのつながりで各省庁の担当者や県知事などさまざまなパイプがあることも強みです。

　「国や自治体の動きに目を向けることは企業の力になります。何となくでも新しいことをやろうと思っているなら、行政の力を経営に取り入れませんか。アプローチの方法から一緒に考え、目標達成まで伴走します」

（取材年月：2024年9月）

企業と国や自治体をつなぐ架け橋となり、ビジネスの発展と社会貢献を導く

政策の予算プロセスに精通し、行政への効果的なアプローチ法をアドバイス

より良い政策検討につなげる官公庁のサポート実績も豊富

大手電機メーカーでの政策渉外や総務省での実務経験を発揮

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