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金融と労務の知見を融合し、クラウド活用で中小企業の成長を支援

労務の知見とIT活用で企業成長を支援するプロ

松本千賀子

松本千賀子 まつもとちかこ
松本千賀子 まつもとちかこ

#chapter1

医療・福祉業界を中心に、中小企業の労務課題をクラウド化で解決に導く

 広島市中区白島に拠点を構える「白島社勞士事務所」は、給与計算や各種手続き代行、就業規則の作成・改定、助成金申請支援など、労務に関する業務をワンストップで支援を展開。中小企業が本業に専念できるよう環境を整えることを使命に、特に医療・福祉分野の従業員50名以上300名未満の企業を中心に、50名未満の事業所や異業種にも幅広く対応しています。

 「企業の成長フェーズに合わせて人事・労務体制を整えることで、経営者が次の一手を打つ余裕を生み出せます」
 そう語るのは、代表の松本千賀子さん。創業当初からペーパーレス化を徹底し、給与計算や勤怠管理、社会保険手続きなどすべての業務にクラウドシステムを導入。顧客企業へのクラウド導入支援や、運用サポートにも力を注ぎ、従来の紙運用では得られなかったリアルタイムな情報共有と高い業務効率化を実現。「紙での管理が当たり前だった企業でも、最初は戸惑われますが、半年も経てば『もう紙には戻れない』とおっしゃる方がほとんどです」と話します。

 最大の強みは、労務手続きの枠を超え、福利厚生制度の設計から役員・従業員の資産運用など一気通貫でアドバイスできる点。独立系ファイナンシャル・プランナーとして培った金融知識に、社会保険労務士としての専門性を掛け合わせた総合的なコンサルティング力が光ります。助成金制度の複雑な要件整理や、企業型確定拠出年金の導入支援など、多岐にわたる実績を通じて、企業の持続的な成長を支えています。

#chapter2

挑戦を糧にキャリアを構築、実務と理論を融合させた学び続ける社労士

 松本さんはメットライフ生命(当時:アメリカンライフインシュアランスカンパニー)に入社。保険商品の使い方により保険の可能性を感じ「本当に役立つ商品を広めたい」と情熱を注ぐように。その姿勢が評価され、数々の優秀な成績を収めます。

 金融業界が大きく変化する中、松本さんは「もっと理論的な裏づけを持って顧客と向き合いたい」との思いから、働きながら広島大学大学院社会科学研究科に進学。「金融市場や年金制度の仕組みを深く理解することで、より確かな提案ができると考えたんです」と振り返ります。

 大学院修了後は独立系ファイナンシャル・プランナーとして開業し、保険商品に限定せず、投資信託や確定拠出年金など幅広く取り扱うスタイルに転換しました。500社を超える企業型DC(確定拠出年金)の導入支援を行う中で、次第に「制度を根づかせるには労務面からのアプローチが不可欠」と感じ、2018年に社会保険労務士試験に合格。翌年、白島社勞士事務所を設立し、金融と労務を融合した総合的な企業支援をスタートしました。

 現在は、裕和フィナンシャルマネジメントおよび金融財務研究所の役員として経営にも携わる一方、金融教育インストラクターとして小学生から大学生まで幅広い世代に金融リテラシーを伝える活動にも注力。さらに広島大学の客員講師として「ワークルールと年金・社会保険のしくみ」を担当し、社会保険労務士の専門知識を次世代の人材育成へとつなげています。

松本千賀子 まつもとちかこ

#chapter3

「ゴキゲンな職場とお財布づくり」を目指し、クラウド導入と助成金活用で経営を改革

 クラウド導入支援や助成金申請、就業規則の整備などを通じて、企業の労務体制をトータルに支える松本さん。日々経営者の思いや現場の課題に向き合う中、最も仕事の醍醐味を感じるのは、感謝の声が寄せられる瞬間だといいます。

 特に印象に残っている事例として、建設業とホテル業を兼営する中小企業を挙げます。
 「従業員が30名ほどの会社だったのですが、紙で勤怠管理や給与計算をしていて、労働時間の集計や残業手当の計算が本当に正しいのかという不安があったようです。そこで当事務所では、クラウドの勤怠管理システムと給与計算ソフトの導入をサポートし、あわせて就業ルールや残業申請の流れ等の見直しをサポートいたしました。導入後は、給与計算にかかる時間が月80時間から10時間にまで減って、給与担当の役員も『もっと早くお願いすればよかった』と喜んでくださいました」

 さらに、助成金申請では複雑な条件をクリアし、同社が受給可能な助成金を全額獲得。浮いた資金を社員教育に充てることで定着率が向上したとか。「お客さまの課題を一つ一つ解決し、企業が健全に成長していく姿を見るのが何よりうれしいですね」と松本さんは微笑みます。

 今後の目標は、ホワイト企業化を目指す中堅企業に向けて、給与計算を主軸にアウトソーシング事業を拡充し、本業に専念できる環境を整えること。さらに、従業員300名以上の企業にも対応できる仕組みを整え、成長を支援することです。「ゴキゲンな職場づくりとご機嫌なお財布づくり」をモットーに、金融と労務を融合させたコンサルティングをさらに進化させながら、経営者と従業員の双方が笑顔になれる社会の実現に向けて歩みを進めています。

(取材年月:2025年10月)

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松本千賀子

労務の知見とIT活用で企業成長を支援するプロ

松本千賀子プロ

特定社会保険労務士

白島社勞士事務所

給与計算、労務手続きにとどまらず、助成金の申請代行や福利厚生制度まで総合的に支援。金融知識と社労士の専門性を掛け合わせ、クラウド導入や助成金申請、企業型DC導入などを通じて企業の持続的成長を支えます。

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