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国産の米粉を使ったお好み焼きやもんじゃ焼きの専門店「KANSAI」を展開

材料にこだわったお好み焼き・もんじゃ焼きを提供するプロ

山崎健一

山崎健一 やまざきけんいち

#chapter1

小麦粉の代わりに米粉を使い、外はカリっと、中はふわトロの食感が魅力

 群馬県・埼玉県を中心に、お好み焼きもんじゃ専門店「KANSAI」を展開している「コラボレーション」代表取締役の山崎健一さん。大勢でわいわいと盛り上がれる宴会コースや、家族みんなでおなかいっぱい楽しめる食べ放題コース、デザートやおもちゃが付いたお子さまセットのほか、土日祝日にはランチも用意しています。

 2022年からは、生地に用いる粉を新潟県産の米粉へとリニューアル。コロナ禍で営業時間の短縮を余儀なくされ、時間的に余裕が持てたことが転機になったと語ります。

 「いつかお客さまが戻ってきた時のことを考えて、何か特別なことをしなければと考えました。米粉は油の吸収率が低いためベタつかず、外はカリっと、中はふわふわトロリとした食感に仕上がります」

 小麦アレルギーの人からも好評で、店ののぼりを見て、車で通り過ぎた人がUターンして戻ってくることもあるのだとか。

 「穀物アレルギーの程度によるので、すべての方が大丈夫だとは言えませんが、お客さまには大変喜ばれています。『“粉もん”を諦めている人たちにぜひ知ってほしい』とのお声もいただき、チャレンジしてよかったと思っています」

 山崎さんのもとでは、日本ブランドのヨード卵、産地直送のキャベツと、国産の材料を使用。油は菜種油から米油に変更しました。
 「米油は玄米から1%しか取れない非常に貴重なものです。ビタミンなどの栄養素を多く含み、健康面にも良いことから学校給食でも活用されています。また酸化しにくいため油物特有の臭いが軽減され、クセもないのでまろやかな口当たりです」

#chapter2

関西風のお好み焼きに魅せられ、地元・群馬の人に食べてもらうため創業

 かつて飲食関連の会社に勤めていた山崎さん。関西風のお好み焼きに魅せられ、自身の地元である群馬県の人に食べてもらいたい一心で、1997年に太田市で1号店を立ち上げます。リスペクトを込めて「KANSAI」と命名した通り、開業にあたっては大阪などに赴き、1年ほどかけて理想の味を確立しました。

 「関西風のお好み焼きは、キャベツと生地を卵でつないでいることが特徴です。重さのもとになる生地の量が少ないためキャベツの甘みが引き立ち、ふわっとするんです。混ぜづらいと言われることもありますが、うちでは素材の持ち味を生かす関西風を貫いています」

 当初は、お好み焼きと鉄板焼きでスタートしようと準備していましたが、従業員から「もんじゃはやらないんですか?」と聞かれたことをきっかけに取り入れることを決定。オープンが2カ月後に迫っている中、もんじゃ焼きについて基本的な知識を習得するため、東京の月島、浅草の店を回って研究しました。

 「関東圏で親しまれているグルメですし、お客さまに出すからには名店に負けをとらない味を出したいと思い、開店までの間にレシピを開発しました」

 山崎さんは、豚肉やベーコン、めんたいこ、イカ、エビ、キムチに紅ショウガといった多彩な具材を好みに合わせて追加できるようにしたところ、自在にカスタムできるスタイルが評判を呼びます。顧客がよくオーダーする具材を月替わりのおすすめとして打ち出すことも功を奏し、もんじゃ焼きは店の看板メニューになったそうです。

#chapter3

食のプロとして徹底して味を追求し、試行錯誤を重ねて米粉のメニューを開発

 太田岩瀬川本店をはじめ、県内外で店を営んできた山崎さん。今後さらに店舗を拡大し、手塩に掛けた自慢のメニューを数多くの人に届けていくことを目標に掲げます。

 「当店を選び、足を運んでくださるお客さまの期待に応えるためにも、家庭では出せない味を追求していきます。現状に甘んじることなく、伸びしろを残す意味でも常に90点以上を狙っていきたいですね」

 徹底的に味にこだわり、米粉を採用する際は、商品化するまで2年の歳月を費やしました。酸味のある小麦粉から、さらりと雑味のない米粉に変えたことで味の再調整に苦労し、納得できるまで試行錯誤を重ねたと言います。

 「お好み焼きでももんじゃ焼きでも、お米ならではの優しい風味が存分に堪能できる配合と、オリジナルスープを完成させました。熱々の鉄板で焼き上げることで焼きおにぎりのように香ばしく、口にほおばると白ご飯のような甘みが広がります」

 山崎さんは、従業員に対して焼き方の手順も細やかに指導。肉や海鮮、野菜などの具材を入れる順番や火を通す時間など、素材のうま味を引き出すためのコツをあますことなく伝えています。

 「ちょっとした工夫で確実に味に違いが出てきます。スタッフによく話しているのは、ほんのひと手間が料理の出来栄えを左右するということです。お金を払ってくださるお客さまに満足してもらうことにこそ、プロとしての価値があると思っているので、『おいししい』の一言をいただくため、日々の努力は惜しみません」

(取材年月:2024年6月)

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専門家プロフィール

山崎健一

材料にこだわったお好み焼き・もんじゃ焼きを提供するプロ

山崎健一プロ

飲食業

株式会社コラボレーション

1997年創業。おいしさを追求しながら健康面にも配慮し、国産の米粉を使ったお好み焼き・もんじゃ焼きを開発。小麦アレルギーで食べられないと諦めていた人からも喜ばれている。

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