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自然由来の素材を使い、施主のこだわりに応える家づくり

自然由来の素材にこだわる家づくりのプロ

守口公三

守口公三 もりぐちこうぞう
守口公三 もりぐちこうぞう

#chapter1

化学物質をできる限り排除した「無添加住宅」の建材で、健康な暮らしを目指す

 自然由来の建材を使った住まいで、健康で快適な暮らしを送ってもらいたい-。「情熱工務店」代表、守口公三さんは愛媛県内外の建設会社などで建築や土木の経験を積んだ後、2013年に地元西条市で起業。株式会社無添加住宅(兵庫県)の正規代理店として、住宅の新築、リフォームなどを請け負っています。
 起業時に「自然素材」を扱うなら、できる限り化学物質を排除したものを選びたいと決意、代理店になったという守口さん。建材などから発生する化学物質などが原因となるシックハウス症候群は、化学物質を使った建材や有機溶剤ではなく、自然由来のものを使えば発症の可能性を低くできます。

 さらに「自然由来の建材にも品質に差があります」と守口さん。例えば外壁や内壁に使われる昔ながらの塗り壁用漆喰(しっくい)は、調湿機能があって結露やカビが発生しにくく、耐火性や耐久性にも優れています。しかし商品によっては、化学物質が入った接着剤や防カビ剤が使われていることがあるそうです。無添加住宅では、化学物質を排除した漆喰のほか、断熱材に炭化コルク、接着剤に米のりやにかわ、装飾や屋根材に天然石などを使っています。

#chapter2

ヒートショックによる悲劇を繰り返さないため、床暖房を提案

 守口さんによると、一般的な住宅では築20年ほどでサイディング(外壁用パネル)やコーキング(目地の充てん剤)を補修するなどリフォームする必要があります。しかし無添加住宅の漆喰や天然石材を使った住宅は年を経るごとに味わい深く風合いが変わり、「お孫さんの代まで住み続けられる耐久性が誇り。補修は雨どいなど小規模で済みます」といいます。また建材に化学物質や石油を使わないため「太陽光発電などを取り付ければ、建材の製造段階から暮らしを営むまで、省エネルギーで環境に優しい家づくりを実現できます」と紹介します。
 一般的な住宅よりも建築費用が割高になってしまうこともありますが、長時間過ごす寝室のみ漆喰にする、外壁はサイディングにして内壁は漆喰にするなど、予算や優先順位に応じて自然素材を取り入れることも可能です。

 新築の場合、守口さん自身の経験から全館空調の床暖房を推奨しています。2016年、守口さんが小さなころから面倒を見てもらった伯母が突然亡くなりました。入浴中の事故で、急激な温度の変化により心臓に負担がかかるヒートショックが原因でした。各部屋の温度差がなくなるような床暖房があれば、こうした事故の恐れは低くなります。初期費用はかかりますが、太陽光で温めた温水を利用したり、エアコン1台で家全体を空調できる換気システムと組み合わせたりすればランニングコストを抑えることができます。守口さんは「悲劇を繰り返さないため、検討してください」と力を込めます。

守口公三 もりぐちこうぞう

#chapter3

打ち合わせを重ね、施主の優先順位や好みを徹底的に把握

 守口さんのモットーは「誠実、ひたむきであること」。「施工不良はもってのほか」ですが、これまでの経験から施主の不満の原因が工務店の説明不足や双方の思い込みである場合が多いと実感しているそうです。守口さんは施主の好みや生活の優先事項を把握できるよう、時間がかかっても、施工の最終段階まで打ち合わせを重ねます。昨年施工したキッチンリノベーションでは、工事の完了までに約1年かけました。施主本人を含め、具体的にどんなキッチンが理想なのか分からなかったからです。話をしながらさまざまなアイデアを提案、高級感のある床面と、木製カウンターなど建具の素材のアンバランスさが不満の原因と突き止め、素材やデザインの調和が取れたキッチンが実現しました。

 また守口さんは、ありきたりではない間取りや、施主の難しい要望にどう応えられるかを考えるのが「楽しい」と破顔。鉄製のオリジナル建具を作る鍛冶職人や腕の良い大工など、地元の仲間と協力体制を整えています。ことし手掛けたトイレのリノベーションは、ニッチ(壁をくぼませたスペース)を作り、折り上げ天井にするなどのこだわりがあったためか、数社に「うちではできない」と断られていました。3週間近くかけ好みの柄のクロスを探すなど苦労しましたが、シャンデリアが輝く豪華なトイレに仕上がりました。

 こうした姿勢のせいか、施主の年齢層は高めで「ライフスタイルにこだわりを持った30、40代以降が多い」と守口さん。1軒1軒にじっくり向き合うため、多くを手掛けることはできませんが、ことしは4軒の住宅新築を受注、うち2軒は内外壁とも漆喰にするなど、ほぼ自然素材で進める予定です。「自然素材の家ができるから」と受注することもあり、守口さんは信念を持った家づくりに手応えを感じています。

(取材年月:2020年2月)

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