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環境保全は廃棄物処理に携わる者の使命。高い技術力と維持管理で顧客に応えます

排水処理施設のメンテナンス・処理処分のプロ

中村稔

メンテナンスは年中無休で対応していると語る中村嘉伸さん
 県内外の支店、営業所からの報告を受けて指示をする中村嘉伸さん

#chapter1

メンテナンスは年中無休の24時間体制で対応

 ひと口に廃棄物といっても、家庭から出される家庭ごみ、オフィスからのごみ、汚水(し尿)などの一般廃棄物、事業活動に伴って排出される産業廃棄物、爆発性、毒性、感染性など人の健康や環境に被害を及ぼす恐れのある特別管理廃棄物、医療廃棄物等様々です。
 中村さんは、こうした廃棄物の処理だけでなく浄化設備の設置、メンテナンス、加えて工業薬品や劇毒物薬品の販売まで手がけています。東北一円で事業を展開する中で、力を注いでいるのがメンテナンスです。
 「浄化設備の具合がおかしい、排出水の水質数値が高くなっている、トイレの排水が流れない、といった状況は、曜日や時間に関係なく起きますよね。企業にとっては、業務に支障が出る緊急事態なのに、メンテナンスを請け負う我々が、本日当社はお休みですでは、この商売成り立ちません。お客様からの電話は、いわば119番のようなもの」と、中村さん。
 だからメンテナンス部門は年中無休、24時間対応できる体制をとっています。現場に出向いた際に、他社が納入した装置の不具合が原因だったということもありました。「そうした場合もしっかりとアドバイスするようにと社員を指導しています」と語ります。どんな状況でもお客様に応えたい、という中村さんの熱意が伺えます。こうした自社、他社の別なく、お客様の満足を第一に考える姿勢が、廃棄物処理の一連の流れを安心して任せられるという顧客の信頼、ひいては一括受注へと結びついているように感じました。

#chapter2

社員の各種資格取得とISO9001認証取得で技術集団を目指す

 社員4人、家庭の汚水処理から事業をスタートした中村さん。発展のきっかけは、浄化槽の登場でした。浄化槽はそれまでの各家庭ごとの汚水汲み取りと異なり、水洗式トイレからのし尿と生活排水を一緒に処理する設備。微生物の浄化作用を利用する仕組みですが、法律によって設置や保守点検に専門的な知識と技術力が求められました。
 「技術力に目が開かされました。俄然興味がわき、のめり込みました」と中村さん。国家資格の取得試験で満点を取り、浄化槽の普及講習会では、中央から来た講師に「秋田に満点の人がいる」と紹介されたことも。今もさらなる資格取得への意欲は衰えていません。廃棄物の処理及び清掃に関連する法律は数多くあります。汚水の衛生処理の目的だけでなく、環境保全の観点から次々と見直しが図られるためです。
 中村さんは「メンテナンスに行った時最新の知識と技術を身につけていなかったでは相手にされないですよね」と語ります。社員が取得した認定資格は、下水道管理技術認定者から劇毒物取扱責任者に至るまで多岐にわたります。中村さんの「技術集団を作りたい」という思いが、はっきりと表れています。
 ISO9001の認証取得もそうした一面を示しています。「ISOにあえてトライしたのは、浄化槽の販売・設置からメンテナンスまでの一連の仕事のどの分野でもお客様に確かな技術、サービスで応えたかったからです」と中村さん。2007年にはプライバシーマークも取得しました。個人情報の取り扱いに十分配慮している事業者であることを示すこの取得は「お客様の信頼をより高めるためにも必要」という中村さんの強い思いの証ではないでしょうか。

由利本荘市石脇の本社敷地に駐車中のタンクローリー車

#chapter3

変化することにチャレンジしないと世の中の変化に対応できない

 昨年3月の東日本大震災では貴重な体験をしました。停電で浄化槽は動かず、下水道もずたずたという有様です。被災地の宮城や岩手などのショッピングセンターからトイレが使えなくて営業もままならない、という連絡がありました。300個の簡易トイレをかき集め、バキュームカーとともに現地に駆けつけました。3日間は不眠不休だったと言います。「トイレは来店者だけでなく近所に住んでいる人たちも利用していました」。地域との関わりを強く意識させられた中村さん。
 この冬には、顧客である一人暮らしの老人が、顔見知りとなった社員に買い物などを依頼したことがありました。「本来の業務ではないがやってやりなさい、と話しました。地域で頼りにされていることを感じたからです」。企業の社会的責任はもちろんですが、困っている人を見過ごしに出来ない中村さんの経営理念が、社員に、そして、お客様から地域へと、広がってきているように見受けられました。
 社のスローガンに『環境保障会社宣言』があります。それは地球規模の環境悪化を憂い、排水の完全浄化を使命として業務に当たる、という宣言です。顧客から地域、世界へと、より一段と高いステージで本業を発展させようという決意です。
 「チャレンジtoチェンジ」。中村さんは「変化に対応する気持ちが大事です」と言います。「現状維持」では取り残されるばかり。新たな変化に挑戦することが、会社、地域、社会の発展に寄与することになる、という信念です。そのチャレンジ精神が、中村さん自身への刺激、活性化にもなっているように感じました。
 (2012年6月)

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専門家プロフィール

中村稔

排水処理施設のメンテナンス・処理処分のプロ

中村稔プロ

廃棄物処理業経営

株式会社 昭和興業

廃棄物処理のトラブルへの対応、浄化設備のメンテナンスなど、お客様からの諸要請は、曜日、時間を選びません。いつでも派遣できるようにし、社員の資格取得、専門的知識の習得にも積極的に取り組んでいます。

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