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寺田淳

シニア世代が直面する仕事と家庭の問題解決をサポートする行政書士

寺田淳(てらだあつし) / 行政書士

寺田淳行政書士事務所

コラム

第二の人生のマネープラン ~年金受給と現金収入

2023年7月31日

テーマ:新橋事務所日記

コラムカテゴリ:ビジネス

【はじめに】

 第二の人生はいつからなのか?
これといった定義はありませんが、ここでは定年退職を区切りとして、
60才から65才のシニア世代を対象としたいと思います。

 退職金だけで終生安泰の生活が出来る方は別にして、
その時になって狼狽するようなことがないように、
現役の段階でマネープランを考えてみませんか?

【年金受給を考える】

 第二の人生に大きな影響を与える年金の受給。
まずは将来の年金受給額を推計することが最初です。
 
 受給開始時期を繰り上げるのか、繰り下げるのか?
この検討も含めて、毎月の年金収入がいくらになるかを確認しましょう。

 仮に想定した収入が年金で賄えるならひとまず基盤は確保出来た訳です。

 では、希望する収入額に足らない場合(大半はコチラだとは思います)
それに不足する金額を補うためには新たに収入源を確保する必要があります。

 この逆に、今の仕事からの収入で十分生活が維持出来るのであれば、
年金の受給開始時期は全く急ぐ必要がありません。

 年金受給を繰り上げる必要に迫られているのか?
 65才からの受給開始で問題がなく、65才から受給を予定するのか?
 65才から受給を開始すると共に、なお仕事を続ける、又は始めるのか?
 今の仕事の収入で事足りるので、年金受給は当面考えないのか?

 年金受給を第二の生活の中でどういう位置づけをするか?
それには第二の仕事をどう考えるかということに繋がってきます。

【第二の仕事の位置づけ】

 仮に今60歳であれば、
何歳から年金受給を開始するか?
その際の受給月額はいくらを想定するのか?

 年金額では不足する金額分を補える=稼げる仕事は何か?
即ち年金とは別の現金収入をどうやって確保するか?
原則はこのスタンスでマネープランを検討することになるでしょう。

 さらに追加すれば、
年金受給開始までの期間の収入をいくらに設定するかも必要でしょう。

 63才までは再雇用で収入を確保、年金を繰り上げ受給する。
 65才迄嘱託で今の仕事を継続、退職後すぐに年金受給を開始する。
 出来れば70まで働ける仕事に就き、状況に応じて年金受給開始を考える。

 口で言うのは簡単ですが、
年金を何歳から受給する、それまでは最低月何万円が欲しい、
受給開始後は毎月いくらの収入があれば十分。
この見極めは相当な難問です。
 
 難問だからこそ、出来る限り早い段階から情報収集を開始し、
複数のシミュレーションを行うようにしたいものです。
検討した結果として、例えば再就職が望ましいのか、雇用延長で十分なのか、
あるいは「念願の」起業・独立を目指すのか?
かなり明確な裏付けのある「方向性」が見えてくるはずです。

 当然独断ではなく、家族の意見や要望も十分に聞き取り、
出来る限り家族との合意を取り付けることは言うまでもないことです。

 ただ、収入云々ではなく、単に社会との接点を維持したい、
社会貢献を最優先と考えるようなレアケースもあります。
家族にも異存はないといった場合ならばここでの検討は無用になります。

【仕事の探し方】

 仮に今後も会社や組織の中での仕事を探す場合であれば、
シルバー人材センターを始めハローワークや各種の求人サイト、
自治体が運営するような就業支援センター等に
積極的にアプローチしましょう。

 まずは市場における自分(の世代)の立ち位置を直視することです。
募集要項やその年代の給与水準、資格の有無による条件格差等々、
シビアな現実を知ることが大切です。

 無料のサービスとは言え、
最近は自治体が運営する就業支援サービスも充実しており、
対面での相談や適性診断、各種セミナーを運営しています。
まずはこの手のサービスから利用してみてはいかがでしょうか?

 全てとは言いませんが、
民間の有料サービスの中には効果が期待出来ない内容のものがあります。

 限られた時間と資源を有効に活用する為にも、慎重なスタートが大切です。

【自営業でのスタート】

 次に自営業の場合ならどういう働き方を目指すのか?
大きく、ざっくりとした分類を以下にまとめました。

1)これまで従事してきた仕事の経験を活かせる実務業務
 データ入力作業
 パソコン操作指導
 営業指導


2)肉体を使う労働でも可
 駅前の駐輪場の管理人や警備員(商業施設、工事現場等)
 清掃スタッフ
 マンション管理人
 

3)趣味を活かす
 地域ボランティア
 ペットの世話代行
 新製品のモニター、アンケート調査への回答など
 プラモデル製作代行
 趣味の写真販売
 史跡案内やガイド

 ここではあえて資格起業や物販やネットビジネスといった
本格的な自営業のジャンルは省いています。

 なかには自営業というくくりではないもののありますが、
退職後に特に資格を必要とせず、開業資金もほぼかからない
即応可能な仕事という側面から選んでみました。

 共通することは、組織の中での仕事よりは個人で行えるもの、
ある程度の時間の裁量がある点も共通する点だと言えます。 

【自分に適した仕事を選ぶ】

 肝心なことは「自分の分別をする」ということです。

 人に仕える、会社に仕える仕事が合っているのか?
 自分で全て行う仕事に魅力を感じ、意欲を持っているのか?

 どちらが今の自分に向いている(可能なのか)を見極めます。

 その為には家族を含め、同僚や先輩、友人知人などの
他人から見た貴方の適性を聞き出すことも大切です。

 自分はどういうタイプなのか?
 人より優れている点、人並な点、劣っている点
 自分が持つスキル、ノウハウ、経験値

 案外自分では気付かなかった特性や適性を指摘され
意外にもそれが本当に自分に合った仕事だった。
少なくない実例があります。

 第二の人生を過ごすにはどういったマネープランを立てるべきか?
その為には年金以外の収入を得る必要があるかどうか?
必要がある場合、希望する収入額を精査して求職時の基準点にする。
さらにその為の仕事として自分の適性や強みを活かせるジャンルを選別する。

 考えるだけで時間がかかりそうな案件の連続ですね。
だからこそ、その場に直面してから行動するのではなく、
現役のうちからプラン作成を始めておきたいものです。


 

この記事を書いたプロ

寺田淳

シニア世代が直面する仕事と家庭の問題解決をサポートする行政書士

寺田淳(寺田淳行政書士事務所)

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