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天然繊維と合繊繊維、あなたはどう選ぶ?

2023年8月9日

テーマ:ニットアイテムについて

コラムカテゴリ:くらし

今回のテーマは天然素材と合繊素材





私自身、この素材に関するテーマがとても好きで
洋服を見るとまず触って、
素材のタグを確かめてということを
毎度どうしてもやってしまいます。


外観から判断できないほど、天然なのか合繊なのかは
見分けがつかないほど、現在の繊維技術の合繊
天然素材に似ていて、素晴らしく、品質も上がっていて、
素材タグの事実を確認しないと
ぱっと見ではわかりません。
それが、探究心を誘うのですね。




日本の発展を担う紡績業



時代の流れを少し振り返ってみます。
日本では紡績業が戦後あたりから国の発展に
大きな役割を果たしてきました。
戦後当時、国の動きは、大きな設備投資の資本集約型ではなく
人手が技術の力となる労働集約型で産業の中心としました。

そのため、地方のそれぞれ各地、環境に合わせた素材が生まれています。
岡山では綿、岐阜では絹、東北では羊毛など
大まかですが、さまざまな地域に特徴のある優れた素材が存在します。




日本では、繊維産業により製造された絹糸、絹織物が
輸出により外貨を稼いできました。続いて、綿糸、綿織物と
ありました。
戦後60年台は最も綿糸を製造した年となり、
また合繊素材も
本格的に花開いた時期となります。

1960年台、政府は海外に依存していた綿花や
羊毛の輸入を将来的に
節約することもあり、ナイロン系の合成繊維の
育成をスタートしました。

合成繊維がリードする繊維業界





1950年後半には、綿やレーヨン素材が充足され
新しい素材を求めていました。そこで、生まれたのがポリエステル。
1950年から1960年までの間で
国内繊維消費は1%から26%まで伸びました。

1973年の第1次オイルショックから、
繊維消費の拡大を期待できなくなり
量をベースにした生産性より、
アパレルメーカーがリーダーとして
登場し、モノを動かす流通業として産業が動いていきます。





1980年から変化する生活者の嗜好



経済の発展が安定した成長を続ける中、消費者の嗜好も
変わってきます。天然繊維ブームが訪れます。
天然繊維の価格が高くても、肌触りが良いという着心地で
選ぶというニーズが出てきました。
1978年の50%をピークに合繊繊維の国内消費の割合は
減少し始めます。
物質面で豊かさを得た人が重視するのは心の豊かさや
生活のゆとりに重きを置き始め、商品選択はモノから
ココロへ変化するのですね。

生活行動が変わることにより
消費者が変わると繊維産業にも変化がきます。





1990年から現在までの繊維消費は?



そして気になるのが現在ですよね。
1990年にバブル崩壊が起きるとまた繊維の伸び率の割合は
交代します。世界的には1990年後半から、合成繊維の伸びが
大きく、綿花を上回り、2009年には59%ととなります。

現在一番の消費はポリエステル。
ナイロンやアクリルより、製造コストが安いという理由から
ポリエステルは優れた性能とコスト面から成長を続けています。


まとめ




いかがでしょうか?時代の変化とともに繊維は
私たちにとても深い関係をもたらしています。

そして今のこの時代、肌で感じる地球温暖化。
今年の夏の暑さも連日危険と言われていますが、
1950年から考えると約70年で
地球が大きく変化しているのがわかります。

実際私の子供の頃、38℃なんていう
気温は見たことがありませんでした。

私たちの地球を守るためには一人ひとりの意識の変化で
動いていくと感じます。
繊維の嗜好は環境と直結していて、
コスト面だけを重視していると、
今の環境が保たれないと思います。

天然素材という資源を改めて見直し、
長く保つ素材、環境にやさしい素材の
割合がバランス良く
消費者に選択されていることが
理想的だと思っています。


インベストメントクローズ
(多少高価でも時間的、物質的に長持ちする衣料)
を意識を必要とする時代。
素材の意識、日々商品タグを見て考えているのは
そんなことも含めて消費行動を決めていきたいと
思うのでした。

この記事を書いたプロ

川久保康子

素材を生かし着心地にこだわるオリジナルニットのプロ

川久保康子(Retrospective(レトロスペクティブ))

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