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ユーザー目線の使い勝手が良いシステム開発で人手不足の現場をサポート

防災に特化し人手不足の現場をサポートするシステム開発のプロ

如南友博

如南友博 じょなんともひろ

#chapter1

消防設備の遠隔監視・点検ツール、災害時行動支援アプリを開発

 「システム開発を通して、現場業務における人的課題の解消をお手伝いします」と語るのは、「Bit peeps(ビットピープス)」の代表・如南友博さん。消防設備の点検サポートシステム「テンケンウォッチャ」や、災害時行動支援システム「ボウサイコンパス」などを展開しています。

 「テンケンウォッチャ」は、火災時に煙や熱を感知して知らせる非常ベルや、異常箇所のアラートを出す警報盤といった自動火災報知設備を、スマートフォンで遠隔監視するツール。作業員が現場でチェックする工数を削減し、メンテナンス業者などが採用しています。

 「ボウサイコンパス」は、災害時に対応指示や災害情報がスマホのプッシュ通知で届き、何をすべきか教えてくれるアプリ。オフィスや工場、商業・宿泊施設、医療福祉機関、自治体など多方面で導入が進んでいます。

 「防災マニュアルを用意している企業は多いですが、紙ベースがほとんどで『いざという時に手元にない』『どこに何が書いてあるかが分かりにくい』のがデメリットです。避難訓練を行い、マニュアルを従業員に周知していたとしても、緊急時はパニックになり、適切な判断や誘導ができないこともあります。利用者や従業員の安全を確保するためにも常に携帯するスマホでリスク管理をしましょう」

 通知をタップすれば音声が流れたり、文字が大きく表示されたり、刻々と変化する状況を分かりやすく伝える工夫も施しています。

 「アナウンスの内容は個々にカスタマイズでき、非常時持ち出し品などを表示させることも可能です。また外国語表示も設定できます」

#chapter2

ハードウエアからソフトウエアまで一貫するデジタル技術者集団

 如南さんが開発の際にこだわっているのが、実際に使用するユーザーの目線です。クライアントの要件も踏まえ、現場の実情に添った使い勝手が良いシステムづくりをしています。

 「ヒアリングをしっかりと行い、お客さまの知見に合わせることも意識しています。例えば災害対策について詳しくない場合は、危機管理の概要やプロセスを解説しています。また、防災の知識はあってもサーバーやオペレーションテクノロジー(OT)など、コンピューターになじみのない方には、設備機器に関して細かく説明しています」

 社名の「Bit peeps」は、データ処理の単位を表す「bit(ひとかけら)」と、イギリスのスラングで仲間を意味する「peeps(集団)」から成り、デジタル技術者の集まりを表しています。

 「機器を動かす機構設計といったハードウエアから、アプリ、システムなどのソフトウエアまで一貫して開発できるのが弊社の強み。精鋭チームでニーズに応えます」と如南さん。

 東京大学の災害トレーニングセンター(DMTC)ともつながりがあり、豊富な防災知識とエンジニアのスキルを掛け合わせ、防災製品をリリースしました。

 「頻発する地震や豪雨、感染症の拡大に備えBCP(事業継続計画)の策定を検討していても、何をすればいいか分からないという企業を多く見てきました。当方は、防災訓練のやり方や従業員への指導方法をアドバイスし、マニュアル作成もフォローいたします」

#chapter3

現場の助けになる「人の代わりになるもの」を開発していきたい

 如南さんは大学卒業後、音響機器やセキュリティー機器を手掛ける企業を経て大手電機メーカーに在職。研究開発、マーケティング、新規事業の企画などに従事する中で、防災関連の部署と関わり、防災意識が高いクライアントと接する場面があり、自身も関心を持つようになりました。

 「防災に関するサービス・製品を求める声を耳にする機会が多く、また日本各地の甚大な被害を目にし、ご要望にかなうものを作り力になりたいと考え独立することにしました」

 2019年に起業し、システム開発に1年を費やして2020年から提供を開始。防災のノウハウを持って提案したいという思いから、今でも営業は如南さんがメインで行っているそうです。

 「自分たちの手で開発し、特許を取得したシステムを多くの企業や施設、自治体などが使いたいと言ってくださることが原動力になっています。万一の際、ご自身や大切な人の命を守ることにつながれば幸いです」

 火災を知らせる設備をメンテナンスする人材が足りない。日頃の訓練など社内教育が万全ではなく、人員も十分ではないため緊急時に指揮系統が機能しないといった問題に対処すべく、「テンケンウォッチャ」「ボウサイアプリ」が生まれました。

 「少子化を背景に人手不足が深刻化する昨今、各業界で省人化が求められています。さらには地球温暖化などの気候変動により、災害も増えています。今後も人の手助けになるもの、人の代わりになるものを開発していければと思います」

(取材年月:2024年11月)

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如南友博

防災に特化し人手不足の現場をサポートするシステム開発のプロ

如南友博プロ

エンジニア

株式会社Bit peeps

特に防災分野において高い専門性と豊富な知識を有し、防災訓練のサポートや災害対応システムの設計・助言に注力。地域社会や企業が自然災害に備え、迅速かつ効果的に対応できる体制づくりを支援します。

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