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快適な住空間で暮らしやすさをかなえ、災害に備えた住宅「菜のハウス」を開発

「暮らしやすさ+災害に備える」をかなえる家づくりのプロ

宮本則子

宮本則子 みやもとのりこ
宮本則子 みやもとのりこ

#chapter1

全館空調システムで適温を保ち、太陽光発電・蓄電システムで自立できる家

 「家は家族が生活をする大切な場所です。毎日の営みですから、デザインが良くても暮らしにくさを感じるとストレスになり、光熱費などがかさむと家計の負担になってしまいます。当方では、利便性や機能性とともに、夏の暑さや多発する災害にも考慮した住まい『菜のハウス』を完成させました」

 そう語るのは、福岡県北九州市にある「千葉工務店」の代表取締役・宮本則子さん。自社で開発した「菜のハウス」は、太陽光から得た再生可能エネルギーを活用し、適温に整えた空気を室内に循環させ、きれいに換気する全館空調システムを導入しています。

 「春は気候が穏やかですが、黄砂に見舞われ窓を開けることもままなりませんし、夏は35度を超える猛暑日が続きますので、過酷さを増す外部環境から皆さんの暮らしを守りたいと考えました。『菜のハウス』は、屋根、外壁、窓、基礎などに断熱性を施しているので外気温の影響を受けにくく、少ない電力で快適な住空間を作り出すことができます」

 屋根に設置した太陽光発電パネルで発電し、トライブリッド蓄電システムにより電気をためて家全体への出力をコントロールするほか、電気自動車も充電。停電しても電力を自給自足することができます。

 「地震や台風が多い日本で、電気やガス、水道への備えは重要度が増しています。『菜のハウス』では井戸水とプロパンガスを使い、ライフラインがストップしてもしばらく自宅で生活できる、災害に強い自立した家になっています。事前に連絡をいただければご案内しますので、ぜひ実物を見学してください」

#chapter2

建築の専門性と長年の経験に生活者の視点が加わり、住みやすさを提案

 父親が創業した「千葉工務店」の代表に2008年に就任した宮本さん。大阪芸術大学の建築学科で学びますが、当時は家業を継ぐためというより理数系が得意だったからと進路の理由を明かします。

 「女性が大学に行くことも、専門的な仕事に就くことも少ない時代でした。学級委員をしたり、堂々と意見を言う子どもだったので親から『あなたが男の子だったら良かった』と言われていました。自分にどこか経営者気質があることは分かっていました」

 一級建築士試験に独学で臨み、一回で合格。「朝から晩まで図面を引いても嫌にならない。経営者となった今でも集中できます」と設計好きの一面をのぞかせます。

 「『菜のハウス』という名前は極小単位の『ナノ』に由来し、データや先進的な設備を活用した『科学的な家』という意味を込めています。現場は、草原が広がるのどかな場所だったので『ナノ』を『菜の』に変えました」

 間取りは、各部屋がなめらかにつながるスキップフロアを採用。ドアや壁による仕切りが少なく開放感があり、階段のステップ数も少ないで家の中を行き来しやすい造りです。空気の巡りがよく、全館空調と相性がいいのもメリットと説明します。

 「レイアウトや動線、採光や通風など、工務店として多くのリフォームを手掛けた経験が役に立っています。ご高齢の方や小さなお子さんがいるご家庭は在宅時間が長く、日中に十分な明るさを確保することも大事です。子育てや主婦をしてきた目線でご提案できるのも強みです」

宮本則子 みやもとのりこ

#chapter3

長く住み続けられる「菜のハウス」を多くの人に知ってもらい選択肢の一つに

 「お客さまには将来にわたり不便なく、心地よく過ごしていただきたいので、自分たちが責任を持って家を建て、アフターフォローを通じて末永くお付き合いをしていきたい」と家づくりの心構えを熱く語ります。

 「例えば、リビングなどに大きなガラス窓が入った家がはやっていますが、重さで窓枠がゆがんでしまうなど、後々のメンテナンスが大変なことはお客さまに知らされていません。『10年保証』と言われますが、生活をしていれば10年なんてあっという間。弊社はできるだけ費用をかけず、20年以上は住み続けることができる家づくりを目指しています」

 「菜のハウス」の屋根は、軽量で負荷が小さく、耐久性に優れたガルバリウム鋼板製を使用。構造は、四角いキューブ型にすることでバランスよく建物を支えます。さらに耐震性を強化するため、面で支える要素が高い縦長の窓を採用。1階は防犯性を上げるため窓を設けず、中2階以上から自然光をたっぷり取り入れています。

 こだわりが詰まった家ですが宮本さんが設計し、自社で施工するため費用が抑えられるのが特長。「営業担当はいませんし、販促活動もしていないので余計なコストがかからず、価格面でも配慮しています」と笑顔を見せます。

 「デザインばかりを重視する家ではなく、耐久性があり、暮らしやすい家を設計する私のような建築家がいてもいいじゃないですか。選ぶのはお客さまです。選択肢の一つとして『菜のハウス』を知っていただければうれしいですね」

(取材年月:2024年5月)

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専門家プロフィール

宮本則子

「暮らしやすさ+災害に備える」をかなえる家づくりのプロ

宮本則子プロ

一級建築士

株式会社千葉工務店

全館空調システムを導入し、経年劣化しにくい工夫を施した長く快適に住み続けられる家。太陽光発電、プロパンガスなど複数のエネルギーを活用することで、災害時に自立できる設計になっています。

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