SNS・インフルエンサーを活用したマーケティングのプロ
大原純
Mybestpro Interview
SNS・インフルエンサーを活用したマーケティングのプロ
大原純
#chapter1
多種多様な温泉設備や、豊富な客室タイプを備える下呂市の老舗旅館「下呂温泉 小川屋」。
大原純さんは、経営企画室長として、マーケティング活動に注力してきました。気心知れた友人、子ども連れや二世帯の家族、夫婦・カップルまで、幅広い利用客のニーズに応える宿を目指し、日々尽力しています。
「旅館のハード面の魅力や、過ごし方提案等、SNSやインフルエンサーを活用した発信によるPRを強化しています。企画立案、施策実施に際しては、SNS時代の新たな購買行動サイクル”ULSSAS(ウルサス)”に沿った運用を徹底。『UGC(利用客の投稿)』⇒『Like(いいね)』⇒『Search1・2(SNS・WEBでの検索)』⇒『Action(宿泊予約などの行動)』⇒『Spread(シェア)』の循環を意識し、潜在層、顕在層のどちらへもリーチできるよう心がけています」
具体的には、LINE公式アカウントの運用を開始。LINE友だち限定の割引プラン販売や、公式HPからの予約のみ使用可能なクーポン配布等を行い、自社予約比率アップを実現。また公式Instagramを活用した発信も強化。『非日常体験』、『リトリートステイ』をテーマに、宿のブランディング強化、認知度向上を図ることで、新規顧客の獲得を実現しています。さらに、インフルエンサー登用によるPR投稿を併用することで、拡散力を高めています。
「SNSを活用した情報発信を強化することで、認知度が高まり、5年連続過去最高売上を更新することができています。SEO対策にも寄与しており、施設名による指名検索機会が増加したことで、利益率の高い自社予約比率は約5倍に上昇しました」
#chapter2
大原さんは高山市で生まれ育ち、小・中・高と地元の学校に通学。高校卒業後は関西学院大学に進学し、経済学を専攻。卒業後は十六銀行に就職します。
約10年にわたって銀行業務に従事した後、自身の将来について考えるようになり、転職を検討するようになります。そんな折、下呂支店に勤務していた際に担当していた「下呂温泉 小川屋」の野村社長と会食する機会があり、その席で採用の打診を受けます。
「下呂支店時代に複数の旅館を担当した際、『旅館業は今後大きく成長するポテンシャルを秘めている』と感じていました。生まれ育った地域の地場産業である、観光業に貢献したいとの思いもあり、転職を決めました。」と振り返ります。入社後は、実際に現場に入って感じた問題点を踏まえ、業務効率化に向けたDX化を推進。その後、旅館業専門のコンサルティング会社への出向を経験、他地域の宿泊施設を担当することで視野が広がり、集客面における新たなアイデアが浮かびます。
「出向するまでは、集客においてエリア内競合の観点しか持ち合わせていませんでしたが、地域外の同業者の方と関わったことで、『下呂温泉のみならず、日本全国の同業者が競合相手である』ことに気付き、集客方針を根本から見直し、各種マーケティング施策の再考に至りました」
#chapter3
近年、急速に生活へ浸透したSNS。企業の情報発信に欠かせない存在となり、旅館業においても「認知度向上や集客力強化のためにSNS活用は不可欠」と大原さんは指摘。
自社アカウントでの発信に加え、インフルエンサーによるPR投稿を併用することで、潜在層・顕在層の双方に効果的にアプローチ。こうした取り組みが評価され、現在では県内高校からSNSマーケティングの講義を依頼されることもあるそうです。
「旅館業に限らず、企業がSNSを活用する上で必要なのは、活用目的を明確化し、その目的に応じた施策実施です。方向性を定め、的確な活用方針を打ち出すことの重要性について、具体例を用いて分かりやすくお話するよう心がけています」
成功体験に基づき、SNS活用における知見の積極的な外部共有を行う背景には、大原さんの『岐阜県の地域活性化に貢献したい』という思いがあります。また、企業がSNSを積極的に活用することは、少子化による採用難が叫ばれる現代において、時代に順応しようとする企業の姿勢や価値観を若い世代にPRし、採用機会の増加に繋げる効果も得られると感じているそうです。
「変化を恐れず、新たな価値観を取り入れる企業姿勢は、若い世代から好印象を抱かれやすいと感じます。私自身、古い考え方の人間で、流行を取り入れることには正直抵抗があります。だからこそ挑戦する姿勢を保ち続けたいですね。私が仕事をする上でテーマに掲げているのが『伝統と革新』。先人の功績を無駄にしないためにも、若い世代の声に耳を傾け、積み重ねてきたものが着実に次の世代に繋げられるよう、柔軟で持続可能な経営を実現する企業が岐阜県内に増え続けることを願います」
(取材年月:2026年1月)
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SNS・インフルエンサーを活用したマーケティングのプロ
大原純プロ
マーケティングコンサルタント
株式会社小川屋
下呂温泉「小川屋」でSNSやインフルエンサーを活用した集客施策に携わる。実務を通じて得た知見を基に、直接予約の促進や情報発信の工夫について講演などを行い、地域の企業や学校と共有しています。
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