柔軟な対応で理想の空間づくりを目指す外構工事のプロ熊谷征士

柔軟な対応で理想の空間づくりを目指す外構工事のプロ

熊谷征士

打ち合わせから施工まで自社で一貫対応。コストを抑え、理想を形に

　「皆さまが快適に暮らせる空間を創造します」と話すのは、広島市の「縁屋-enya-」の代表・熊谷征士さん。広島県と山口県で外構工事業を展開しています。

　「当方は現地調査から打ち合わせ、プランニング、施工まで自社で一貫しています。外部に委託しないため中間マージンが発生せず、価格を抑えられるのが強みです。スポットライトや門扉など、お客さまが購入したものを取り付けることも可能で、お好みの商材をお選びいただけます」

　テラスやカーポート、玄関アプローチの造成、門柱や埋め込み式宅配ボックスの新設、シンボルツリーや生け垣を配置する植栽工事、ブロック・フェンス塀の設置など。多様なニーズに応え、時には地面に打設したコンクリートに「成長の思い出として子どもの足跡を付けたい」といったリクエストも受けています。

　「どんなエクステリアにしたいか決まっていなくても大丈夫です。何パターンか提示し、スマホで360度完成図を確認してもらえるアプリも用意しています」

　希望者に対しては毎日の進捗状況を写真付きのメールで報告。工期中も「ここをこうしてほしい」という要望があれば柔軟に対応しています。

　「着工後の変更についても、できる限りかなえたいと考えています。お客さまが思い描くイメージを形にして、『理想のデザインになった』と感謝の言葉をいただくことがやりがいです」

　地域密着企業として顧客第一を掲げる熊谷さん。清潔感のある身だしなみや、気持ちのいいあいさつといったマナーも徹底。親しみやすく、どんなご相談にも丁寧に向き合うことをモットーにしています。

物流会社で顧客目線を学び、父親のもとで外構工事を修行して独立

　熊谷さんは1976年に広島市で生まれました。父親は一人親方として外構工事を手掛け、幼い頃は現場をよく手伝っていたそうです。

　「父と同じ道に進む選択肢もありましたが、地元の高校を卒業後は大手物流会社に就職し、管理業務に従事しました。荷物が届くのを心待ちにしているお客さまの目線に立つことの意義を教えてもらい、顧客満足度を高める視点が現職でも大いに生きています」

　新卒で入社した会社に約20年間在籍。キャリアを積み、中国・四国エリアを統括する部長職も務めますが、2019年に外構職人になることを決意します。

　「30代に入ってから、サラリーマンを辞めて自分でビジネスを始めたいと展望するようになりました。何度か退職の意を示しましたが、ありがたいことにその都度引き留めていただきました。ただ40代も半ばに入るタイミングで、これ以上は先延ばしにできないと心を決めました」

　父親の下で一から知識と技術を磨いた熊谷さん。「後はありませんから、とにかく必死でしたね」と振り返るほど職務に打ち込みます。約2年間の修行を経て独り立ちし、まずは紹介会社と契約して仕事を獲得。規模の大小を問わず、いずれの案件にも誠実に取り組み信頼を築いていったと言います。

　「コロナ禍ではありましたが、在宅時間が長くなったせいか『住まいを整備したい』との声もあって各方面から引き合いがありました。施工実績が増えるに伴い、お客さまから直接ご用命いただく機会も増えました」

ペットと遊んだり、彩り豊かな木々を眺めたり、庭づくりにも注力

　独立を後押ししてくれた父親は2023年に一線を退き、現在はたまに現場を見に来る程度。「後継者として頼りにしてくれているのであれば、うれしいですね」と笑顔を見せる熊谷さん。

　駐車場を拡張したり、ひび割れが生じたコンクリートやブロックを修繕したり、改修やメンテナンスにも注力。日々、精力的に活動しています。「ペットを飼っているご家庭からは、『愛犬や愛猫が庭で遊べるように』とのオーダーも頂戴します。家の周囲にフェンスを立て、上部には網目が細かい鉄線で『忍び返し』も施し、抜け出さないよう工夫しているので屋外でのびのびと走り回れます」

　一年を通じて葉が茂る常緑樹や、花や実をつける花木や果樹を植えるなど庭づくりにも励む熊谷さん。深緑や四季折々で表情を変える様子をめで、心を癒やしてほしいと語ります。

　「造園、内装工事やリフォームなど、住宅に関する依頼を幅広く請け負える体制を構築したいと考えています。住環境を整え、心豊かな生活を送れるようサポートすることが目標です」

　地域に寄り添い、高齢者を対象にしたマッチングサービスも構想しています。「例えば、『釣りを始めたいけれど教えてくれる人がいない』とか『一緒に囲碁を打つ相手が欲しい』とか。趣味を同じくする人がつながることで、誰もが人生を楽しめる会社をつくりたいですね」

　一つ一つの縁を大切に紡いできた「縁屋-enya-」。住まいと暮らしを支える存在を目指し、アイデアを具現化していきます。

（取材年月：2025年7月）

外構工事を通じて、快適で、心豊かな暮らしをかなえる住環境を創造

打ち合わせから施工まで自社で一貫対応。コストを抑え、理想を形に

物流会社で顧客目線を学び、父親のもとで外構工事を修行して独立

ペットと遊んだり、彩り豊かな木々を眺めたり、庭づくりにも注力

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