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基幹システムとAI・IoTを軸に、企業や社会の困りごとにアプローチ

中小企業のIT化と、AIを活用した課題解決に取り組むプロ

森正人

森正人 もりまさと

#chapter1

汎用性の高い販売管理システムを提案し、導入から開発、保守まで一貫サポート

 多くの企業が人手不足に直面する中、IT化による業務効率化や省力化は、規模に関わらず重要な課題です。基幹システムの開発・運用で約40年の実績を誇る「サンクレエ」は、販売管理システムを中心に、中小企業向けのソリューションを提供しています。
 「私どもは、SIerとして、課題の分析から提案、開発、保守まで一貫してサポートします。プログラミングやパッケージ販売といった一部の工程だけを担うのではなく、実際にシステムを使う環境を含めてトータルで解決の道筋を描きます」と話すのは、代表取締役で、ITコンサルタントの森正人さん。

 森さんのもとでは、パッケージソフトではなく、機能を自由に組み合わせて、企業に応じた使いやすさを実現する汎用性の高いシステムを構築。個別のカスタマイズや他システムとのデータ連携などにも対応し、開発規模やコストを小規模に抑える〝スモールスタ―ト〟を勧めます。

 「よくあるのが在庫管理のお悩みですが、システムの導入以前に、運用ルールが整理されていないケースが多いです。バーコード、OCR(文字認識)、画像解析など、適した管理方法を見極めるところからお手伝いします。また、〝属人化された業務を標準化したい〟〝購入したパッケージソフトを使いこなせない〟といったお悩みも多いですね」

 道内を中心に、首都圏や東北などで、約200社をサポート。数十年にわたり支援している企業も少なくないとか。
 「設立以来、販売管理システムに特化してきました。汎用性をさらに高めたり、お客さまからのフィードバックを反映させたり、常にアップデートを図っています」

#chapter2

AI・IoTを活用して介護・医療・獣害の問題解決に取り組む研究開発も

 森さんは、AIやIoT(モノのインターネット)を活用した先端サービスの研究開発にも力を注いでいます。
 「少子高齢社会には、高齢者の増加と労働人口の減少という2つの問題があります。これからは、当社の本業でもあるITによる省力化や標準化からさらに進み、AIなどを活用した〝無人化〟が求められます。特に社会問題になっているような困りごとにフォーカスを当て、新たなサービスを構築中です」

 北海道大学の大学院情報科学研究科教授の川村秀憲氏らを顧問に迎え、介護・医療・獣害の分野で、社会実装を目指したプロジェクトを推進。介護施設での見守りシステムや、医療機関の画像診断システム、入院患者の見守りセンサー、ドローンによるヒグマの発見と追い払いなど、数々の案件で同社の技術者が開発を担っています。

 森さんが、AIに着目したきっかけは、2014年に大手携帯キャリアショップに登場した人型ロボットを目にしたことだそう。
 「近い将来、ロボットがプログラミングを担う時代が来ると直感しました。従来のシステム開発に加えて、新たな事業を模索していたときに、AI技術を活用したビジネス創出を促進する産学官連携の『SAPPORO AI LAB(札幌AIラボ)』の立ち上げに関わり、北海道大学の川村先生とのご縁がつながりました」と振り返ります。

 AIの活用は、主軸事業の基幹システムでも今後増えるだろうと話します。
 「例えば、人が目視で行っている検品作業も、カメラやセンサーを活用して自動化が可能です。大手ではすでに導入の相談が増えています」

#chapter3

中国の拠点開発や外国人採用にも積極的に取り組み、海外展開を目指す

 森さんは、紙流通商社のコンピューターソフト部門で、ITコンサルタントとして経験を積みました。1990年に同部門が「サンクレエ」に分離独立したことから転籍し、2000年に代表取締役に就任しました。
 「コンサルティングでは〝聞く力〟を大事にしています。中には、無理難題と思える要望をいただくこともありますが、客観的にお客さまの課題を可視化し、何とかシステムに落とし込めるようアイデアを練るのが、この仕事の醍醐味ですね」

 森さんは早くから世界にも目を向けてきました。2007年に中国に開設した海外拠点「瀋陽ラボ」を開設。基幹システムのオフショア開発に取り組むほか、本社にはバングラディシュ出身の技術者を採用するなど、グローバルな視点で事業を展開しています。
 「これから、AIを活用した介護関連システムの海外展開を進める計画です。介護システムの開発にあたっては、中国、シンガポール、マレーシア、ベトナム、フィンランドの介護施設で現地調査を行い、最近もシンガポールをはじめ、各国の展示会に出展しています。介護や少子高齢化の問題は、日本だけでなくアジア諸国でも深刻化しており、確実にニーズは高まるでしょう。当社の技術が海外でもお役に立てるとうれしいですね」

 社名の「クレエ」とは、フランス語で「創造」の意味です。長年培ってきたIT技術を基軸に、社会の変化をとらえて新たな価値を生み出しながら、課題解決に挑戦し続けます。

(取材年月:2024年11月)

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森正人

中小企業のIT化と、AIを活用した課題解決に取り組むプロ

森正人プロ

ITコンサルタント

株式会社サンクレエ

中小企業に向け、汎用性の高い販売管理システムを提供。開発から運用保守まで一貫してサポートし、約40年の実績があります。介護・医療分野などでのAI・IoTを活用したサービス構築や海外展開にも注力。

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