細やかな心遣いを大切にする遺品整理・生前整理のプロ尾﨑大地

細やかな心遣いを大切にする遺品整理・生前整理のプロ

尾﨑大地

札幌市を中心に遺品・生前整理に従事し、お焚き上げや特殊清掃にも対応

　「心を込めて一つ一つの品物を丁寧に仕分け、ご家族の大切な思い出を紡ぎます」と話すのは、「ライフ・サポート尾﨑」の代表・尾﨑大地さん。札幌市や近隣のエリアで遺品・生前整理を行っています。

　「故人さまが残された品には思い入れがあり、手放すのは忍びないものです。当方は焚上士の資格を有しており、人形やぬいぐるみ、写真、お仏壇や神棚などを焼納するお焚き上げを承り、供養いたします」
　
　見積もりのための現地調査や打ち合わせは、尾﨑さんとともに事業を切り盛りする加藤美恵子さんが担当。「女性ならではの細やかな心遣いで、お客さまのご要望やご事情を伺います」と語ります。

　「孤独死を迎えた方のお部屋の特殊清掃もしています。お父さまが逝去された娘さまからご用命をいただいた際、室内には汚れもあり、強い臭いが漂っていたため心を痛めておられましたが、きれいに取り除いたときには『胸のつかえが取れた』と涙を流し、安堵されたご様子でした」

　高齢者施設への入所や引っ越しに伴う片付けにも応じ、物であふれた「ゴミ屋敷」も請け負います。不要品は法令に則して適正に収集・運搬するほか、家具や家電、食器、衣類などを希望に応じて買い取り、代金から差し引いています。

　「国内では廃棄される製品でも、海外では日本製は人気が高く需要があります。お客さまのためにできるだけ費用を低減してあげたいですし、使えるものはリユース・リサイクルすることで環境保全に貢献できます。何より、捨てるのではなく活用することで処分に対する罪悪感を軽くしていただきたいのです」

遺品整理の大変さを経験し、同じように困っている人を助けるために起業

　尾﨑さんは1976年、札幌市で生まれました。地元北海道の短大を卒業後、警備員や営業職、飲食店の店長、舗装工など、さまざまな業種、職種に従事します。遺品整理に関心を持ったきっかけは2012年、父親との死別でした。

　「父の荷物を片付けることになり、実家は一軒家で相応の量はありましたが、ごみを捨てるだけだし、すぐに終わるだろうと着手したところ分別が想像以上に大変でした。まとまった時間を確保できず、なかなか作業が進まなかったので結局は専門業者にお願いしたんです。私と同じように難儀している人が多いのではないかと考えるようになりました」

　同窓会に参加した折には、ある同級生が遺品整理業を営んでいることを知り、開業の足掛かりを得ます。「仕事のやり方について尋ねたところ、快く教えてくれたのです。私自身、いつかは自分で商売をしてみたいというビジョンがありましたので、困っている人の力になるためにも独立することにしました」

　2018年、個人事業主として「ライフ・サポート尾﨑」を立ち上げた尾﨑さん。専門性を身につけるため、遺品査定士や遺品整理士といった資格を取り、引き取った品物を適切に利活用したいと古物商許可なども取得しました。

　「在りし日をしのぶ遺品ですが、そのままにしていると気持ちの整理がつかないこともあります。一人で抱え込むのはつらいですから、ぜひ私どもを頼っていただきたいですね。お客さまの心情をくみ取りながら、一歩踏み出せるようお手伝いします」

元気なうちに身のまわりを片付ける生前整理で人生のエンディングをサポート

　2024年に合同会社へ組織変更し、事業体制を強化した尾﨑さん。今後はリフォーム業への進出も視野に入れているそうです。

　「家財などを運び出すと、床や壁紙にシミが出ていたり、キズやはがれが生じたりしているお宅は少なくありません。内装を整えたいとの要請があれば協力業者さんにつないでいますが、当社が不要品回収と清掃、修繕まで一貫して手掛けることができれば、売却したり、貸し出したり、空き家などをスムーズにご活用いただけるのではないかと考えています」

　個人宅だけでなく、アパートやマンションといった賃貸物件の残置物撤去にも対応。各方面に赴く中で、元気なうちに身のまわりを片付ける生前整理の重要性も感じています。

　「家族に引き継ぎたい品を自分の意思で選別でき、ご自身が亡き後、お子さんやお孫さんは形見として手元に取り置いて故人の存在を感じることができます。昨今は終活の一環として取り組む方が増えていますので、前向きにご検討いただきたいですね」

　人生のエンディングに携わるにあたり、最も大事にしているのは顧客との信頼関係。親身に寄り添い、心穏やかな旅立ちをサポートしていきたいと言います。

　「遺品には故人の歴史が刻まれ、家族にとっては宝物です。かけがえのない人を亡くし、悲しみの中にいる方々に代わり整理することで、心身の負担を和らげたいと思っています。『頼んでよかった』と言っていただけるよう全力を尽くしますので、私どもにご相談ください」

（取材年月：2024年10月）

故人が残した品は家族の宝物。丁寧に仕分ける遺品整理で大切な思い出を紡ぐお手伝いを

札幌市を中心に遺品・生前整理に従事し、お焚き上げや特殊清掃にも対応

遺品整理の大変さを経験し、同じように困っている人を助けるために起業

元気なうちに身のまわりを片付ける生前整理で人生のエンディングをサポート

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