気持ち伝わる・暮らし彩る“フラワー+α”ギフトのプロ明道知嗣

気持ち伝わる・暮らし彩る“フラワー+α”ギフトのプロ

明道知嗣

札幌市内にフラワーショップ3店を展開し、アレンジメントやブーケを制作

　「花は暮らしを彩るパートナー。特別な日だけでなく、日常にも気軽に取り入れてほしいですね」と話すのは、「明道香風園」の代表・明道知嗣さん。札幌市中央区の本店「Flower and Liquor Botanic Life」を含め、市内に三つのフラワーショップを展開しています。

　「季節のお花やバルーンをあしらったアレンジメント、花束をはじめ、ワインなどのお酒と合わせたギフトセットも承ります。コチョウランの鉢植えやスタンドフラワー、供花も用意し、誕生日や記念日といったお祝いごとからお供えと、多様なシーンに応じています」

　本店では、季節のワークショップを開催。また、たき火のようなパチパチとした音に癒やされるアロマキャンドル「WoodWick」も販売。シックなグレーの壁が植物の鮮やかな色彩を引き立て、天井にはランプやドライフラワーのブーケがつるされ、“花とともにある暮らし”の魅力を伝える場になっています。

　「札幌市内の百貨店に出店している2店舗は、それぞれ『幸せの花』を意味する店名を持ちます。大丸札幌店7階にある『Fiore Felice（フィオーレフェリーチェ）』では、プリザーブドフラワーやドライフラワー、観葉植物、キャンドルなどの雑貨をメインに取り扱っています」

　札幌三越店地下2階の「Bonheur Fleur（ボヌールフルール）」は、スイーツショップが近いため、花とお菓子を組み合わせたギフトが人気。バラやアジサイ、コスモスなど四季折々の生花を扱い、長年にわたり多くの常連客に愛されています。

七十余年の歴史を持つ花屋を継ぎ、内装デザインなど“花の持つ力”を発揮

　明道香風園の歴史は古く、創業は1953年。明道さんの祖父が生花店を開業し、父が2代目となりました。3代目にあたる明道さんは青年時代、家業を継ぐつもりはなかったと言います。

　「毎日のように店に立つ両親は忙しくて、子どもの頃にずいぶん寂しい思いをしましたし、『花屋になると大変だな』という印象があったんです。私は別の道に進むことにし、関東でフィットネスインストラクターの職に就いたのですが、29歳で帰郷しました。父の体調が悪いと聞いて戻ったのに、帰ってみたら元気でした (笑)」

　父親が大事ないことに安堵しつつも、仕事を辞めたからには家業を手伝うしかないと決意を固めます。

　「どうせやるなら、とことん追求するしかない」という心境になった明道さんは、ホテルのロビーや街の生花店のディスプレーなどを撮影し、独自にアレンジメントを研究。前職で培ったサービス業のノウハウも生かして無我夢中で取り組むうちに、花に携わることに喜びを見いだすようになります。

　「花は人を笑顔にするもの、心を和らげる存在なのだと、たくさんのお客さまに気づかせていただきました。今では、オフィスや住まい、結婚式のような晴れの日を色とりどりの花で演出する仕事をしていて良かったとつくづく思います」

　現在は、地域のイベントや地元スポーツ選手への花束提供、植物を用いたカフェの内装デザインなど多岐にわたる活動を通じて、花が持つ力を人々に届ける役割を果たしています。

3日前までの予約制の導入でフラワーロス削減と顧客満足度の向上に貢献

　明道さんのもとでは、納品日の3日前までに、来店・電話・メール・SNSなどで予約することを勧めています。

　「歓迎会や送別会といった年中行事が集中する時期は当日の注文が増えるため、事前のご依頼によりスムーズに対応することができます」

　贈る人の気持ちを伝えるため、また理想をかなえるため、オーダー時に希望の花材やアレンジのイメージを丁寧にヒアリング。細部にまでこだわったフラワーギフトを制作しています。

　「私たちにとっては、お客さま一人ひとりのニーズに応えられないことこそが一番の“ロス”です。ご予約いただくことで、お客さまが求める花材を確実にご用意したいと考えています。また、前もってご発注いただくことで計画的に仕入れができ、不要な花材を廃棄するフラワーロスの削減に貢献できます」

　明道香風園の各店舗では公式Instagramを通じて、新商品や入荷した花材、イベント情報を発信。多くの人に“花のある暮らし”をシェアしてもらう「アンバサダー制度」も設けています。

　SNS上の公募により選ばれたアンバサダーが、花や植物を取り入れたライフスタイルを自らのアカウントで発信。タグ付けで投稿する特典としてクーポンを進呈し、店舗でショッピングしたり、ワークショップに参加したりする際に活用できます。

　「花が生活の一部になると、人生が豊かになります。幅広い世代が利用しているSNSで花がもたらす幸せ多き日々を伝え、美しい咲き姿をめでる文化を広めていきたいですね」

（取材年月：2025年1月）

笑顔を届け、心を和ませる“花とともにある暮らし”の魅力を発信し、豊かな人生をかなえたい

札幌市内にフラワーショップ3店を展開し、アレンジメントやブーケを制作

七十余年の歴史を持つ花屋を継ぎ、内装デザインなど“花の持つ力”を発揮

3日前までの予約制の導入でフラワーロス削減と顧客満足度の向上に貢献

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