子どもの自己肯定感の確立、才能開花を支援するプロ中井麻里子

子どもの自己肯定感の確立、才能開花を支援するプロ

中井麻里子

自身の子育て経験とプロファイル理論の知見を生かし、心豊かに暮らせる方法を伝えたい

　「人は皆、唯一無二の存在。無理なく自分らしく生きられたら、どんなに素晴らしいでしょう。意識次第で、誰でも心豊かな日々を過ごせることを知ってほしいですね」

　こう呼び掛けるのは、「inspirit」の代表・中井麻里子さん。「自分の価値を発揮し、誰もがいきいきと生きられる社会をつくる」をミッションに掲げ、札幌市を拠点に自己開花アドバイザーとして活動しています。

　特に「努力しているのに成果が出ない」といった悩みを抱え、自分らしく生きられていない子育て中の女性に焦点を当てて支援。ウェルスダイナミクスというプロファイル理論を用いて、個々の強みや弱み、思考・行動パターンを理解し、その人固有の核となる特性を明確にします。中井さんは、この理論と自身の子育て経験を生かし、母親たちが自己肯定感と意識の持ち方を強化する手助けをしています。
　「弱みを克服しようというわけではありません。得意なことを伸ばし、苦手なことは、それを得意とする人に補ってもらえばいいのです。弱みを明らかにするのは、本来の自分の能力を知り、進むべき道を見いだすためです」

　自己理解が深まるだけでなく、学校や職場など周りの人がどのタイプに属するかを導き出すこともできます。その人との付き合い方を心得るので、人間関係も楽に築けるようになると言います。

　「自分の特性が分かれば、自信が持てるようになります。いわば、自分自身の『取扱説明書』ができます。子育てや教育はもちろん、就活、企業のチームビルディング、起業などさまざまな場面で活用できるのも特徴です」

親がゆとりを持ち自己肯定感を高めることが、子どもの自己肯定感を育む

　中井さんは幼稚園や小中学校の家庭教育学級で保護者に向けても講演。子どもの自己肯定感について講話する中で、親自身がゆとりを持つ必要性を伝えています。

　「趣味を楽しんだり、買い物に出掛けたり、自分のための時間を作ってみてください。心に余裕が生まれ、子どもにも優しく接することができます。親から愛されているという実感を得て、子どもは自らの存在を認めます。親と子の自己肯定感は相対関係にあると言われるぐらい、親の心の持ち方が重要なのです」

　内向的な娘を心配する女性はストレスをためるタイプで、忙しさのあまり子どもにきつく当たってしまうという悩みを抱えていました。

　「セッションを進めると、幼少のころ、食堂を切り盛りする母親に構ってもらえず寂しい思いをしていたことが分かりました。そこで『愛しているよ』『大好きだよ』と、ご本人が母親に求めていた言葉を自分に言い続けるよう助言しました」

　女性は、自身への愛情表現を通じて心が満たされるようになり、子どもも積極性が増し、活発になったそうです。

　「これは、心理学者のフロイトが提唱する『無意識の力』を活用した手法です。普段、自覚することはありませんが、私たちの行動や感情に大きな影響を与えている心の深層に向かって声を掛けることで、自分自身が癒やされるのです。周囲への言動も自然に変わり、子どもにも変化が表れるようになります。セッションでは、一人一人に応じた言葉掛けをアドバイスしています」

離婚、再就職、障がいのある子どもを育てた自分だからこそできる支援を

　中井さんも意識の仕方を変え、自分らしく生きられるようになった一人です。夫と価値観の違いから離婚し、2人の子どもを育てるため、会社勤めをしていた時のこと。経理の仕事にやりがいを感じていましたが、いつしか心が枯渇するように。

　「私は外向的な性格で、人前で話をするのに向いています。コツコツと何かを続けたり、ルーティンワークをするのはそれほど得意ではなくて、自分が至らない部分に落ち込むことがありました。でも、プロファイルの理論を知って今の自分でいいんだと思うようになりました。あなたはあなたらしく、自分の強みを生かしていきなさいと背中を押されたようでした」

　今後は、子育て支援の分野に力を入れていきたいと語る中井さん。障がいのあるわが子を育てた経験もあります。

　「子どもを産み、育てる過程ではさまざまな不安や戸惑いが生じます。『結婚生活がうまくいかず別れるべきか』『専業主婦だった私が再就職できるかしら』『障がいのある子どもを育てるにはどうしたらいいの』といった声に対して、壁を乗り越えてきた私だからこそお手伝いできることがあると思っています」

　自ら名付けた自己開花アドバイザーという肩書にも、自分だけの花を咲かし、実り多き人生を歩んでほしいという願いを込めています。

　「今すぐに結果が出なくても、少しずつ積み上げていけば、やがて変化は起こります。決して焦らず、自分の可能性を信じて一緒に進んでいきましょう」

（取材年月：2024年3月）

子育て中の女性に向き合い、強みや弱みを分析、自分らしく生きる道をともに探る

自身の子育て経験とプロファイル理論の知見を生かし、心豊かに暮らせる方法を伝えたい

親がゆとりを持ち自己肯定感を高めることが、子どもの自己肯定感を育む

離婚、再就職、障がいのある子どもを育てた自分だからこそできる支援を

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