法令を順守し故人や遺族の気持ちに真摯に向き合う遺品整理のプロ小泉聡

法令を順守し故人や遺族の気持ちに真摯に向き合う遺品整理のプロ

小泉聡

遺品整理士として故人や遺族の気持ちに寄り添い、一つ一つ丁寧に仕分け

　「遺品整理のサービスが知られるようになり、参入する事業者が増えていますが、中には高額請求をしたり、各種廃棄物収集運搬許可を持たずに不要品を回収していたり、回収品を不法投棄したりする悪質な業者も存在しています。古物商許可だけでは廃棄物の回収は出来ませんし違法です。もし不法投棄された不要品からご依頼者さまが特定された場合、不法投棄した業者は勿論、依頼者さまにも責任が問われますので業者選びには細心の注意を払って頂きたい。私どもは、事業系不要品を適正に処理する産業廃棄物収集運搬業許可や、故人の家財道具を適切に片付ける遺品整理士の資格、福岡県公安委員会の古物商許可を有し、一般廃棄物収集運搬の許認可を持つ有限会社ツカモト環境資源さんとの強力タッグで法令（廃棄物処理法）順守を徹底しております」

　そう語るのは、「SKプランニング」代表の小泉聡さん。福岡県大牟田市を拠点に、みやま市、柳川市、筑後市といったエリアで、遺品・生前整理や残置物撤去、空室・空き家のリフォーム清掃、庭木の剪定・伐採、除草などを請け負っています。

　「地元から離れ、立ち会いが難しいご親族もいらっしゃいます。当方は事前に工程を説明したり、当日は作業の様子を動画や写真で撮影したり、お客さまのご不安を和らげています」
　遺品で残すものはまとめて依頼主に郵送。判断に迷う際は、どんなに小さなものでも依頼主に確認します。

　遺品整理における不正をなくし、業界の健全化を図るために設けられた遺品整理士地区統括会員並びに優良事業所に認定されている小泉さん。故人や遺族の思いをくみ取り、一つ一つの品に敬意を払い、丁重に扱います。
　「ご本人さまが生きた証しであり、ご家族にとってはかけがえのない思い出です。『形見にしたいけれど見つからない』というものがあれば探し出し、お手元に届けます」

大牟田市に移住してSKプランニングを立ち上げ、福祉事業との橋渡し役に

　茨城県で生まれ育ったという小泉さん。かつてメーカーに勤務し、事業の責任者として工場を新設するために大牟田市に駐在します。九州地方の営業として、たまたま訪問した障がい者の就労支援事業所で人生が変わりました。

　「障がい者福祉について何の知識も持っていませんでしたが、事業所で働く利用者さんの生き生きとした表情に心を奪われました。また、社会復帰や自立を支援するという存在意義にも共感しました。代表さんから日々の取り組みなどを詳しく聞くうちに、自分も力になりたいと思うようになりました」

　ちょうど担当していた工場が稼働し、事業が安定してきた頃でもあり、小泉さんは会社を辞めて大牟田市に根を下ろすことを決意。
　「地元密着で活動できるよう2018年に起業しました。縁もゆかりも無い土地だったので周囲からは驚かれましたが、何かに突き動かされるように行動を起こしていましたね」と振り返ります。

　2020年には、労力がいる業務を引き受け地域の役に立ちたいと「SKプランニング」を設立。遺品整理を事業所の職員や利用者に手伝ってもらったことをきっかけに、福祉事業との橋渡し役を担うようになりました。

　「皆さん真面目で、1円玉を見つけても報告してくれます。実直な仕事ぶりがお客さまに伝わり『ここまで丁寧にやってくれるのは有り難いこと』と好評をいただいております。お客さまの反応が利用者さんのやりがいになり、より一層職務に励むという相乗効果が生まれています」

空き家や賃貸物件を整備して住む人を増やし、地域活性化にも貢献したい

　少子化や高齢者の施設入居などを背景に、無人の家屋が増加。大牟田市でも空き家が増えて問題となっています。小泉さんのもとでは、遺品整理や不要品回収を受託した流れで、壁紙の張り替えやクリーニングも行い、「実家を整備して貸し出したい」といった要望にも応じるようになりました。

　「人口が減少している街はどことなく空気がよどんでいます。自分が気に入って移住した土地なので、空き家を生まれ変わらせて住む人を増やし、地域活性化に寄与できればと考えています」

　不動産会社の要請を受け、管理物件を清掃したり、退去の際は原状復帰をしたり、賃貸住宅のメンテナンスにも従事。定期巡回だけでなくスポットでの利用も可能だと言います。

　「何事も自分でやらないと落ち着かない性分」と、各現場に赴く小泉さん。特に夏場はうだるような暑さですが、自らが率先して動き、汗だくになっている姿にメンバーが共鳴し、懸命に作業を進めているそうです。

　「あまり細かいことは言わず、見本となるような仕事をしているだけです」と謙遜しますが、庭を手入れした後などに「すごくきれいになった」と褒められることも。
　「お客さまからいただく言葉が何よりうれしいです。当方は『楽しく誠実に』をモットーに、どんな案件も前向きに真摯（しんし）に対応します」

　地域の人たちの声に耳を傾け、心穏やかに過ごせるようサポートすることを目標に掲げ、「困ったことがあれば何でもご相談ください」と呼び掛けます。

（取材年月：2024年3月）

遺品整理と不要品を収集・運搬する資格を有し、法令に基づいて健全なサービスを提供

遺品整理士として故人や遺族の気持ちに寄り添い、一つ一つ丁寧に仕分け

大牟田市に移住してSKプランニングを立ち上げ、福祉事業との橋渡し役に

空き家や賃貸物件を整備して住む人を増やし、地域活性化にも貢献したい

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