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Mybestpro Interview

手の届く価格で、最高の着心地を提供する

着る人の個性を輝かせる紳士服のプロ

長田栄一

洋服のサンエー 代表取締役 長田栄一さん
丁寧な採寸が、快適な着心地を生む

#chapter1

一人一人に合った、オーダーメードスーツのススメ

 オーダーメードのスーツ。仕事などでスーツを着る機会の多い人、ここ一番の舞台でビシッと決めたいときなどに、着る人の魅力をより引き立たせてくれます。自分のスタイルを表現するアイテムとして「一着は持っていたい」と思う方も多いのではないでしょうか。

 一方で「高価」「敷居が高そう」というイメージから、もっぱら既製の服を着ているという人も、多いのだと思います。とはいえ、着る人一人一人の体形やセンスに合わせてつくるオーダースーツの着心地は、既製服では決して味わうことのできない独特のものです。

 山形市の山形大学小白川キャンパス近くにある「SUIT STUDIO洋服のサンエー」は、多くの人に手の届く価格帯でオーダースーツをつくることができる洋服店。 代表取締役の長田栄一さんは「既製服は一定の規格に沿って大量につくるため、着る人が何らかの〝我慢〟をしながら着ることが多いのですが、オーダーなら一人一人にぴったりのものをご用意できます」と力説します。

 1957(昭和32)年の創業後、紳士服一筋。かつては中心商店街の七日町に店舗を構えていましたが、1996(平成8)年、縫製工場のある小白川町に店舗を移しました。低価格が武器の大型量販店とはひと味違う、一人一人に合った一着をつくるオーダースーツを中心に、創業当時からのモットー「いいものを安く」を貫き続けています。

 それでは、実際に長田さんにスーツをつくってもらいましょう。

#chapter2

「上質さ」を生みだす、丁寧な仕事ぶり

オーダースーツをつくる場合、最初に行うのは「生地選び」です。「SUIT STUDIO洋服のサンエー」には常時1千点以上のサンプルを用意。その中から好みや予算に合わせて選んでいくことになります。とはいえ、「どんなものを選んだらいいかわからない」という場合もあるでしょう。そんなときでも長田さんは、さまざまな会話の中から、その人に合ったものを見つけ、提案してくれます。

生地を決めた後、スーツのシルエットや細部のデザインを決めていきます。その際も、最新の流行や、着る人の職業、TPOなどを踏まえた提案を心掛けているとのこと。

 次の工程「採寸」が、着心地の良いスーツをつくる鍵を握ります。バスト、ウエスト、ヒップなど基本的な部分から、肩幅や腕の長さ、股下の長さなど、体の各部分の寸法を測っていきます。中でも、腕を下ろした状態での胸回り「オーバーバスト」は、着心地を左右する重要な部分です。測定した数値を基に、各部の寸法を決めていきますが、その際の〝さじ加減〟は、長田さんが長年の経験で培ったもの。「説明しようとしても、決して説明できない」技が、一人一人違う体形にぴったりのスーツを生みだすのです。

 採寸が終わったら型紙を起こし、縫製工場に注文。通常2~3週間ででき上がります。サイズの微調整など、納品後のアフターサービスにも対応。「長いお付き合いのお客さまが多く、中には親子3世代のご家庭もあります。時代を超えたお付き合いができるのは、うれしいことですね」

 オーダーの他、既製服も取り扱っていますが、品質的に優れたものを厳選し、細部を微調整して着る人に合わせていきます。着る「場」に合わせたコーディネートに関しても、適切なアドバイスをいただけること請け合い。ネクタイやカフスボタンなど、こだわりのファッションアイテムの提案にも力を入れています。 

多彩なファッションアイテムの中から、あなたに合ったものをご提案

#chapter3

いつまでも「地域に愛される洋品店」でありたい

 「SUIT STUDIO洋服のサンエー」の、もう一つの人気商品が、新幹線の座席シートを再利用したスリッパやクッション、フロアマットなどです。山形商工会議所の異業種交流での出会いをきっかけに販売を手掛けるようになりました。鉄道ブームもあって新聞やテレビなどに取り上げられ、全国から注文が入るほどに。「新幹線グッズを通して店のことを知ってもらったお客さまも多く、ありがたい」と反響ぶりを語ります。

 ただ、軸足はあくまでも「地域に愛される洋品店」。紳士服業界の現状は、既製服を安価に販売する量販店と、高価格帯を専門とするオーダー店の二極化が進み、「洋服のサンエー」のような「手の届く価格で高品質のものを供給する」地元資本の店は少なくなりました。

しかし、「そういう店は、これからも必ず必要」だというのが長田さんの持論。長いお付き合いのお客さまが多いのも、丁寧な仕事ぶりが支持されている証しといえます。「今後も地域に根ざした、愛される存在でありたい」。その思いを胸に、長田さんは今日もメジャーを手に、お客さまと向き合っています。


(取材年月:2017年4月)

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専門家プロフィール

長田栄一

着る人の個性を輝かせる紳士服のプロ

長田栄一プロ

ファッションアドバイザー

有限会社 洋服のサンエー  『SUIT STUDIO SUN-A』

生地選びからサイズ、縫製まで、着る人に最適な服を提供できるのがオーダーメードならではの良さ。その強みを生かし、大切な一着をつくり上げていきます

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