行政書士の知見で、誠実な買い取りと財産整理を支援するプロ福岡秀起

行政書士の知見で、誠実な買い取りと財産整理を支援するプロ

福岡秀起

売却額に納得感を出すため、オークションや輸出など高値が見込める販路を開拓

　富山市内で「買取110番るる屋」を運営する「RuRu」の代表・福岡秀起さん。主に美術品や骨董品を取り扱い、出張査定や相談にも対応。特に、近年は終活や相続に関する依頼が増えているといいます。

　「行政書士資格を持っているため、相続手続きや不動産活用、遺言書作成、相続人調査など幅広い相談に対応できる点を評価いただいています。親世代の収集品売却や子世代による遺品整理に加え、空き家やお墓の問題、土地活用などの相談も多く寄せられています。県内はもちろん、近隣県や首都圏からも『家を手放すので調度品をまとめて買い取ってほしい』『実家を解体するので財産を鑑定してほしい』といった依頼をいただきます」

　専門の鑑定士が目利きを行い、即日の現金払いも可能。一品ごとにデータを収集し、高値での販売が見込める市場やオークションサイトへの出品や、海外への輸出などを組み合わせて査定額を提示します。

　「過去には、中国の書物に数百万円の値を付けたこともあります。また、先の能登半島地震で自宅の蔵が被害を受けたお客さまには、大量のコレクションを全て引き取り、査定額をアップするとともに、価値ある品の埋没や消失も防ぐこともできました。予想通りの価格に達しなかった場合にも、処分や運搬の費用を考えれば『結果的にトータルで得をした』と喜んでいただけます。大切なのは、愛着ある品々を、自分たちと同じように大切にしてくれる人にバトンタッチできること。そこにやりがいを感じます」

高齢化社会を見据え警察官から行政書士へ転身。査定の適正化を目指し買い取り業を開始

　福岡さんは社会人としての第一歩を富山県警察で踏み出し、28年にわたり勤務。主に刑事部でキャリアを重ねました。

　「捜査一課に配属され重大事件を担当したこともあります。しかし取り調べで駆け引きが続くなど私の負担も大きく、やがて体調を崩してしまいました。仕事のペースを落として警察官を続ける選択肢もありましたが、組織に迷惑をかけまいと、自分だけでビジネスを完結できる行政書士を目指すことにしました。高齢化社会を迎えるにあたり、需要が高まる職種だと判断したのも理由です」

　開業後は、相続相談を中心に生前整理や遺品整理に関する相談が多く寄せられました。また、警察時代に「終活ビジネスの一部はグレー」「相続の発生を聞きつけ財産を狙う組織も存在する」といった報告を耳にしていたこともあり「それなら自分が誠実にサポートしよう」と買い取り事業を立ち上げます。

　「盗品などの捜査もあり、古物商には若手の頃からよく足を運んでいました。その中で古き良き物への憧れや敬意が芽生え、審美眼が養われていったことも深く影響しています。もちろん商売なので利益は大切ですが、今後も『正しい情報を、過度な演出をせず、誠実に伝える』という方針は守っていくつもりです」

　相談や査定の依頼は電話やメールで受け付けており、出張も無料。希望があれば飲食店など外での対応も可能です。

　「事前連絡で夜間や土日にも対応します。もし提示額に納得できなければ遠慮せずにお断りください。思い入れのある品々を気持ちよく見送っていただくことが私たちの何よりの喜びです」

不動産活用でもアドバイス可能。実家を放課後ルームや高齢者施設に貸し出したケースも

　仕事の原動力は「お客さまが迷った時に背中を押せること」と福岡さん。印象的なエピソードの一つに、絵画収集をライフワークとしていた夫婦の相談があります。

　「その夫婦は、共通の好きな画家に描いてもらったという一枚の作品を所有していました。生前整理のため泣く泣く手放すことにしましたが、引き取りを頼んだお子さまには断られ、業者に声をかけるも査定額が低く『大切にされないなら自分たちで処分しよう』と悩んでしまったそうです。そんな折に当店を訪ねてくださり、私たちはさっそく愛好家が集まる市場を探して相場を確認し、価格を提示しました。『思い出の一枚が造詣深い人の手に渡ってうれしい』と涙を流された姿が忘れられません」

　長くしまってあるのに売却できない、捨てられない物は写真を撮り、購入時のエピソードを添えておくことで未練を残さず手放しやすくなるとアドバイス。所蔵品を厳選すれば一つ一つの魅力を味わう時間も増え、遺族も大量の品に戸惑うことなく済むと続けます。

　さらに、他の士業や不動産会社と連携し、土地や建物の活用提案も行います。
　「例えば『実家を売るのは心苦しい』というお客さまには、小学生の放課後ルームや高齢者施設に貸し出す方法を紹介し、収入源につなげたケースもあります」
　その際に必要な書類の手配や作成も、ワンストップで代行できるのが福岡さんの強みです。
　「相続の第一歩は専門家に『相談すること』から踏み出せます。一緒に整理を始めませんか」

（取材年月：2025年8月）

骨董品や美術品を買い取り、次の所有者につなげて終活を支援。行政書士として相続手続きも代行

売却額に納得感を出すため、オークションや輸出など高値が見込める販路を開拓

高齢化社会を見据え警察官から行政書士へ転身。査定の適正化を目指し買い取り業を開始

不動産活用でもアドバイス可能。実家を放課後ルームや高齢者施設に貸し出したケースも

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