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犬の力を知ってもらい、一人でも多くの方に癒しと笑顔を届けたい

犬を介して人の笑顔を引き出すアニマルセラピスト

佐藤志保

犬を介して人の笑顔を引き出すアニマルセラピスト 	佐藤志保さん
アニマルセラピーの様子

#chapter1

アニマルセラピーを多くの人に知ってもらいたい

 犬や猫にさわることで癒されたり元気をもらえたり…そんな経験はありませんか?こうした動物の持つパワーに着目し、動物と触れ合うことで人が癒されストレスや痛みが和ぐと注目されているのがアニマルセラピーです。佐藤志保さんが代表を務めるNPO法人アニマルセラピーwithワンは、犬との触れ合いによって心身をケアするドッグセラピーを行っています。

 アニマルセラピーwithワンのメイン活動は『訪問グループドッグセラピー』と『おうちドッグセラピー』。『訪問グループドッグセラピー』は高齢者施設や障害者施設、学校、緩和ケア病棟などでの活動です。1回20名程度の参加者がセラピードッグ5〜6頭とふれあいを楽しみます。参加者の皆さんは抱っこしたり、触ったり、お手やおすわりをさせたり。「犬は好きじゃない」と言っていた方までが最後には笑顔になっていることもよくあるそうです。『おうちドッグセラピー』は、ご自宅や施設の個人部屋へセラピードッグとともに訪問。利用者ご自身の生活の場でリラックスして触れ合えると喜ばれています。利用者の表情が変わったり会話が増えたりすることで、ご家族の癒しにつながっています。

 佐藤さんはドッグセラピーの魅力を「利用された方の嬉しさがダイレクトに表情に出てきます、そうすると私たちも嬉しい。中には涙を流される方、昔買っていた犬の話をされる方もいますし、『ありがとう』と繰り返して犬をぎゅーっと抱きしめるのを見ると胸がすごく熱くなって活動していてよかったと思います」と語ります。同じような思いを一人でも多くの方に味わってほしい、そんな思いのできるアニマルセラピーという活動自体を世に広めたいという思いで日々活動しています。

#chapter2

大好きな犬と一緒に、誰かの役に立ちたい

 アニマルセラピーの効果はいろいろな検証がされていますが、実際に動物との触れ合いによって「心が落ち着いた」「ストレスが軽減した」という声が多く聞かれます。また動物を抱いたり撫でたりすることで、弱まった運動機能の回復にもつながるといわれています。最近ではアニマルセラピーを取り入れる高齢者施設が増えているようです。「私たちは会話を大切にします。私たちが行っているのは動物介在活動というもので、皆さんに楽しく犬と触れ合ってもらい、幸せホルモンを出して元気になってもらうことが目的」という佐藤さん。犬に触れてもらいながら、人間同士のコミュニケーションを取ることでセラピーを受ける側の気持ちにも変化をもたらしていくのです。

 佐藤さんがアニマルセラピーを始めたきっかけは、お義母さまの介護でした。突然降りかかった1人での介護に、お義母さまの状態はどんどん悪くなり佐藤さん自身も精神的に追い込まれていったといいます。そんなある日、佐藤さんもお義母さまもケアマネージャーに対応していたところ、「ケアマネージャーさんが帰った後で空気が変わったような気がしました。他人が入ることで、お互いに気を使うことが大事だと気づきました」。同じような思いをしている介護者にとって少しでも空気を変えられる存在になりたいと考え始めたところ、たまたまラジオでアニマルセラピーの話を耳にし、犬好きだった佐藤さんはすぐに問い合わせ。アニマルセラピストの資格を取得しました。

#chapter3

多くの感動と気づきをもたらしてくれる出逢いに感謝

 独立して5年目。最初の依頼者との出逢いは、今でも忘れられないといいます。事故で体が動かせなくなった20歳の男性のご家族からの依頼でした。最初は小型犬を連れていき、1時間膝に乗せたり下ろしたり、触ってもらったり。大型犬の話をしたところ会ってみたいと言われ、2回目は大型犬でセラピー。「小型犬の時にはなかった表情が見られました。握ったままの手に犬のおやつを隠したら、犬は食べたくて手を開こうとする。その温かい息で手が開き、男性が嬉しそうに笑っていたんです。犬が喜ぶことを活用しながら工夫次第でいかようにもなる」とセラピーを受けられる方に気づかされることや学ぶことも多いといいます。実践を積んでいく中でさまざまな要望に応えながら、触れるだけじゃないセラピー方法を工夫してきました。お散歩セラピーもその一つ。現在のようなコロナの状況下では室内より庭や散歩のほうが安心してセラピーを受けられるというメリットになっています。

 今後は緩和ケア病棟での活動を広げて行きたいという佐藤さん。緩和ケア病棟などでの活動時に「すごく嬉しそうに話される患者さんを見て看護師さんが『あの人喋らないのに』とびっくりすることもあるんです。そんな感動する体験が多い」と活動の奥深さを語る佐藤さん。犬の力、犬の癒しをより多くの方に届けたいという熱い思いが一言一言に込められていました。

(取材年月:2020年10月)

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佐藤志保

犬を介して人の笑顔を引き出すアニマルセラピスト

佐藤志保プロ

アニマルセラピスト

NPO法人アニマルセラピーwithワン

ドッグセラピー中、大切にするのはセラピーを受ける方との会話。楽しく犬と触れ合い、幸せホルモンを出して元気になって頂くことを目指しています。動物を通した人と人のつながりから、癒しと笑顔を提供します。

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