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楽しく自由に“わくわく”する体験を通じて、その子らしい成長をサポート

家庭・地域とともに子どもの可能性を育む支援のプロ

成田雄亮

成田雄亮 なりたゆうすけ

#chapter1

主体性を尊重する「児童発達支援」と「放課後等デイサービス」を展開

 「一人一人の特性や発達段階に寄り添いながら“わくわく”を引き出し、たくさんの学びを得るお手伝いをします」と話すのは、「エイト」の代表・成田雄亮さん。

 北九州市八幡西区で「こどもデイサービスWAKUWAKU」を運営し、0歳から就学前の子どもに向けた「児童発達支援」と、小学生から高校生を対象にした「放課後等デイサービス」を提供。施設名には、「心ときめく体験を通して成長を応援する場所でありたい」との願いを込めています。

 「“障害”という言葉にとらわれることなく、その子らしさを大切にしたいと考えています。大人が用意した型にはめるのではなく、その子自身が夢中になれることを起点に“できる”を見つけ、増やしていきます」

 通所する子どもたちの年齢や個性はさまざまですが、常に尊重しているのは、本人の「やってみたい」という主体性です。

 決まったプログラムはなく、子ども自身がその日何をするか自由に選び、支援者がサポートします。手先を使うのが好きな子は工作、体を動かすのが好きな子は体幹やバランスを養う遊びなど。食事や身支度といった生活スキルの習得も、子どもたちが楽しみながら挑戦できるよう工夫を凝らします。

 「たとえ苦手なことでも“楽しい”や“わくわく”が上回れば、おのずと興味がわいてきます。“苦手”を避けてストレスを軽減する“配慮”だけでなく、“楽しさ”と“苦手”をセットにすることで、壁を乗り越える体験も大事にしています。『やってみる』『できた』と成功体験を重ね、自信や次のチャレンジにつながるサイクルを生み出すのが目標です」

#chapter2

遊びに理学療法士の知見をプラスし、感覚や感性、身体能力をアップ

 理学療法士の資格を持つ成田さん。最初に勤めたのは、急性期を脱した患者が日常生活動作を向上し、復帰を目指す回復期の病棟でした。リハビリを経て退院していく患者を見送る中、「自宅で元気にしているだろうか、不便はないだろうか」という思いを強くしていきます。

 「退院後にどう生活しているのか、サポートは必要か。気になっていても、病院の中だけにいては関われない」

 もどかしさを抱えていた頃、福岡で子ども支援事業に従事する人と出会った成田さん。ボランティアとして月に何度か足を運ぶようになります。

 「まず、子どもたちが遊びを知らないことにびっくりしました。木々や草花、水に触れたり、風を感じたりしてこそ育まれる感性や創造性があり、知らずに大人になるのはもったいないと考えました」

 直方市の自然に囲まれた環境で過ごし、川や田んぼで魚を捕ったり、虫を探したり、毎日のように夢中になって遊んでいた成田さんは、好奇心や探求心の種になる“わくわく”を育てることを決意。療育に偏りすぎることなく、感覚・認知・運動・コミュニケーション・社会性といった多面的な成長を促す取り組みへとつながっていきました。

 「経験を積み、2021年7月に会社を立ち上げ、同年10月には『WAKUWAKU』を開所。地域での支援を本格的にスタートさせました。遊びに、理学療法士の動作機能に関する知見をプラスすることで快活に動くための身体能力を高め、お友達と触れ合う中で協調性などを養います」

#chapter3

保護者面談を通じて顔の見える関係性を築き、情報共有にも注力

 成田さんのもとでは月に1度、保護者面談を実施。日頃の様子を丁寧に伝え、家庭での困りごとや不安にもじっくり耳を傾け、必要に応じて子育てのアドバイスもしています。

 「施設では反応が薄く見えた子でも、保護者さまが『あの活動がすごく面白かったと話していました』と教えてくださることもあります。また、私たちがお伝えした内容から、『うちの子、こんなことが好きだったんだ!』と保護者さまの発見につながることもあり、情報共有の機会になっています。子どもたちを支えるうえで、顔の見える関係づくりは重視しています」

 おのおのが自分の道を見つけ、自立する力を育むべく尽力する成田さん。家庭で療養する子どもたちの成長を見守り、家族を援護したいと、児童向けの訪問看護事業にも乗り出します。

 「学校や社会など、集団の中で自分らしく活躍していくには、多様な人と関わり人間関係を学ぶことも重要です。当方は地域との交流を深め、近隣のお寺の敷地でお祭りを開催したり、地域の複数の事業所が集まって合同運動会を開いたりしています。運動会は、ぶっつけ本番。練習の成果を見せるものではないので、子どもたちは競技そのものを純粋に楽しみ、生き生きと輝くんですよ」

 そしてもう一つ、「WAKUWAKU」らしい風景が。卒業しても連絡をくれ、施設に顔を出す子どもたちの存在です。「社会人になった卒業生が仕事の愚痴を言いに来たりね」と笑う成田さん。いつでも立ち戻れる“ふるさと”が、ここにあります。

(取材年月:2025年6月)

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成田雄亮

家庭・地域とともに子どもの可能性を育む支援のプロ

成田雄亮プロ

児童発達支援・放課後等デイサービス

合同会社エイト

主体性を尊重した自由選択型の活動と、家庭・地域とつながる仕組みを備えた児童発達支援・放課後等デイサービス。苦手を“避ける配慮”で終わらせず、わくわくする体験と組み合わせることで“乗り越える力”を育む。

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