愛情たっぷりのオーダーメード保育で、乳幼児の底力を育むプロ
小湊一恵
Mybestpro Interview
愛情たっぷりのオーダーメード保育で、乳幼児の底力を育むプロ
小湊一恵
#chapter1
「人生の土台を築く0~2歳の乳児期に愛情をたっぷり注ぎ、当園が『底力』と呼んでいる生きる力を育むことを軸に、働く親と子に寄り添っています」と語るのは、札幌市にある「働くパパママ保育ラボ大通どさんこ保育園(以下「園」)」の園長・小湊一恵さん。
「底力とは、挑戦する力・やり抜く力・立ち直る力です。子どもは愛されている、必要とされていると感じることで安心感や信頼感、いわゆる自己肯定感を育み、世界へと踏み出す底力が培われます」
園では、年齢ごとにクラス担任を配置。特に乳児クラスは複数担当制です。年齢・月齢に応じた細やかな保育体制のもと、子どもの信頼性、自律性、積極性、勤勉性を段階的に育成。100項目以上からなる独自の「達成シート」と専門家によるIQ検査により成長を見える化し、オーダーメード保育を実施しています。
0~2歳から底力を育んでいる子どもは、3歳から始まる体操・水泳・音楽などの教育プログラムにも意欲的です。英語は乳児クラスから毎日触れ、ネーティブ講師による指導、読み書きにつながるフォニックス、個別レッスンを導入。2024年度に英検ジュニアも始め、4・5歳児が全員ブロンズレベルに合格しました。
「英語力の向上は大きな成果です。同時に、目標に向けて努力する姿勢、成功体験による喜びと自信、向上心も獲得しています。それらがまさに『底力』なのです」
ほかにも、常勤の管理栄養士による食育や、雪祭りへの参加など多彩な活動も行い、食習慣や社会のルール、地域文化を学びます。博物館や天文台にも出掛け、自然・科学への興味を引き出し、子どもの世界を広げています。
「当園の子どもたちには、今しか育てられない『底力』を伸ばすことで、今後の人生において、困難に立ち向かう強さと未来を自分で拓く力を手に入れてほしいです」
#chapter2
小湊さんは神奈川県座間市出身で、1974年に公立保育園の保育士に。21年間働く中で、「預かる、食べさせる、寝かせる」という従来の保育園の方針に疑問を感じていました。
「退職後は、民生委員・主任児童委員、保護司、神奈川県警の被害少年サポーターを経験し、乳幼児期の親子関係の重要性を痛感しました」
知人から「社員と地域の子どもを対象に、会社内に企業主導型保育園を作るから手伝って」と誘われ、神奈川の仕事を続けながら、札幌との2拠点生活がスタート。2018年の開園から運営に関わっています。
「親会社は携帯電話や再生エネルギー事業を営むノーステックテレコムです。理念に『北海道を豊かにする代表的企業を目指して』を掲げ、地域のファミリーを応援しています」
保育の質を高めるため、職場環境にも配慮。こだわりのロゴ入り制服、フランス製の大型ベビーカーなど、機能性とデザイン性を兼ね備えたアイテムで職員の意識を高める工夫も。
「保育士は清潔感があれば、ネイルも髪染めもOKです。休憩所はあえて保育室から離れた場所に設置。子どもが好きでも常に一緒だと疲れるため、リフレッシュ時間も大切にしています。休憩時間には、買い物や銀行にも行けますよ」
産休後に戻ってくる職員が多く、「保育士にとって良い環境が、良い保育に還元される」がモットー。東京や大阪の研修にも派遣し、得た知見を職場内で共有・研鑽しています。
#chapter3
あるテレビ番組の調査によると、一生涯のうち親子が過ごせる時間は、母親で約7年6カ月、父親で約3年4カ月。小学校入学前に32%、卒業までに55%を使うそうです。
「子どもに関われるのは、実はとても短い期間です。親子の触れ合いが多い乳幼児期に、愛情を伝えてほしいですね。ワーキングママも通園時間に会話するだけで十分です。本来、子育ては楽しくあるべきもの。今を幸せに大事に過ごす積み重ねが、子どもの心を満たします」
昨今は子育て情報があふれ、親の不安をあおるケースも。園は子育てのパートナーとして、親の味方であるという姿勢で保護者支援にも尽力。園での子どもの様子を伝える以外にも、保護者の忙しさや健康状態にも気を配り、食事や進学、睡眠、夫婦関係、住環境などの幅広い悩みに寄り添います。
子育て中、特に仕事に復帰したばかりの保護者は孤独になりがちです。保護者が元気になるよう、「大変でしたね」「困りごとはありませんか」「頑張ってますね」などの声をかけます。転勤や卒園後にも相談があるとか。
そこで子どもの成長を支援するアプリ「あるこノーツ」を開発。特許取得済みで2025年6月頃から運用開始予定です。
「アプリで誰でも気軽に、子どもの発達状況をチェックできます。その結果に合わせ、身体的な遊びや関わり方を提案。親御さんをはじめ、保育や教育に携わる皆さんの迷いを減らし、日本のよりよい保育環境に寄与できれば幸いです」
(取材年月:2025年4月)
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Profile
愛情たっぷりのオーダーメード保育で、乳幼児の底力を育むプロ
小湊一恵プロ
保育園の運営
ノーステックテレコム株式会社 働くパパママ保育ラボ大通どさんこ保育園
保育士の手厚い体制と発達シートなど科学的手法を駆使し、底力(挑戦する力・やり抜く力・立ち直る力)を育むオーダーメードの保育を実践。英語・水泳・音楽・食育・課外活動等にも注力。子育てをアプリでサポート。
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