太陽光発電による豊かな生活を提案するプロ岡本吉直

太陽光発電による豊かな生活を提案するプロ

岡本吉直

太陽光発電アドバイザーの資格を生かし、現地調査から設計、施工までサポート

　「電気を買うのではなく、自分で作って消費する生活を提唱することで、化石燃料に頼らず電力を自給自足する持続可能な社会づくりを目指しています」

　そう話すのは、広島県福山市の「ライフリフォーム」の代表・岡本吉直さん。住宅の改修工事業に加え、太陽光発電・蓄電池の普及に励んでいます。

　「弊社の強みは、太陽光発電アドバイザーが現地調査から設計、施工まで監督することです。屋根の材質や形状に合った製品をご案内し、現場では建築や電気に精通した職人が適切に取り付けます」

　岡本さん自身もアドバイザーの資格を保有。前職での実績も含めると、これまでに800件以上の契約を獲得してきました。創業当初から発電・蓄電システムは国産のものに限り、万が一不具合があっても迅速に対応できるのが特徴です。

　「当方は地域に根付いたサービスをモットーにしています。アフターサービスの一つとして古くなったパネルに対し、パネル表面のコーティングを実施するほか、将来的な清掃点検を計画。売るだけではなく良い商品を末永く使用していただくための活動も必要と考えています」

　因島出身の岡本さんは、本土と比べガソリン代やガス代などが高いことから光熱費を押さえる方法を思案。降雨量が少ない上めったに雪が降らず、晴天率が高い気候に着目し、太陽熱温水器を扱うようになったことが、自然エネルギーを活用する設備を展開し始めた原点です。

　「災害時に停電しても自宅で電源を確保できますので、日当たりのいい戸建てにお住まいの方には太陽光発電をご一考いただきたいですね。昨今の猛暑や豪雨の原因と言われる温室効果ガス対策にもなり、小さな積み重ねが地球温暖化を防ぐきっかけになります」

浴室内で体を拭くタオルを収納するケース「ふろとも」で、ヒートショックを防止

　リフォームで水回りなどを整えてきた岡本さんのもとでは、バスルーム内にタオル置き場がつくれる防水ケース「ふろとも」の販売にも力を入れています。

　「湯船につかったりシャワーを浴びたりしてぬくもっても、風呂場の外で冷気に触れて身震いするのが嫌でした。特に冬場は寒く、体が冷えるのをなんとかしたいと思い、当方で独自に開発したものです」

　浴室で水気をしっかり拭き取ることで湯冷めしにくく、洗面所の床がぬれにくいというメリットも。高齢化が進むにつれ入浴時の寒暖差による事故が増加している背景もあり、「ヒートショックの予防になれば」と岡本さんは言います。

　「医療機関では浴室で服を脱ぐことを推奨しています。『ふろとも』は肌着なども収納でき、浴槽での居眠りを防止するため、タイマーブザーを入れる小物ケースも用意しています。タオルバーに掛けることも、吸盤で壁に貼り付けることもできるので、脱衣所がないワンルームマンションにお住まいの方にもおすすめです」

　「ふろとも」の素材はプラスチックダンボールで、軽くて耐水性があり丈夫。分解もできるので、廃棄する際は折り畳んでコンパクトにすることができます。リサイクル資源として再利用できるため、環境にも優しい点がポイントです。

　「3年がかりで商品化し、2020年にいざリリースしようとしたところでコロナ禍になりました。思うようにPRできずにいたので、高齢者さまをはじめ多くのご家庭に案内していきたいですね」

CO2や燃料・光熱費の削減に貢献する太陽光発電システムを企業に向けても提案

　石油や天然ガスの枯渇や二酸化炭素の排出に対して強い危機感を抱く岡本さん。従業員を増やし、体制を強化することで太陽光の活用を推し進めることを目標に掲げます。

　「日本のエネルギーについて、もう少し興味を持ってもらいたいですね。世界で起こる異常気象のニュースを見て心を痛めつつも『自分は何もできていない』と思うかもしれませんが、ソーラーパネルをつけることで『環境のために行動している』という自負を持てます。まずは自分の生活を変えるところから始めてほしいです」

　法人に向けた取り組みにも注力。「びんご創エネ推進チーム」を立ち上げ、広島県東部にあたる備後地区を中心に参画する企業を募っています。

　「産業用のソーラーをオフィスや駐車場の屋根に設置すれば事業で使う電気をまかなえ、社用車や従業員の電気自動車（EV）も充電できます。グループホームなど、介護・福祉事業者にも提案しており、地域に浸透させていきたいですね」

　太陽光発電システムの裾野を広げるべく意欲を燃やす岡本さんですが、投資に見合うだけの効果が得られるのか、損をしてしまうのではないかといった不安をなくすのが大変だとか。

　「近年、燃料費や光熱費は高騰しています。ソーラーパネルは初期費用が高く感じるかもしれませんが、10年程度で回収でき、それ以降の電気代は大幅に下がりコスト削減がかないます。EVを導入するのと同様に太陽光発電はCO2削減にも貢献し、社会的意義が大きいですから、ぜひ前向きにご検討ください」

（取材年月：2024年12月）

自然エネルギーを活用した太陽光発電システムで電気を自給自足し、地球環境に優しい社会を

太陽光発電アドバイザーの資格を生かし、現地調査から設計、施工までサポート

浴室内で体を拭くタオルを収納するケース「ふろとも」で、ヒートショックを防止

CO2や燃料・光熱費の削減に貢献する太陽光発電システムを企業に向けても提案

専門家プロフィール

Other Interview