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こだわるのは「可視化」。培ってきた技術と知識、プロとしてのサービスと提案を直接顧客に届けたい

住宅用窓・サッシ取り付け、リフォーム工事のプロ

前田武彦

前田武彦 まえだたけひこ
前田武彦 まえだたけひこ

#chapter1

プロだからこそ分かる住宅における窓・サッシの重要性。環境や健康の面でも伝えたいことがある

 「セールストークで商材を売る今までの住宅業界の営業から、ようやく私どもの業種にもプロショップが誕生してきている中で、お客さまに直接、情報を可視化して伝えることに強くこだわっています」と語るのは、「北陸ウインドウ」代表の前田武彦さん。1977年に創業し、窓・サッシの加工販売を手掛けています。

 会社に併設したショールーム・リフォームショップ「MADOショップ越前中央店」やSNSを通じて商品説明や施工例などを発信し、元請けとしても窓リフォームに携わる前田さんですが、主には工務店やハウスメーカーが取引先。「エンドユーザーに思いが届いていないどころか、時に間違った方向で伝わっている現実に、業界に入って以来歯がゆさを感じていた」と言います。

 建設・住宅業界が値下げ競争に走る中、窓・サッシはコストカットの対象に挙げられやすいパーツだとか。
 「窓なんてどうでもいいって扱いを受けた時代もありましたし、今でも安けりゃいいと言われるお客さまがいます。自ら正しい情報を発信していかないときちんと理解してもらえません」。日本の住宅性能が海外より劣る理由もこうした意識の差にあると提言します。

 「国の方は、温暖化防止に関する国際協定『京都議定書』におけるCO2削減の観点から、熱の出入りが大きい、住宅開口部の重要性を認識しています。例えば最新のエアコンも、窓の性能が悪ければ機能を発揮できません。また日本に多くのアレルギー体質の方がいることと、湿気や開口部の熱量の関連性を指摘する声もあります。健康の面でも、窓が担う役割を知ってほしいんです」

#chapter2

視覚的に客観的に、正直に、そして正確に。プロだからこそ知る「当たり前」の大切さ

 対工務店といった社外的な関係性でも、また対職人のように社内的な指導方針でも、旧態依然とした「事なかれ主義との決別」に腐心してきたという前田さん。窓取り換えによる防音や防湿効果を計測するほか、サーモグラフィーを使って温度差を視覚的に明示する試みにも力を入れます。

 「お客さまのご要望が仮にお金の無駄になってしまうような場合は、最初の段階で不要である旨ご説明して納得していただきます。『黙っていたらもうかるのに』なんて言われますが、お客さまに満足してもらうことが私どもの商売。お客さまのためにならないことは、やれません」

 地元の学校の体験学習やキャリア教育の中で、「窓が開いて閉まるような、生活の中にある当たり前の大切さ」について話しているという前田さん。窓・サッシの取り付けはミリ単位の仕事。寸分の狂いが窓をゆがめるように、正直さの欠如がプロとしての信頼性をもゆがめてしまうという強い自覚があるのです。

 前田さんのもとでは、内外装工事などのアレンジも行います。例えば先日、脳梗塞によって半身麻痺になった家主宅では、窓の他にフローリングの張り替えや和式から洋式便器への交換も発生しました。

 「昔は工務店が全体を請け負う便利屋みたいなイメージでしたが、今は各業種が時代とともにプロとして成熟してきています。当社の場合、リフォームにあたって中間マージンをいただくかたちではなく、私どもがネットワークを結ぶ専門家を直接ご紹介しています」

前田武彦 まえだたけひこ

#chapter3

同じ志を持つ同業他社とも連携し、窓・サッシ業のさらなるプロフェッショナル化に向かっていきたい

 人口減少を背景に、昨今は新築着工件数も少なくなっています。2020年代中盤前後が、業界にとっての変わり目になると見定める前田さん。「高齢化も相まって、会社をたたむ人も増える。技術と知識だけでなく地域で蓄積した経験、サービス力や提案力、アフターメンテナンス機能も持ち合わせたプロショップでなければ生き残れない時代が来る」と危機感を募らせます。重視するのは、「弊社が掲げるビジョンのゴールとお客さまの幸せを一致させ、表現すること」です。

 顔認証で解錠される玄関ドアが登場し、ガラス面に指をスライドするとアプリが表出する窓の発売も間近。進歩が目覚ましい一方で、「地球環境の変化に合わせて生活が変わっても、人の意識は変わっていない」ともどかしさを吐露します。

 「海外では高気密・高断熱住宅が一般的です。そこをいまだに躊躇していては、カーボンニュートラル(脱炭素社会)にもSDGs(持続可能な開発目標)にもならない。私たち日本人も、そういうところに目を向けないと、社会も次のステップを踏めないのではないでしょうか」

 前田さんは、県内で同じような問題意識と目的意識を持った同業他社とコミュニケーションを重ね、SNSで配信するPR用ショートムービーも制作しています。

 「ライバルであるとともに、見方を変えれば同じ思いで奮闘する仲間。私どものジャンルがプロショップとして確立していくためには、一人の力だけでは難しい。互いに協力できる体制を構築し、業界として次の段階に進んで地域のために必要な企業になっていきたいですね」

(取材年月:2022年7月)

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前田武彦

住宅用窓・サッシ取り付け、リフォーム工事のプロ

前田武彦プロ

窓・サッシの加工販売

北陸ウインドウ有限会社

情報の可視化を重視し、窓・サッシの取り替え効果を客観的に理解してもらった上で施工へ。また、窓・サッシのリフォームから派生する別工事も中間マージンを取ることなく、信頼できる各分野のプロを直接紹介する。

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