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ハラスメント対策やコンプライアンス研修を手掛け、リスクマネジメントで中小企業に“勝利の鐘”を

人事労務におけるリスクマネジメントのプロ

山口真彦

山口真彦 やまぐちまさひこ
山口真彦 やまぐちまさひこ

#chapter1

就業規則を整備し、予備校講師として培ったスキルで組織にルールを浸透

 弁護士資格を持つ山口真彦さんが代表を務め、主に中小企業の人事労務に関するリスクマネジメントを担う「ウィンベル」。各種ハラスメント対策やコンプライアンス研修を得意とし、顧客と共に“勝利の鐘”を鳴らすことを目指しています。

 「例えばパワハラについて弁護士事務所に相談すると、立場的に全てのリスクを避けるようアドバイスされるでしょう。対して私たちはお客さまの経営メリットも鑑み『受け入れることができるリスクは受け入れ、具体策を講じて前進しましょう』と提案できるのが強みです」と、山口さん。

 特に注力しているのが、賃金や労働時間、解雇や懲戒処分など職務上の規律を定める「就業規則の整備」。自社に則した内容に整えて社内に定着させれば、労務トラブルの防止につながると言います。

 「理想的なルールが完成しても形骸化しては意味がありませんよね。従業員に浸透させるための研修もお任せください。私には予備校講師の経験もあり、どういった言動が火種になるのか、どんな制裁を受けるリスクがあるのかなど物事を分かりやすく教えます」

 ハラスメント研修ではプライベートのメールがエスカレートしていくケースを紹介。当初は趣味などで意気投合して連絡を取り合っていたものの「あの人は何でも聞いてくれる」「休日に仕事を頼んでも大丈夫だろう」などと、コンプライアンス違反に変わっていく様子をリアルに伝えます。

 「きっかけは身近に潜んでいます。大きな問題になる前に一つずつ芽を摘むことが大切です。研修を経て『私も同じことをしていた』と実感してもらうことが多いですね」

#chapter2

健康を害し、命を失うことがないよう経営者にリスクマネジメントの意義を説く

 山口さんが現職を志したのは大学時代。何気なく進んだ法学部で法律の奥深さや面白さに触れ、学問的な興味が湧いたと振り返ります。

 「ある問題に対し、複数の弁護士がそれぞれの解決策を提示するテレビ番組が好きでした。以前は『法の下で答えは一つしかない』と考えていましたが、一人一人の価値観を基に解釈が変わるという多様性に魅力を感じるようになりました。その頃から司法試験の合格を目標とし、大学院まで進みました」

 しかし最初の挑戦はかなわず、卒業後は企業の制服などを扱う会社に営業担当として就職。体調を崩すほど懸命に働く中で独立が頭をよぎり、司法試験への意欲が再燃します。

 「会社を辞め、資格取得のための予備校で講師をしながら勉強を続けました。司法試験に受かった日のことは今でも覚えていますね。地下鉄の車内で合格を知り、思わず叫びそうになりましたが両手で口を押さえてこらえました。途中駅で下車し、真っ先に両親に電話しました」

 弁護士になり、交通事故や離婚等の一般民事事件を担当。その後はがむしゃらに働いていた日々を思い出し、中小企業のリスクマネジメント支援にかじを切ります。

 「私はハードワークで倒れても大事には至りませんでしたが『同じような人を生んではいけない』と考えるようになりました。今も過労で病に倒れたり、自ら命を絶ったりする方がいます。健康を害し、命を失うことがあってはなりませんので、経営者や企業に意識を変えるよう働きかけ、クライアントの企業及び経営者はもちろんのこと、そこで働いている従業員の方々も幸せになることを目指しています」

山口真彦 やまぐちまさひこ

#chapter3

服務規律の見直しで組織の雰囲気は変わる。今後は事業承継も視野に

 顧客は従業員20、30人規模の医療やIT関連企業が大半とのこと。事務所のある福岡エリアを中心に、取引先は全国にわたります。

 「当方では従業員が順守すべき服務規律を重視しており、行動規範を見直すことで『職場に心地よい緊張感が生まれた』『誰もが前向きに業務に取り組み生産性の向上を感じる』といった手ごたえを覚えることと思います。私たちのサービスは効果が数字に表れにくいのですが、組織の雰囲気を明らかに変えられると自負しています」

 現在、日本には約350万の中小企業があり、その0.01%に相当する350社と接点を持つことが当面の目標。特に、アクセル全開で進むベンチャー企業などにおいて“安全運転”の重要性を伝えるナビゲーター役を務めたいとか。

 「野心的な経営者の中には、リスクマネジメントを成長へのブレーキと誤解している方もいるでしょう。事業を維持・拡大していく上で危機を把握し、回避することはメリットが大きいのは確かなので、説明の機会を頂けたらうれしいです」

 顧客からの信頼が深まるにつれ相談されるのが事業承継。後継者の育成やマッチング、M&Aも含め、自社で対応できる体制を整えています。

 「気持ちよく世代交代し、自社を発展させるためにも、適切な人事労務により労働環境を最適化する必要があります。一緒に人を重んじるリスクマネジメントを始めましょう」

 山口さんは企業の“右腕”になるべく、九州大学のビジネススクールでMBA(経営学修士)取得するなど、専門性を高めています。

(取材年月:2024年2月)

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山口真彦

人事労務におけるリスクマネジメントのプロ

山口真彦プロ

リスクマネジメントコンサルタント

ウィンベル合同会社

「弁護士×交渉学×経営」の視点で就業規則を見直し、ハラスメントやコンプライアンス対策を実施。また、全国一売り上げた予備校講師の経験を生かした研修で組織に浸透させ、リスクマネジメントに貢献します。

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