教育研修を通じて世界に愉快を創造する専門家
釜剛史
Mybestpro Interview
教育研修を通じて世界に愉快を創造する専門家
釜剛史
#chapter1
「新事業企画や新商品開発は、本来は時間を忘れるほど夢中になるもの。しかし現実には、組織の制約や思い込みに縛られ、苦しんでいる現場が多くあります。そんな現場を“愉快”にするのが私の使命です」
そう語るのは、企業研修やコンサルティングを通じてイノベーションを支援している「あくるひ」代表の釜剛史さんです。
「VUCAの時代を迎え、企業には変革が求められています。しかし特に大企業では、看板を守る意識が強く、なかなかイノベーションに踏み出せないことが課題になっています」
釜さんは、企業研修、コーチング、技術経営コンサルティングの三つのアプローチでイノベーションを支援。富士写真フイルムやトヨタ自動車でイノベーションに携わった実体験に基づき、イノベーションの楽しみ方を伝えています。
「眉間にしわを寄せていては、イノベーションは生まれません。社員が愉快になれば、上司や部下、チーム全体に波及します。自分たちが愉快になることで初めて”世界を愉快にする”イノベーションが芽生えるのです」
#chapter2
「私が提供しているのは『横から目線の企業研修』です。上から目線で『答えを教える』のではなく、横から目線で『受講者の気付きを引き出す』ことを重視しています。座学よりもワークに多くの時間を充て、実践につながる行動変容を促しています」
若手社員や次期リーダー向けに実施しているのは、イノベーションやマーケティング、トヨタ流の問題解決手法、パートナーAIを用いた思考法など、多彩なテーマの研修。大企業を中心に全国各地で登壇を重ね、年間稼働は200日以上。「予約の取れない講師」と呼ばれています。
「最初は不安そうな表情だった受講者が、回を重ねるごとに笑顔が増えていき、最終回で自信をもってプレゼンテーションする姿を見ると、成長に寄り添えた喜びを感じます。受講者たちが将来、世界を愉快にしてくれると考えるとわくわくしますね」
釜さんの講義は理論一辺倒ではなく、自身の体験や失敗談を軽妙な語り口で伝えることで、受講者に安心感や納得感を与えています。「あまりに饒舌なので『先生は講談師の出身ですか』と尋ねられたこともありますよ」と笑います。
ビジネスリーダーを対象とした「ビジネスコーチングの学校」では、オリジナルの課題解決コーチング手法を指導。特に士業に好評だとか。
「私が中小企業診断士として活動を始めた当初、専門外の相談に頭を悩ませました。その経験から、相手の中にある答えを引き出して自己解決に導く手法を確立しました。多くのクライアントの課題を解決し、感謝いただけるようになったこの手法は、士業全般に役立つ手法ですので、ぜひ習得をお勧めしたいですね」
課題解決コーチング手法は、技術経営コンサルティングにも活かされています。例えば、愛知県の自動車部品メーカーでは、トイレットペーパー過剰利用防止装置の開発を支援。事業再構築に挑む企業から「釜さんにお願いしたい」という要望が次々と寄せられています。
#chapter3
釜さんが技術者を志した原点は、1985年のつくば万博。初めて見たロボットに心を奪われ、出展していた東京工業大学への進学を決意。10年後、その夢を実現し、地雷探査ロボットの開発に取り組みました。
大学院修了後は富士写真フイルムに入社。X線画像診断システムの開発で、世界トップシェアの獲得に貢献しました。2005年の愛知万博をきっかけにロボットへの憧れが再燃し、トヨタ自動車に転職。リハビリロボットや超小型モビリティの企画開発を担当し、東京オリンピックの運営にも携わりました。
「超小型モビリティをゼロから立ち上げたときは、性能面や法律など多くの壁にぶつかりました。当時の経験を紹介すると『まるでドキュメンタリー番組のようだ』と驚かれます」
独立のきっかけは、超小型モビリティの事業化検討を機に中小企業診断士の資格を取得したこと。
「中小企業が苦労する様子を目の当たりにして、『私の経験が社会に役立つなら少しでも貢献したい』と感じるようになりました」
退社後2年間でコンサルティングのノウハウを磨き、2023年にあくるひを設立。
「社名には、『輝ける明日に向かって、可能性の扉を開いていきたい』という思いを込めました。制約や思い込みに縛られた思考の壁は全て『開けることができる扉』だと気づいてほしい。輝ける明日に向かって一歩を踏み出せるよう、多くの人の“扉”を開けるお手伝いをしていきたいですね」
(取材年月:2025年6月)
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Profile
教育研修を通じて世界に愉快を創造する専門家
釜剛史プロ
イノベーションコンサルタント
株式会社あくるひ
企業研修、コーチング、技術経営コンサルティングの三つのアプローチでイノベーションを実践的に支援。富士写真フイルムやトヨタ自動車での実体験を基に、「横から目線」でクライアントの愉快創造を活性化します。
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