塗装事業と、ドローン活用の可能性を引き出し推進する専門家
野々山賢一
Mybestpro Interview
塗装事業と、ドローン活用の可能性を引き出し推進する専門家
野々山賢一
#chapter1
「空のように美しい仕事を」との思いを込めた社名のように、戸建てや集合住宅、工場や公共施設などの外壁や屋根を各種塗料で見栄え良く仕上げて保護する「天美堂塗装処」。
代表の野々山賢一さんは「業界は競争が激化していますが、弊社はやみくもに価格を下げることなくお客さまの期待に応えてきました。使命は『徹底した美観と機能の追求』です」と話します。
美観とは、プロとしてのセンスを基に顧客が求める色を具現化すること。「スタイリッシュに」「景観となじむように」といった要望をかなえるため、細やかに打ち合わせを重ねます。
「イメージをすり合わせ『お客さまの色』を探します。職人はよく“腕”を問われますが同等にお客さまとのコミュニケーションも重要でしょう」
一方の機能とは、塗料の遮熱性や防汚性のこと。適正な施工により性能を発揮し、クオリティー維持には自信があると胸を張ります。
「2022年にはドローン事業も始めました。大手自動車部品メーカーの工場全景を撮影してホームページに採用されたり、ゴルフ場に肥料を散布したりと多くの引き合いがあります」
また、異常などを検知する赤外線カメラを搭載し、太陽光パネルを検査したことも。広大な土地であっても高所であっても、ドローンがあれば人間の労力を減らせます。
「外壁やインフラ設備の点検、農作物の生育状況の管理など、センサーを付け替えれば用途が広がるので、弊社のアイデアを各所でアピールしています」
#chapter2
野々山さんは高校時代、化学のテストで国内トップクラスの点数を獲得。工業大学に進みます。
「他の科目は苦手でしたが『一つを極めればいい』という中学校の恩師の言葉が支えになりました。特に薬品の混合で起きるさまざまな反応が面白かったですね」
大学では応用化学を専攻し、太陽光パネルの研究に注力。所属したサークルでは心理学に興味を持ち、観察力や説得力、安心感の醸成などで相手の信用を得るコールド・リーディングのスキルを磨きます。
「卒業後は幹部候補としてアミューズメント企業に就職しました。父が興したこの会社を継ぐのが嫌で他社に勤めましたが、母の頼みもあって家業に入りました」
住宅の塗装が中心だった先代に対し、自身は行政や企業へのアプローチを強化。受注も増えていきます。
「若手の力が必要になり、ご縁もあって罪を犯した人の社会復帰を支援する団体に登録しました。職務に就くことで『社会に必要とされている』という感覚を育みたかったからです。今まで約50人と関わり、うち3人を弊社で受け入れました」
コールド・リーディングを生かし「過去を見つめてもらう」「自己抑制を意識させる」といったサポートも。
「彼らが就労によっていかに立ち直っていくのかを講演でも伝えています。私の経験が再犯防止につながればと考えています」
#chapter3
主軸の塗装工事業を拡充させ、インフラを支えるプロジェクトに挑戦したいと意欲を見せる野々山さん。効率的かつ効果的に調査するドローン事業にも、さらに力を入れていきたいと言います。
「令和6年能登半島地震が記憶に新しく、南海トラフ地震もいつ起こるか分かりません。平常時に危険箇所を把握したり、災害時に被害状況をいち早く確認したり、防災と減災に役立てたいと考えています」
地方公共団体への提案に生かそうとドローン減災士の資格を取得しました。すでに無人航空機操縦者の資格を持ち、社内には一等のライセンスを持つ従業員もいます。
「各地の操縦士によるコミュニティーもあり、一緒に活動の場を広げていこうと計画中です。注目しているのは被災想定区域や避難場所などを表示したハザードマップですね。正確性に欠けるという議論もあるため、隈なくドローンを飛ばして検証を進めたいです」
リスクに備えるなど社会貢献に励む野々山さんは、取り組みの一環として地元サッカークラブ「FC刈谷」のスポンサーにも。建物や建造物の耐久性を上げ、暮らしを守るとともに、地域の活性化にも尽力しています。
「また、犯罪や非行に走った人の更生支援では、法務大臣から感謝状を頂き、愛知県をはじめ日本中で施策化が始まりました。私の手を離れて一人歩きを始め、風のうわさでは巣立っていった面々も幸せに過ごしているようです。今度の流れを温かく見守っていきたいですね」
(取材年月:2024年2月)
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Profile
塗装事業と、ドローン活用の可能性を引き出し推進する専門家
野々山賢一プロ
塗装事業、ドローン事業
有限会社天美堂塗装処
「徹底した美観と機能の追求」を使命に塗装事業を軌道に乗せ、新たにドローン事業もスタート。ドローンによる空撮、農薬・肥料散布。プロモーション映像製作のほか、特に減災や防災における活用を目指す。
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