PROFESSIONAL
STORIES

Mybestpro Interview

かかりつけ医のごとく企業法務や個人の法律相談に取り組み、トラブルの予防と解決に尽力

社内外の問題に対応する企業法務のプロ

愛須一史

愛須一史 かずふみかずふみ
愛須一史 かずふみかずふみ

#chapter1

労働問題や企業間紛争、パワハラ・セクハラなど社内外の問題に対処

 「中小企業の皆さまが健全かつ円滑に事業を運営していくには、病気と同様に不具合を早期発見し、手だてを講じることが肝要です。当方は法的観点から根治をお手伝いします」と話すのは、札幌市の「水原・愛須法律事務所」の愛須一史さん。労働問題や企業間紛争の解決、契約書のリーガルチェックなど、企業法務を得意としています。

 代金未払いによる債権回収など、取引先を相手取った交渉や民事執行といった対外的な事案のほか、近年は、上司から部下へのパワハラ、セクハラといった会社内部で生じる問題が増加。組織の不祥事が複雑化、深刻化していると言います。

 「従業員同士のトラブルが発生した場合、予断と偏見を持たずに適切に対処しないと、被害を受けた従業員は『会社は何もしてくれない』と不満を募らせ、事態が悪化してしまいます。当方は労働審判をはじめとする訴訟対応に備えるだけでなく、ハラスメントに関する研修講師として企業へ出向くなど、もめ事の火種を生まない予防策にも取り組んでいます」

 数多くの訴訟で企業の代理人を務めてきた愛須さんは、時間も労力もコストもかかる紛争を未然に防ぐためのアドバイスに力を入れ、さまざまな業界の事情に通じているのが強みです。法律に詳しくない依頼者でも理解してもらえるよう、できるだけ専門用語を使わず、正確かつ分かりやすい説明を心掛けています。

 「私どもは、不動産登記関連や税務、労務に精通した司法書士、税理士、公認会計士や社会保険労務士らとも連携しています。『誰に、何をお願いすればいいか分からない』といった場合も、かかりつけ医のように気軽にご相談ください」

#chapter2

ロッキード事件を機に法曹を志し、争いごとの最前線に立つ弁護士に共感

 愛須さんが法律家になったきっかけは、航空機の売り込みで多額の賄賂をばらまき、戦後最大の疑獄と言われるロッキード事件です。

 「元首相の逮捕に『ときの権力者であっても裁かれるのだ』と衝撃を受け、法が持つ力を認識しました。地元の北海道大学法学部に進学してサークル活動で法律相談に携わる中では、課題や問題の最前線に立ち、依頼者の声に耳を傾ける弁護士の仕事に魅力を感じました」

 1992年に弁護士登録し、水原清之弁護士(故人)の事務所に入職。30年にわたり水原氏の厚い信任を受け、多くの案件を担当しました。企業の人事・労務関係では、自ら命を絶った社員を巡る対応にも当たったそうです。

 「亡くなった社員は上司から厳しい言葉を浴びせられていた一方で疾患も抱え、死の原因が不透明でした。まずは会社としてお悔やみを伝えるべきだと思い、企業側代理人としてご遺族の元にお伺いして線香を上げることにしたのです。何回も足を運ぶうちに、会社の対応に懐疑的だったご遺族のお気持ちにも変化が見られ、会社が弔慰金を支払うことで双方が合意。訴訟に発展することはありませんでした」

 企業のお金にまつわるトラブルでは、売掛金を回収するほか、会社を辞職させられた共同経営者が出資金を取り戻す裁判など、多種多様なケースでクライアントを支えてきました。

 売買・業務委託・委任などの各種契約書、会社の定款などを作成する際も法律的に不備がないか精査。取り扱う業種も製造業や卸・販売、マスコミなど多岐にわたります。

#chapter3

北海道の人たちの役に立つべく離婚問題や債務整理、相続の悩みにも対応

 愛須さんは、離婚や慰謝料請求など個人の困り事にも向き合い、解決をサポートしています。
 「特に養育費は、当初は約束通り支払われていたものの、数年後にはうやむやになって滞ることが多々あります。政府もひとり親世帯を保護するべく法整備を進めていることもあり、私たちも積極的にバックアップしています」

 破産や債務整理も多く、新型コロナウイルスの感染拡大で貸付金を利用した人からの依頼が目立っているとか。
 「コロナ禍により勤めていた会社が倒産したり、人員削減の対象となったりして借金が増えてしまったケースが一定数あり、今後も動向を注視する必要があると考えています」

 豊富な業務実績から同業者の信頼も厚く、2016年には会員数800人近くを擁する札幌弁護士会の会長に就任。日本弁護士連合会でも理事や副会長などの要職を歴任し、東京と北海道を往復する忙しい日々を送りました。

 また、法制度やサービスを案内する窓口として国が設立した「法テラス」にも従事し、2020年から4年間法テラス札幌の所長を務めました。経済的に厳しい状況の人が裁判を受けられるよう、訴訟費用の立て替えなどの支援に尽力してきました。

 愛須さんは今後も、企業法務と個人相談の“両輪”で北海道の人たちの役に立ちたいと志を新たにしています。
 「企業法務では、裁判外交渉などを強化することで訴訟を回避することに貢献したいです。個人では、家事調停委員の経験を生かし、遺産分割など相続の悩みにも応えていきたいですね」

(取材年月:2024年12月)

リンクをコピーしました

Profile

専門家プロフィール

愛須一史

社内外の問題に対応する企業法務のプロ

愛須一史プロ

弁護士

弁護士法人水原・愛須法律事務所

企業のトラブル解決に長く従事し、要職を歴任。さまざまな業界に通じており、訴訟で代理人を務めるだけでなく、紛争を身近に防ぐためのアドバイスにも力を入れています。離婚問題など個人の法律問題もサポート。

\ 詳しいプロフィールやコラムをチェック /

掲載専門家について

マイベストプロ北海道に掲載されている専門家は、新聞社・放送局の広告審査基準に基づいた一定の基準を満たした方たちです。 審査基準は、業界における専門的な知識・技術を有していること、プロフェッショナルとして活動していること、適切な資格や許認可を取得していること、消費者に安心してご利用いただけるよう一定の信頼性・実績を有していること、 プロとしての倫理観・社会的責任を理解し、適切な行動ができることとし、人となり、仕事への考え方、取り組み方などをお聞きした上で、基準を満たした方のみを掲載しています。 インタビュー記事は、株式会社ファーストブランド・マイベストプロ事務局、または北海道テレビ放送が取材しています。[→審査基準

MYBESTPRO

Other Interview