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ISO取得で社会的評価を高め、組織活性化で働きやすさの実現を目指す

情報セキュリティ強化と組織活性化を支えるプロ

宮沢友幸

宮沢友幸 みやざわともゆき
宮沢友幸 みやざわともゆき

#chapter1

情報関連の法律に対し“グレーゾーン”に当たる企業が多数。国際規格を知り、信用される組織へ

 全国の中小企業に情報管理のノウハウを教える「情報セキュリティマネジメント」の代表・宮沢友幸さん。ISO/IEC 27001(ISMS)やプライバシーマーク(Pマーク)の取得支援を主な事業としています。

 「品質マネジメントシステムのISO 9001、環境のISO 14001、労働安全衛生のISO 45001にも対応しています。また、SDGs(持続可能な開発目標)に準じて開発が進められているISO 53001のコンサルティングも開始する予定。ありがたいことにお客さまからは『認証されたおかげで取引先の評価が高まった』『新たな分野の入札に参加できるようになった』といった声が届いています。専門用語を使わずにアドバイスする点も喜ばれていますね」

 特に情報セキュリティに関して、個人情報保護法やサイバーセキュリティ基本法への理解が不十分な企業も少なくないといいます。結果として、知らないうちに法令違反や情報漏えいのリスクを抱えているケースもあるそうです。

 「まずはプライベートも含めて、コミュニケーションアプリのロック機能を活用してほしいです。顧客やユーザーのアカウントや商談の内容が漏えいしたら、それこそ深刻な経営リスクにつながります。あとはWi-Fiの自動接続設定にもご注意を。飲食店やホテルで仕事をする際に便利ですが、公式のものと瓜二つのアクセスポイントに接続してしまい、端末が乗っ取られるトラブルが報告されています。ISMSの取得で周囲の信頼が高まるだけでなく、従業員の安全意識も変わるので、ぜひご検討ください」

#chapter2

営業担当からコンサルタントに。「個人の力で貢献できる仕事」を志して独立

 中学や高校から理数系の勉強が好きだったという宮沢さん。コンピューター専門学校卒業後は松下電器産業(現・パナソニック)系列のOA機器販売会社に入り、およそ20年にわたり法人向けの営業担当として活躍します。

 「当初は技術職を希望していましたが、就職課の先生に『君には営業が向いている』とアドバイスされ決意しました。キャリアの中ではオフコン(オフィスコンピューター)を扱う期間が長かったのですが、会社がビジネス向けのノートパソコンを量販店で売る方針に切り替えたのに合わせ、ISOコンサルティングとWEBシステム開発を手掛けるベンチャー企業に転職しました」

 同じく営業職として顧客先を回る中、次第にコンサルタント業務も兼任。同じ頃、友人や知人から独立を勧められるようになり、「情報セキュリティマネジメント」を設立しました。

 「会社の看板ではなく、宮沢友幸という個人の能力や人間性で勝負したいという思いがありました。仕事を始めてみると、情報セキュリティの整備に加えて『社員に元気が無い』『職場の雰囲気が悪くて』といったご相談も多く寄せられるようになったんです。そこで、組織活性化に特化したLaugh Tale(ラフテル)というブランドを立ち上げ、参加型ワークショップの提供も始めました。目指しているのは、“明日も行きたくなる会社づくり”のお手伝いです」

宮沢友幸 みやざわともゆき

#chapter3

「場づくり」から始める組織改善。あいさつの変化が職場の空気を変えることも

 宮沢さんによるとLaugh Taleの根底にあるのは心理学や東洋哲学の要素を集約させた「場活(ばかつ)」の手法。中でも“話を聞く”を重視し、個人と組織の能力や士気を引き出すことを大切にしています。

 「通常の会話では相手が発する情報に集中します。一方で場活では、まず安心して話せる場の作り方を学び、目の前にいる人の言葉を音楽のように捉えます。相手が本当に聞いてほしいことを心にとどめながら会話を進めるのです」

 ときには、匿名性を確保したうえで、従業員から会社への率直な不満を聞き取る場を設けることもあるそうです。

 「はじめは発言が少なくても、次第に本音が出てきます。やがて皆さん『社内を変えていこう』という雰囲気に変わっていく。そうした過程の中で、意外にもあいさつの大切さに気付く方が多いんです。『おはよう』『行ってらっしゃい』などの言葉が飛び交い、来客時にも気持ちよく迎えられる職場になって、業績にも良い影響が出た例もあります」

 この領域で経験を重ねた現在、宮沢さんは「経営者との直接的な対話を通じて、組織が変化していくこともある」と実感しているといいます。
 「社長は孤独です。でも、組織の幸せにつながる答えは、すでにご自身の中にあると思います。それに気付くためのきっかけとして、私に期待や不安を打ち明けていただけたらうれしいですね」

 また、将来の夢について尋ねると「小さな書店を開きたい」と笑顔で語ってくれました。
 「本は、過去の偉人や多様な考え方と出会える貴重な手段の一つです。ふらりと立ち寄った方が、自分を導いてくれる一冊に出合えるような場をつくれたらと思っています」

(取材年月:2025年7月)

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宮沢友幸

情報セキュリティ強化と組織活性化を支えるプロ

宮沢友幸プロ

情報セキュリティコンサルタント

株式会社情報セキュリティマネジメント

聞く力による組織活性化のためのアプローチ「場活(ばかつ)」をベースとしたISO規格やプライバシーマーク(Pマーク)の取得を支援し、また職場コミュニケーション環境にもお役立ちし、顧客の信頼性向上に貢献。

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