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コラム

ニット編み機で世界とつながる

2023年9月2日

テーマ:手横編機について

コラムカテゴリ:くらし


今週は、最高の出会いの日でした。
インスタグラムを通じて出会った方ですが
ヘレンさん、アメリカ、シアトルから
来日訪問してくださいました。


ヘレン・シャープさん、イギリス出身で、
ニットテキスタイルで非常に有名な
ノッティンガムトレント大学卒業。


現在はシアトル、アメリカ在住で、
2008年からニット手編み機の学校をされている方です。


ヘレンさんとのお話は興味深くて、
素敵なひとときでした。


これまで手編み機ニットをやってきて
この出会いに繋がったと思うと本当に嬉しいことです。


今回の目的は、私のお店を取材したいということで、
ご来店されました。今後、彼女の学校のブログに
掲載してくださるそうです。


ヘレンさんの学校のHP⇩
https://www.theknittingschool.online/




インタビューされている側ですが、
お互い聞きたいことがあるので
合間に私もたくさん質問してしまうほどでした。
事前に用意した質問用紙に丁寧に書き込んでくださり
とても感謝です。


ニットを作っている共通点があるだけで
こんなにお互いの心がつながった感覚でした。
気持ちがとても興奮と喜びとでいっぱいです。





現在は編み機の使い方を動画に撮り、
動画を視聴して学ぶ編み機教室をされています。
テキスタイルの会社に勤めて10年−15年ほどして、
現在の編み機を教える仕事に転向したそうです。
今はオンライン教室になっています。




編み機の現状は?増えている?減っている?




アメリカではコロナになってから、
編み機の需要が増えているそうで
これから増えるのではと話していました。
編み機業界にとって素晴らしいニュースです。


そして、ニット編み機を使う人が増えてほしいという願いを持って
活動されているそうで、私もそうそう!!と頷くばかりです。


家庭用手編機はアメリカでもブラザーが主流で使われており、
日本の編み機が世界で活躍しています。
パーツ購入や修理については、わずか1社直してくださる人が
いるそうで、編み機を送って直してもらうそうです。


この件に関しては、日本でも同様で、
パーツ購入や修理ができるのは私が知る中で1社のみです。
そういう意味で、今後継続して使うにあたり、
対策が早急に必要だと感じています。






アメリカでは編み機は現在はセカンドハンドで
購入する人が多く、
ebayなどで多く見かけます。


編み機に針の太さで編み地の仕上がりが変わります。
ゲージと呼ばれ、糸の太さにより
編み機を変える必要があります。

海外の方が、バリエーションが豊富で
ゴム編み機もよく見かけます。
日本のセカンドハンドのお店では、
ゴム編み機を見つけるのは
とても難しいので出品されるとすぐに
売れてしまうほどです。




ベルギーで活躍するニットクリエイターの想い





そして、もう1人のニットクリエイター。
ベルギーから来日訪問された方がいます。
マチルダさん、ベルギーのテキスタイル美術館にて
編み地の開発をしているそうです。


彼女は主に、工業用の編み機を使い、
stollや丸編み機などを使ってテキスタイルを
つくっているとのこと。




私の手横編み機を見て、すぐに理解していました。
針の種類や高さを変えることで編み地を変化できること
教えていただきました。

また、ベルギーでも同様に工業用の編み機を扱う人が
とても減っているとの話で、
機械も希少価値が高まっているそうです。
直せる人も少ないので、機械の維持が難しいというのは
同じ問題のようです。

テキスタイル美術館で、若い人にも興味を持ってもらえるように
応援して、新しい生地のデザインを続けていくのと同時に昔からの機械を
今もなお使い続けられる人を育てること。


両方継続している場所があることが
彼女のモチベーションになっているようです。
斬新で新しい創造力をつかい、ニット業界を変えていけることを
望んでいます。どの時代にも作り手が現れてまた引き継いでいくのですね。
ヨーロッパらしい感覚です。


歴史ある古い機械をつかうこと、時間がもたらす存在感の重みを
感じるのは世界共通に通じることですね。






糸と関わり、クリエイトすることの楽しさ、
喜びを知っている方と話しているとあっという間に
親近感が湧いて、国境は簡単に超えてしまいますね。


どの国の方であるのかは関係なく、話が盛り上がり、
言葉以上のものを感じることができます。


大変さも楽しさも両方理解できる方、
人種や性別、年齢も何にも関係なく、
それを大いに味わうことができました。


何よりも編み機を愛していらっしゃるのが
同じということ、1本の糸から生まれる生地の
楽しさ、面白さ、発見など編み機を知れば知るほど
試したくなるということ、
世界のどこかで同じ気持ちで作っている人がいることを
実感できたのが、本当に心強く、そして
繋がっていたいという気持ちになりました。








それでは、また掲載された時にご案内いたしますね。

ここまでお読みくださりありがとうございました。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


経歴
2002-2005 ロンドンへ留学。
University of Arts Londonを卒業。
ニットテキスタイルを専攻。
帰国後、10年ほど複数のアパレル会社にてデザイナーとして働く。
結婚、出産、3姉妹を育てながら長野市へ移住。
現在、自社店舗<Retrospective>(レトロスペクティブ)
兼アトリエとして2018年春からスタート。
オーダーメイドニットを始める。


Retrospective(レトロスペクティブ)の想い


未来に残っていくブランドとして
素材へのこだわり、本物志向、
丁寧な物作りの全てに向き合って
続けていきたい


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


SHOP:: Retrospective
(レトロスペクティブ)
木・金11am-4pm,土1pm-5pm
長野県長野市南県町1099西智ビル204
tel 026-217-5454
https://www.retrospective-nagano.com/


mail
info@retrospective-nagano.com


youtubeチャンネル 製作風景の動画公開中
https://www.youtube.com/@retrospective2477


iichi (イイチ 通販サイトにて出店中)
https://www.iichi.com/mobile/shop/retrospective/profile


公式ライン
手編み機体験を毎月開催中。メニューから予約可能です。
https://lin.ee/FUYl17x


ブログ アメブロ
店主の日常の子育てや教育についてを綴っています
https://ameblo.jp/retrospective-nagano

この記事を書いたプロ

川久保康子

素材を生かし着心地にこだわるオリジナルニットのプロ

川久保康子(Retrospective(レトロスペクティブ))

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2022-05-24

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