“お客さまファースト”を掲げ地域に根差す不動産サービスのプロ阿部拓路

“お客さまファースト”を掲げ地域に根差す不動産サービスのプロ

阿部拓路

不動産の売買・賃貸仲介、リノベーション、設備の修繕まで幅広くサポート

　山形市を中心に「売りたい」「買いたい」「借りたい」といったニーズに応えるのは、不動産会社「アセット東北」の代表・阿部拓路さん。土地・建物の売買や賃貸の仲介、物件管理、リフォームと多岐にわたる業務を手掛け、“住まいのなんでも屋”といえる存在を目指しています。

　「故障した設備の修繕や間取り変更といった改修まで、住まいに関することなら何でも対応します。特に、中古住宅の購入からリノベーション、引き渡しまでをワンストップでお手伝いできる点が強みです。新築をお望みの方には、お子さんの教育費や老後の蓄えなどライフプランに即した資金計画を立て、住宅ローンをご案内するほか、ご希望に添った建築・設計会社もご紹介します」

　県外から山形に戻る家族の住まい探しを請け負った際は、2カ月という短期間で要件に適した物件を見つけるため、建物内外の動画を送るなど細やかにコミュニケーションを図りました。

　「金融機関との交渉も粘り強く行い、無事に期限内にご入居いただけた折りには『親身にサポートしてもらい、阿部さんが担当で本当に良かった』と感謝の言葉を頂戴しました。お客さまのお役に立てたことがうれしく、今も仕事の原動力になっています」
　
　空き家、相続相談にも注力し、遠方に住む顧客のために現地まで足を運ぶことも珍しくありません。
　「不動産は単なる資産ではなく、そこに住んでいた方の記憶や歴史が刻まれています。ご家族の思いを大切にしながら、円満な活用方法を一緒に考えます。お客さまのご要望をかなえるために私ができることには全力を尽くします」

増加する空き家にも着目し不動産業界へ。“お客さまファースト”が信条

　阿部さんは国立鶴岡工業高等専門学校を卒業後、電気資材メーカーや医療機器関係の会社に勤務。技術者としてものづくりに励む中で、「人に向き合い、人生を支える仕事をしてみたい」との思いを強くし、2019年に人を育て地方の可能性を切り開く県内のベンチャー企業へ転職しました。

　「遊休農地の活用や、米倉庫を事務所にリノベーションするプロジェクトに携わったことで価値観が変わりました。技術職では、同じものを正確に作ることが求められますが、不動産はその真逆。私たち人間が姿かたち、性格がそれぞれ違うのと同様、不動産は世の中に同じものは一つとしてありません。個性を引き出していく過程が楽しく、やりがいを見いだしました」

　まちの活性化に取り組む中では、増え続ける空き家を解消する必要性も実感。物件と人をつなぐため不動産業界への転身を決意し、2024年、創業20年を迎えた同社を事業承継しました。

　「当方は“お客さまファースト”をモットーにしています。昨今は、何でも論理的に思考することが正解のような風潮ですが、大事な財産を扱うにあたり“感情80％”でお客さまの声に耳を傾けます。一人一人のお気持ちを理解し、尊重することで満足度や納得感を高めていきたいですね」

　また、阿部さんは甘党で、事務所にはえりすぐりのお菓子を置いているとか。
　「おばあちゃん子だったので、不動産の相談に来た年配のお客さまと世間話が弾むこともしばしば。肝心の用件を伺うまでに時間がかかったりするんです」と笑います。

山形の未来を担う若者が住みたくなるまちづくりを支え、地域社会に貢献

　「不動産は、そこに住む人々の生活や文化と深く関わっています。二十余年にわたり地元密着で事業を営んできた企業として、皆さまの暮らしに寄り添いっていきたい」と語る阿部さん。

　工務店や士業、保険代理店、コーヒー焙煎士やパティシエなど、さまざまな業界、職種の人たちと交流を持ち、生活に関わる多様な人が出会う場として、芋煮会などのイベントを構想。人の輪を広げるとともに、地域に根差した不動産コンサルティングの確立を目標に掲げます。

　「日本全国で少子高齢化や空き家問題が深刻化しているいま、地域で活動する企業と協力して、私自身の子どもを含め、山形の未来を担う若者が住みたくなるまちづくりを進めたいと考えています。例えば空き家を再生して、フリーランスや小規模・個人事業主らのビジネスの拠点にするなど、地域の資源を活用して新たな価値を生み出していきたいですね」

　ネットワークを広げて情報量を増やし、幅広い選択肢を提供していきたいと、2024年4月には全国で不動産業を展開している「スミタス」のフランチャイズに加盟。賃貸からマイホームの購入、住み替えとライフステージに合わせたサービスも拡充しています。

　学生時代、坂本龍馬をはじめとする幕末の志士たちについて書かれた本を手に取って以来、国や社会に貢献する生き方に影響を受け、挑戦し続けることを信条としている阿部さん。「失敗を恐れず果敢に挑み、魅力にあふれ住みよい山形を次世代に引き継いでいきたい」と熱意を見せます。

（取材年月：2025年2月）

地域の暮らしに寄り添い、空き家、相続相談で個々に適した活用法をコンサルティング

不動産の売買・賃貸仲介、リノベーション、設備の修繕まで幅広くサポート

増加する空き家にも着目し不動産業界へ。“お客さまファースト”が信条

山形の未来を担う若者が住みたくなるまちづくりを支え、地域社会に貢献

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