顧客ファーストでさまざまな依頼に対応する遺品整理のプロ熊谷良一

顧客ファーストでさまざまな依頼に対応する遺品整理のプロ

熊谷良一

「できないなんて言いたくない」の心意気でさまざまな依頼に対応

　岐阜県を中心に事業展開している「いっきゅうの遺品整理社」。代表の熊谷良一さんは、遺品整理や清掃、不用品回収といった要望を受け、日々県内外を駆け回っています。

　「私どもにお電話をくださるお客様の中には本当に困っている方がおられます。体が不自由な方や、一人暮らしの高齢の方など、『自分ではどうしようもないので、手を貸しほしい』といったご相談に数多く応えてきました。荷物の片付けや処分で気苦労を抱えている方々の力になりたいです。」

　問い合わせがあれば自ら依頼者のもとを訪問し、無料で見積もりを行う熊谷さん。「一番大事にしているのは“お客さまファースト”の姿勢」と語ります。

　「『タンスは持って行けるけど物置の解体は出来ない』とか、『ご自分で玄関まで運んでおいてください』『ごみ屋敷は無理です』などと言われ、結局、実作業へと至らなかったという話をよく耳にします。難しい案件だったとしても『それはできません』なんて、整理のプロとして私は言いたくありません。不可能なことも可能にできるように、時間をかけて方法を模索します」

　家屋整理のほか、事務所や倉庫、店舗にも対応。アパートのオーナーから、退去者が残した家財道具を何とかしてほしいと連絡が入ることもあり、請け負う件数は年間1000件にも上るとか。

　「楽な仕事ではありませんが、お客さまから『助かりました。ありがとう』と言っていただくと『やって良かった』と感じ入ります。みなさまからいただく言葉が励みとなり、ここまで来ることができました」

関連企業との連携で独自の買い取りシステムを構築

　「お客さまが業者に頼む際、最も気になるのが費用ではないでしょうか。例えば、4LDKの住まいを丸ごとお願いする場合、人件費や車両費、ごみの処分費用・分別にかかる経費などを合計すると、最低でも15万円以上はかかります」

　決して安い金額ではないため、依頼主の経済的負担を少しでも軽くしたいと、熊谷さんが実施しているのが不用品の買い取りです。

　「着物や美術品、楽器といった査定額が付きやすいものだけでなく、従来ならごみとして引き取られていた物でも、きちんと活用できる仕組みを作っています。適切に流通させることで、お客さまや社会に還元したいと考えています」

　熊谷さんは貿易関係の会社も営んでいて、さまざまな商材を東南アジア諸国を中心に輸出しています。日本製の雑貨やおもちゃは品質が良いので、海外で需要が高いそうです。各国のバイヤーと連携し、商品として売れない場合は材料としてリユースしたり、プラスチックはリサイクル資源にしたり。今まで9割が廃棄対象だったところ、半分近くまで減らすことができたと言います。

　「当社は、生活雑貨や家具、家電と、それぞれの取り扱いに強みがある取引先を持っています。スタッフ総出で細かく仕分けして、極力捨てないように努力しています。特に遺品は、故人の思い出が詰まっています。ご遺族の方も、捨てるのは忍びないはずです。必要としている人につなげることで手放すことへの罪悪感をやわらげ、お気持ちを楽にしていただきたいですね」

「信頼される企業」として地域への貢献を

　「この業界は、免許や制度において整備が不十分な側面があり、サービスの利用を戸惑う方も少なくありません。グレーな印象を拭い去るためにも私たちは法令を遵守し、信頼される企業でありたい」と力を込める熊谷さん。

　山林や畑に産業廃棄物を不法投棄する悪質な業者が社会問題となって久しく、逮捕される事例も出ています。料金の相場も曖昧で、不当に高い金額を請求したり、強引な営業をしたりする業者も後を立ちません。
　「特に注意しているのは、不用品の分別です。行政の指示に従い、適正に対処するため、専門業者との協力体制も構築しています。料金についても、費目や費用を明確にして、お客さまに納得してもらえるよう説明もしています」。依頼者の疑問や不安を解消するために、わかりやすく伝えることを心がけていると話します。

　「私たちは、地元密着で、“迅速、丁寧、柔軟”な対応をモットーにしています。みなさんから気軽にお声がけいただける存在になりたいので、遠慮なくご用命ください。ソファ一つでも伺います」。ゆくゆくは支店を出して従業員を増やし、業務を拡充することで地域の雇用創出にも貢献していきたいと意欲を見せます。

　「“いっきゅうの遺品整理社”という社名は、テレビアニメの一休さん（テレビ朝日）にちなんで付けたもので、多くの方に親しみを持ってもらえるようにとの願いを込めています。今後も“一級の仕事と一級の優しさ”で、業界のトップ企業を目指します」

（取材年月：2022年1月）

依頼者の希望に寄り添う“一級（いっきゅう）の優しさ”で、納得できる遺品整理を

「できないなんて言いたくない」の心意気でさまざまな依頼に対応

関連企業との連携で独自の買い取りシステムを構築

「信頼される企業」として地域への貢献を

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