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食べる・話す・呼吸する力を育てる!未来の健康を守る歯科医院

口腔機能の発達から子どもの健やかな成長を支える歯科医師

荒川大輔

荒川大輔 あらかわだいすけ
荒川大輔 あらかわだいすけ

#chapter1

口腔機能発達不全症に向き合い、子どもの歯科治療を通じて全身の健康を考えたケアを

 「食べる、話す、呼吸するといった機能が十分に発達していない、口腔機能発達不全症のお子さんが急増しています」と警鐘を鳴らすのは、名古屋市港区にある「オリーブ歯科こども歯科クリニック」の院長、荒川大輔さん。

 硬いものを食す機会が減っている、スマホの操作などでうつむく姿勢が多い、コロナ禍におけるマスク生活などが要因になっていると指摘。ケアをせず放置していると、食べ物をうまく食べられない、滑舌が悪くなるなど、日常生活に支障をきたす恐れもあると言います。

 「歯並びが乱れ、しっかりかむことができないと栄養を十分に取れませんし、かみ合わせに問題があると姿勢やバランスが崩れ運動能力に悪影響を及ぼします。また、症状の一つである口呼吸により、虫歯や歯周病、感染症のリスクが高くなります。睡眠時無呼吸症候群を誘発して眠りが浅くなると、学業など日中の活動で集中力の低下を招きます」

 治療は、口周りの筋肉をトレーニングする口腔筋機能療法(MFT)や、舌の位置を正し、あごの正常な発育を促すマウスピース型の装置を使用して行います。

 「子どもの歯科治療では、無理なく取り組める環境を整え、自ら前向きに治療へ臨めるようサポートすることが重要です。口腔筋機能療法は特別な機器を使わず、自宅でも楽しく続けられるため、習慣化しやすいのが特徴です。また成長期に矯正を行うことで将来の負担を軽減し、成人後の抜歯リスクを減らせます。良い歯並びと噛み合わせは全身の健康にもつながるため、口腔のケアを通じてお子さまの未来を支えたいですね」

#chapter2

妊娠期から始める口腔ケア、離乳食指導で子どもの健やかな成長を支える

 「子どもの健やかな成長には、早い段階からの口腔ケアが欠かせません。特に、妊娠期から意識して取り組むことが、将来の健康な歯と噛む力の発達に大きな影響を与えます。当院では、妊娠中の母親から乳幼児期の子どもまで、一貫したサポートを提供し、正しい口腔機能の発達を促すことを大切にしています」

 口腔機能を健全に発達させるには、口呼吸や頰づえ、指しゃぶりなど日常の癖を是正する必要があるため、親の理解や本人の意欲も重要。保育士資格を持つスタッフが常駐し、子どもが楽しみながら習慣を改善できるよう工夫しています。

 「赤ちゃんの頃からの積み重ねで良好な口腔環境を保てるので、妊娠時から定期的に受診してほしいですね。離乳食など、発達段階に応じてアドバイスをしていきます。実は私自身も子育て中なんです。思い通りにならない育児の大変さに共感しながら、お子さんの健やかな成長を後押ししていきたいと思っています」

 子どもを迎え入れるにあたっては、歯科医院が怖い場所にならないことを第一に考える荒川さん。不安な心に寄り添い、いきなり治療するのではなく、歯医者さんに慣れる練習から始めることもあります。

 「親御さんと一緒に診療室に入ると甘えて治療が進まないこともあるので、お子さんが一人でも頑張れるようにスタッフみんなでサポートします。手技においては、口を開けておく時間や歯を削る量ができるだけ少なくすむ方法を選択し、負担が軽くなるよう配慮しています。治療が終わったら『一人でできて偉いね』と、お子さんのモチベーションが高まる声掛けをしています」

荒川大輔 あらかわだいすけ

#chapter3

笑顔あふれる人生を支える地域のかかりつけ歯科として、歯の健康を守る

 荒川さんは、両親が営む歯科医院のスタッフルームが託児所替わりという環境で育ち、歯科医の道へ。長野県の松本歯科大学に進学し、歯周病治療を専門とする教授に指導を受け、卒業後は大阪の歯科医院に就職しました。

 「審美面の診療が充実している医院で、インプラントやセラミック素材を使った治療に多く携わりました。また、歯科に苦手意識を持つ人を積極的に受け入れ、患者さんがリラックスできる雰囲気づくりや処置を施す際の気遣いも学びました」

 勤め先の分院長を務めた後に帰郷し、実家の医院を継ぐことに。院長就任時に、木を基調とした温かみのある空間にリニューアル。外科手術室用の空気清浄機、水の除菌装置、ヨーロッパ基準の器具滅菌器などを採用し、院内の衛生管理も徹底しています。

 「当方では、歯周病治療や、歯の神経に達した細菌を取り除く根管治療にも力を入れています。抜歯をせず、根管治療と歯周組織再生治療を駆使して歯を残せたケースもありますので、ご相談ください」

 歯は削ったり抜いたりすると二度と元には戻りません。歯の健康を守るには予防が基本で、家族全員で取り組むことが大切だと話します。

 「ケアを担当する歯科衛生士らスタッフのスキルアップにも注力し、定期的に講師を呼んで研修したり、院内にライブラリーを設けたり、先進的な歯科医療に触れられる環境を整えています。赤ちゃんから高齢者まで全世代の方が食の喜びを味わい、口元に自信をもって笑顔多き人生を送れるよう全力を尽くします」

(取材年月:2025年1月)

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専門家プロフィール

荒川大輔

口腔機能の発達から子どもの健やかな成長を支える歯科医師

荒川大輔プロ

歯科医師

オリーブ歯科こども歯科クリニック

歯並びや健康に悪影響を及ぼす口腔機能発達不全症に専門的に取り組み、保険適用で治療しています。歯周病治療や根管治療、予防、先進的な審美面の診療など幅広く対応、家族全員で通える地域のかかりつけ歯科です。

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