雨雪から家を守る屋根づくりを目指す、雨漏り修理と瓦工事のプロ山崎森朗

雨雪から家を守る屋根づくりを目指す、雨漏り修理と瓦工事のプロ

山崎森朗

瓦の葺き替え、雨漏りの修繕、雨どい修理などを手掛け、屋根診断も実施

　「屋根は雨や風、雪、紫外線にさらされ傷みやすい部分です。皆さまの大事なわが家の寿命を延ばし、長く住みつないでいけるよう私どもが適切に手入れします」

　そう話すのは、福井県鯖江市の「やまざきかわら」の代表・山崎森朗さん。瓦の葺き替えをはじめ、新築時の敷設、雨どいの修理、外壁の張り替えなどを請け負っています。

　「特に雨漏りの修繕を得意としています。天井や壁にシミが出てからご連絡をいただくことが多いですが、室内にまで水が及んでいるのは末期の状態です。構造材が腐食すれば家全体の強度が落ちるうえ、カビが発生する恐れもあります。ダメージが広がれば工事の規模も大きくなり費用もかさみますので、定期的にメンテナンスすることをおすすめします」

　山崎さんのもとでは屋根診断を無料で実施。ずれやはがれなど、問題がないかをつぶさに調べます。

　「雨漏りは、雨水の浸入を防ぐ下葺き材の劣化が原因になっているケースが多いんです。根本から解決するため、屋根材を解体して防水性が高いシートを施すことも可能です。ご予算にも配慮し、お客さまに合わせた対処法をご提案しますので、不安や疑問があればお聞かせください」

　「ヒアリングをもとに顧客の要望に添った施工を行いたい」「職人技と自負する技術をダイレクトに届けたい」との思いで個人客を中心に依頼を受け、アフターフォローにも力を注ぎます。

　「案件が少ない冬場にはお客さまの家へ足を運んで点検しています。当方は地域密着ならではの迅速な対応や、越前瓦を用いるなど地元の風土に適した屋根づくりを強みとしています」

瓦葺き専門の3代目として、屋根の困り事を一番に相談してもらえる存在に

　山崎さんは幼少期から、瓦葺きを手掛ける祖父や父の背中を見て育ちました。屋根の上で手際よく作業する姿に憧れを抱き、同じ道に進むことを決意。高校卒業後は福井県内の瓦工事店で働きはじめました。

　「外の世界で修行するため、祖父や父のもとではなく別の会社に就職しました。屋根工事や瓦葺きの腕を磨き、2010年に独立しました」

　瓦葺き専門の3代目である山崎さんですが、会社を継ぐのではなく、自身で起業する道を選びます。つても当てもない状態からのスタートで、軽トラック1台で新規顧客の開拓に励みました。

　「祖父や父の顧客を引き継いだわけではないので、苦労が多かったですね。チラシを作るお金もなく、名刺を持って1軒1軒、訪問しました」

　足を使い、地道な努力のかいがあって状況は徐々に上向き、現在では事業も安定。右腕として信頼の置けるメンバーにも出会えました。

　「一緒に頑張ってくれる職人らは大切な宝です。高所にのぼり、現場では落下のリスクがつきまといますので、不備なく足場を組むなど安全第一を徹底し、工具や資材の整理整頓も心掛け事故の防止に努めています」

　慎重かつ丁寧な仕事が功を奏し、最近では紹介や口コミによる問い合わせが増えているのがうれしいと言います。

　「雨漏りや瓦の割れ、浮きなど屋根に不具合が生じたとき、一番に『やまざきかわらさんに相談しよう』と思ってもらうことが目標です。皆さまに頼りにしてもらえるよう、ノウハウを蓄えていきたいですね」

自然災害から1軒でも多くの家を守るため、技術を継承し人材育成に注力

　不燃性の粘土を高温で焼き締める瓦は耐火性や耐久性に優れ、瓦の葺き合わせ部分に通気性があり日本の多湿な気候にも適しているのが特徴。歴史ある神社仏閣で重宝され、伝統的な屋根材として受け継がれてきました。

　「重さがあるため、地震の際に家屋の倒壊が懸念されていますが、今は軽量化が進み荷重がかかりにくくなっています。また、色やデザインのバリエーションも増えて和洋の住まいにマッチします。重厚感など瓦にしかない良さを伝えつつ、セメントなどを使ったストレートや、ガルバリウムといった金属板など、性能やお好みのテイストを踏まえて、多様な屋根材をご案内していきたいと考えています」

　顧客の希望や建物の状態、立地に合わせてプランを提示する山崎さんには、豪雨、豪雪、地震、台風などから、1軒でも多くの家を守りたいという願いがあります。

　「事後の修理だけではなく、下地にしっかり固定する防災瓦を採用するなど災害に備える対策にも力を入れていきたいですね」

　高度なスキルを持つ職人が高齢化し、人手不足が深刻化している昨今、培った技術を若い世代に継承することも指標に掲げる山崎さん。10代・20代の従業員が活躍し、研さんを積む様子を喜ばしく見守っているそう。

　「異常気象などを背景に自然災害が頻発し、屋根の修理を必要とする人が増えることが予測されます。職人の減少により『頼む業者がいない』と困る人を生まないために、今後も人材の育成に取り組んでいきます」

（取材年月：2025年2月）

屋根専門の職人として、台風や大雪、地震に負けない屋根づくりを目指す

瓦の葺き替え、雨漏りの修繕、雨どい修理などを手掛け、屋根診断も実施

瓦葺き専門の3代目として、屋根の困り事を一番に相談してもらえる存在に

自然災害から1軒でも多くの家を守るため、技術を継承し人材育成に注力

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