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愛媛の生産者が丹精込めて作ったおいしいお米で郷土愛を育み、米文化や農業の発展に貢献

地域生産者と飲食店をつなぐ地産地消の米卸販売のプロ

早野由規

早野由規 はやのよしのり
早野由規 はやのよしのり

#chapter1

生産者と直接取引し、飲食店や食堂を運営する事業者、個人の顧客らに販売

 「スーパーなどでは、新潟をはじめ国内の米どころの銘柄米を手軽に購入できますが、愛媛県にも引けを取らない良質なお米を栽培している農家さんがいます。地元でとれたおいしいお米を、皆さんにご賞味いただきたいですね」

 そう語るのは、愛媛県松山市で米の卸売業を営む「四国フード」代表の早野由規さん。県内の生産者のもとに出向いて買い付けたお米を、飲食店や企業・病院・福祉施設の食堂を運営する事業者、給食業者、個人らに販売しています。

 「私どもは中間業者を介さず、生産者さまと直接お取引しています。作り手の顔が見える安心感と、自ら味を確かめ、自信をもってお届けできる品をそろえているのが強みです」

 中でも早野さんがほれ込んだのが、各食味コンクールなどで評価を受けた生産者のお米です。

 「炊き上がりのご飯は甘くてうま味があり、何としても当社で取り扱いたいと思いました。最初は『よく知らない相手とは契約できない』と難色を示される生産者もいらっしゃいましたが、数年間通い続け、ようやく承諾をいただくこともありました」

 粘り強く交渉し、今では「販売は早野くんに任せられるから、お米の生産に集中できるよ」と言ってもらえるほど、厚いパートナーシップを形成。生産者が一生懸命育てたお米を地域の飲食店に紹介したところ、「こんなにおいしいお米が愛媛にあるのか」と驚きの声が寄せられました。

 「地元の食材を使いたいと考えている料理人さまに、ご満足いただけるのはうれしい限りです。農家の方々からダイレクトに仕入れているので、価格を抑えてご提供できる点も喜ばれています」

#chapter2

不動産業で鍛えた営業力を生かして新規顧客を開拓し、生産者も発掘

 早野さんは愛知県名古屋市の大学に進学し、卒業後は名古屋市の大手不動産会社に就職。セールスとして従事しました。

 「指導もそこそこに、1年目から一人で現場に出されました。当初は不動産という高価な商品をどうやったら売ることができるか、毎日悩んでいました」

 人と話すことが好きで、社交性に富んだコミュニケーション力と、顧客のライフイベントを踏まえて資金計画を立てるなど、実直なプランニング力で新人時代から活躍。4~5年勤務した後、父親と兄の会社「四国フード」を手伝うために故郷へ戻ります。

 「県外向けの卸が中心でしたが、地元事業者や個人のお客さまに向けた販売が増え、人員が足りなくなっていました。不動産の仕事は好きでしたが、父に『兄と一緒にやってはどうだ』と言われ、『やってみたい』とスパッと会社を辞めました」

 2011年に家業に入り、しばらくは社内業務などをサポートしていましたが物足りなさを感じるように。培った営業力を発揮し、新規顧客をどんどん開拓します。

 「不動産業で高額商品を扱っていたので、お米を売ることに不安はありませんでした。食生活に根差したお米を必要としているお客さまは数多く存在していますから、市場規模も大きい。前職では飛び込み営業もしていたので、気後れすることなく商談に挑む度胸や、購買意欲を引き出す提案力が鍛えられたのも大きかったと思います」

 2023年に代表取締役に就任。販路を拡大するとともに、地元で米作りに情熱を燃やす生産者の発掘に取り組んでいます。

早野由規 はやのよしのり

#chapter3

生産者・飲食店・消費者をつなぐ「三方よしの地産地消」を目指して

 飲食店の多くは、長年の付き合いで同じ業者にお米を頼んでいるのが実情だとか。早野さんは自慢の品を案内すべく、積極的にアプローチしています。

 「サンプルをご用意しているので気軽にお試しいただけます。どこの誰が作っているのかをお伝えすることでヒト・モノへの信頼感と愛着心も生まれ、米作りに対する思いなどに共感してご購入くださいます」

 希望があれば、自社のネットワークで野菜や酒類の卸業者も紹介。時には、経営について相談されることもあるそうです。

 「子どもの頃は、家業を『米を売る商売』と捉えていました。現在は、地元の生産者さまと飲食店さまをつなぐマッチングこそが、自分の役割だと自負しています」

 県内で米作りに励む人のうわさを聞けば現地へ足を運び、品質を確認して入荷。流通を「四国フード」が担うことで、農家は米作りに集中でき、飲食店は地場産の新鮮なお米で献立を引き立て、お店を訪れる人たちは、地域の気候風土に育まれたご飯を口にできる。早野さんは「三方よしの地産地消」を目指しています。

 「以前は味の違いを意識することはありませんでしたが、丹精込めて作られたお米は食味が豊かで『逸品を埋もれさせるわけにはいかない』と気持ちが奮い立ちます。地元に素晴らしいお米があることを知ってもらい、地元の方にこそ食べてほしいと願っています。日々の食卓で楽しんでもらうことで郷土愛を育て、お米文化の維持・発展や農業の振興にも貢献していきたいと思っています」

(取材年月:2026年6月)

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早野由規

地域生産者と飲食店をつなぐ地産地消の米卸販売のプロ

早野由規プロ

米卸売業

有限会社四国フード

愛媛県内の生産者から直接買い付けた米を飲食店や事業者へ卸し、中間業者を介さないことで価格を抑えながら生産者の顔が見える安心感も提供。地域で育ったお米を地域で味わう地産地消を目指しています。

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