健康×快適×省エネを安く実現する高性能住宅のプロ小椋孝一

健康×快適×省エネを安く実現する高性能住宅のプロ

小椋孝一

冬は家全体が暖かく、夏は涼しく。快適さとコスト削減を両立する家づくりをサポート

　「壊して建て替えるのはなく、当方では長きにわたり心地よい暮らしをかなえ、子や孫に受け継がれる家づくりを目指しています」と語るのは、「小椋建築」代表の小椋孝一さん。富山市で、外気温の影響を受けにくい高性能住宅の新築・リフォームを手掛けています。

　顧客からは「廊下やトイレも冷えがなく、外出時に初めて今日は寒いと気づいた」「冬の早朝でもキッチンが暖かい」という声が寄せられるそう。

　「全館空調は40坪程度までの家なら、床下に設置した暖房用エアコン1台で実現できます。暖かい部屋から浴室などへ移動した時、急な温度変化で血圧が急変し、脳卒中や心筋梗塞などを起こすヒートショックのリスクも低減できます。夏も天井と屋根の間にある小屋裏に設置した冷房1台だけです」

　少ない機器で室温を維持できるのは、熱が伝わりにくい樹脂サッシで空気の層を作るトリプルガラスの窓や、壁の中を隅々まで満たす断熱材や工法を採用し、熱の出入りを徹底的に防いでいるから。国の基準を大きく上回る断熱等級7という高い指標を達成。気密はC値0.2㎠/㎡前後とのこと。下結露によるカビの発生も抑制し、アレルギー対策につながっています。

　「寒さは年齢を重ねるごとに身にしみるため、住むほどに良さが実感できます。一般的にエアコンが4〜6台必要なお宅でも、小椋建築では冬夏に各1台で済むため、電気代やメンテナンス費、寿命による買い替え費が抑えられます。快適さとコスト削減を両立でき、子や孫が『この家に住みたい』と思える住まいを残せます。継ぐ人がいない場合も資産価値を保ち流通できます」

木のぬくもりに満ちた住まいを手掛け、断熱・気密性を強化した家づくりへ進化

　「私の家づくりの原点は、小学生の頃、わくわくしながら木の上に家をこしらえた経験です」と小椋さん。富山工業高校建築科を卒業後、大手ゼネコンの清水建設に就職。現場監督として働きましたが、「自分の手でものづくりがしたい」という思いが募り、家業の小椋建築に入社。大工として家をつくる喜びを実感しました。

　「木材の経年変化を“味わい”と好んでいただける施主さまには、天井や壁といった内装にもふんだんに用います。木は優しい風合いで、温かみのある雰囲気を創出できます」

　同社は、小椋さんの祖父が1946年に創業。地域の絆を大切に仕事に取り組み、作業現場で「あなたのおじいちゃんが建てた家だよ」と声をかけられることも。

　現在は三代目として、見学会の説明から職人との打ち合わせ、現場管理を一貫して担当。毎日軽トラックで客先を巡回し、多様な相談ごとに深い知見で答えています。

　省エネが推進され、断熱・気密性を強化したいと考えていた折、暑さ、寒さに備える温熱環境の分野で一目置かれている兵庫県の「松尾設計室」に興味を持ち、セミナーを受講。暖房用の床下エアコンをはじめ、松尾式の高性能住宅について学びました。

　「松尾さんは『安くて快適な住宅』という理念が堅固で、実現のために熟慮されています。全館空調にエアコン一つも驚きましたが、将来の買い替えも考えて市販品を使う工夫も素晴らしいと思いました。松尾さんから学んだ知識と技術が、弊社の家づくりに新たな可能性をもたらしています」

耐震等級3で安全性の高い家、太陽の力を活用したパッシブ設計にも注力

　耐震性は一般基準の1.5倍、警察や消防署レベルの耐震等級3を確保。安全性の高さに加え、いざという時も倒壊をまぬがれ、建て直し費用がかからないようにするためです。外装は雪が多い地域性を踏まえ、耐久性が高く建材費が抑えられるガルバリウム鋼板も取り入れています。

　「太陽光を活用するパッシブ設計も特徴です。夏は高く、冬は低い太陽の動きを調べ、窓の位置や大きさ、ひさしの長さ、ガラスの種類などを計画。夏は強い日差しをカットし、冬は暖かい日の光を取り込み、室内温度の調整に役立てています。住宅を建てる予定地で日影図作成や日照シミュレーションも実施しています」

　冬は曇りも多い富山ですが、太陽光パネルも導入。小椋さん自ら試したところ約13年で初期投資を回収したとか。電気代は年々上がり、災害で停電した際も自宅で電力を賄えるので、蓄電池システムも併せて設置することをすすめています。

　「出費を抑えたい方こそ、高性能住宅を建てた方がトータルで考えると経済的です。特に20〜30代のファミリー層は貯金が少なく、安価な工事費に注目しがちですが、安い家は光熱費がかかり、建材も経年劣化しやすく将来大きなリフォーム費用がかさむからです」

　家づくりの際に参考になればと、ホームページには、断熱・気密・耐震の仕組みや性能・コストなどのデータを掲載。新築や断熱改修の相談があれば対話を重視し、1軒ごとに数値を計算し、説明もしている小椋さん。「皆さまが心と体を癒やし、末永く健やかに過ごせるわが家をかなえるお手伝いをします」と語ります。

（取材年月：2025年5月）

長きにわたり心地よく暮らし、未来へ残す「価値ある住まい」として高性能住宅を提案

冬は家全体が暖かく、夏は涼しく。快適さとコスト削減を両立する家づくりをサポート

木のぬくもりに満ちた住まいを手掛け、断熱・気密性を強化した家づくりへ進化

耐震等級3で安全性の高い家、太陽の力を活用したパッシブ設計にも注力

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