測量と登記で不動産を守り、保全する土地家屋調査のプロ
石塚弘路
Mybestpro Interview
測量と登記で不動産を守り、保全する土地家屋調査のプロ
石塚弘路
#chapter1
不動産の売買や相続が発生すると、多くの場合、登記に関する手続きが必要になります。名義を変更する「所有権移転登記」や、土地の用途を現況に合わせる「地目変更登記」、土地を分けるための「分筆登記」などが代表例です。こうした手続きを行うにあたり、土地や建物の面積、形状、境界といった現況を調査・測量し、登記申請を行うのが土地家屋調査士です。
2022年から山梨県甲府市で「ハピネス土地家屋調査士事務所」を営む石塚弘路さんのもとには、「土地は登記されているが、建物が登記されていない」「土地を相続したが、隣地との境界線が分からない」といった相談が寄せられています。
「登記簿に記載されている内容と現況が異なるケースは少なくありません。例えば代々受け継がれてきた建物では、増改築によって形状や面積、用途が変わることがあります。しかし面積が違えば、売買の金額が変わります。住宅ローンの融資を受けようと思っても、評価額が定まらないために審査に落ちることもあります。売買や相続の手続きをスムーズに進めるためには、現況不動産と登記情報を一致させることが重要です」
実際に、測量の結果、登記面積よりも実測面積が小さいことが判明し、固定資産税の軽減につながったケースもありました。同事務所では、面積や境界の調査、登記申請に加え、法務局が登記の基準として使用する土地の地図作成事業も参加。こうした豊富な測量経験を生かした対応を強みとしています。
#chapter2
土地の境界を確定するには、隣接する全ての土地所有者が立ち会い、境界の位置を示したうえで承諾を得る必要があります。しかし、長年の慣習や利害が絡むことも多く、全員の合意を得るのは容易ではありません。土地の来歴や過去の取り決めが不明確な場合ほど、感情的な対立が生じやすく、専門家による客観的な整理が求められます。
「対象となる土地だけでなく、周囲まで含めて広く測量します。道路の位置は昔から大きく変わらないケースが多いため、現在の測量図と法務局の公図を重ね合わせ、ずれが生じていないかを確認します。周辺の道路が一致しない場合は、境界自体がずれている可能性が高いと判断できます」
さらに隣接地の面積も測量し、登記簿の内容と整合していることが確認できれば、客観的な裏付けとなり、所有者の理解も得られやすくなります。
実際に、先々代同士の口約束によって境界が決められていた台形状の土地では、形のいびつさから建物の配置が難しく、売却価格にも影響が出ていました。そこで突き出た部分を分筆し、所有権移転を行って使いやすい形状に整えることで、土地としての価値と実用性を両立させました。
「昔と今とでは測量の精度が大きく異なります。パソコンがなかった時代は全てが手作業で、誤差が生じやすく、事実と異なる内容のまま登記されていることもあります。公図が常に正しいとは限らないからこそ、改めて測量を行い、正確な登記へとつなげることが重要です。境界点に杭や鋲を埋設し、誰が見ても分かる形で示しておくことが、将来のトラブル防止につながります」
#chapter3
かつて石塚さんは、建築設計事務所に併設された土地家屋調査士事務所で、補助者として約10年間勤務しました。不動産デベロッパーが手掛ける宅地分譲やマンション開発において数多くの測量業務に携わり、そうした経験から、建築の視点を踏まえた土地活用の提案にも対応しています。例えば、2000㎡規模の土地については、道路の配置によって可能となる住宅区画の考え方を整理し、周辺環境や法的条件も踏まえた計画づくりを支えています。
「調査や測量、法的根拠に基づく判断、書類作成までを一貫して自ら行っているため、現場で感じる小さな違和感にも気付きやすいと感じています。個人事務所だからこそ、一つ一つを丁寧に確認しながら、確実な仕事を心掛けています」
不動産の売買や相続は、人生で何度も経験するものではありません。2024年に相続登記が義務化され、登記件数は増加していますが、登記期限などの細かなルールを把握していない人は約6割に上るという調査結果もあります。
「今後はこうした制度の周知にも努めながら、将来の相続に備え、登記情報と現地不動産の状況が合っているか、境界が正しく表示されているかを点検できるサービスの展開も検討しています。『ハピネス土地家屋調査士事務所』という屋号の通り、不動産という大切な財産を守り、保全することで、皆さんが安心して暮らせるようお手伝いしていきたいと思っています。どうぞ気軽にお声掛けください」
(取材年月:2026年1月)
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石塚弘路プロ
土地家屋調査士
ハピネス土地家屋調査士事務所
法務局の地図作成事業にも携わるなど、測量経験が豊富。宅地分譲やマンション開発での実務経験を生かし、建築的観点からの助言にも対応しています。
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