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電気・水といった産業や生活に欠かせない設備機器を点検・補修し、地域社会に貢献

発電設備や生産設備の安定稼働を支える工事のプロ

石原雅彦

石原雅彦 いしはらまさひこ
石原雅彦 いしはらまさひこ

#chapter1

発電設備や上下水道、工場の生産ラインなどを手掛け安定稼働をサポート

 「スペシャリストの集団として、人々が安心して暮らせる環境社会づくりに貢献する」を経営理念に掲げる「富士機設工業」。代表の石原雅彦さんのもとでは、富山市を拠点に、北陸三県や東海エリアで各種プラント設備の施工・保守管理に従事しています。

 発電所の定期点検や補修を行うほか、自治体の要請を受け上下水道や下水処理場を整備したり、水門や、土砂などの異物を取り除く除塵機を設計・制作・設置したり、産業や生活に欠かせない電気や水の供給をサポート。製紙、化学、繊維といった製造工場では、生産ラインなどの構築やメンテナンスも手掛けています。

 「私どもの強みは、1970年の創業以来、五十余年にわたり培ってきた技術力です。例えば、エネルギーを作る発電所の回転機は精緻な構造で非常にデリケート。正常に動かすには細かな調整が必要です。実践を通じて蓄積したノウハウを駆使し、安定した稼働へと導きます」

 時には、20~30tもある大規模なモーターの入れ替えを頼まれることも。重量がある機器の取り外しから発送、据え付けまで一貫して対応し、円滑な操業をアシストしています。

 「難しいご依頼であっても、お客さまの要望や要件をきちんと聞き取り、検討することを徹底しています。当社のリソースが足りず、お断りせざるを得ないこともありますが、別の企業さまを紹介するなど最善を尽くします」

 石原さんは精度の高い仕事を提供するため、社員らに向け、電気や土木工事、溶接、重機操作など業務に関連する資格取得を奨励。国家資格を持った人材が多数在籍しています。

#chapter2

サッカー選手として活躍した後に「富士機設工業」へ。2022年に代表に就任

 1964年に富山市で生まれた石原さん。幼少期からサッカーに夢中で、高校時代には富山県代表として全国大会に2度出場。サイドで攻撃的なポジションを担う右ウイングのレギュラーとして活躍しました。

 「プロチームのJリーグが発足する前で、高校卒業後は北信越サッカーリーグに参加していた、非鉄金属メーカーの吉田工業(現YKK)に入りました。日中は資材の加工スタッフとして働き、夜間は練習に汗を流す日々を送りました」

 フィールドでプレーに励みますが、度重なるけがに悩まされ、26歳のときにスパイクを脱ぐことを決断。吉田工業を退社します。

 「結婚して長男が生まれるタイミングでもあり、心機一転して別の道に進みたいと考えていました。働き口を探していた折、父親から『サッカー好きの友人が経営している会社がある』と紹介してもらったのが『富士機設工業』だったのです」

 未知の分野であり、入社後はとにかく現場に出て仕事を覚えることに専念した石原さん。ライフラインを守る職務に使命感とやりがいを見いだいし、専門性を高めたいと積極的に資格を取得します。

 技能を磨く中、石原さんは2022年に代表に就任。当時社長を務めていた現会長の木原清志さんから、打診があったと言います。

 「正直に言うと乗り気ではありませんでしたね。私は現場で体を動かす方が好きで、社長になると現場に出る時間は減ってしまいますから。迷いもありましたが、期待されることに感謝しむげにするわけにはいかないと腹をくくりました」

石原雅彦 いしはらまさひこ

#chapter3

インフラやものづくりの現場を支え、地域の役に立つことが目標

 組織を率いる立場になり、石原さんが心掛けてきたのは風通しのよい職場づくり。方針や目標など社の決定事項を全社員に迅速に共有して意思統一を図ったり、気さくに声を掛けてコミュニケーションを深めたりしています。

 スタッフからは「先輩後輩の分け隔てがなく話しやすい雰囲気」「丁寧に指導してもらい毎日が従事している」といった声も寄せられているとか。「暇を見つけては現場に出ていましたが、最近では社員に『大丈夫ですから、もう来ないでください』と言われています。寂しいものの、頼もしくもありますね」と笑顔を見せます。

 働きやすい企業風土を醸成し業績は堅調ですが、昨今は環境保全の機運が高まっています。世界全体で、地球温暖化の要因となる二酸化炭素を削減する脱炭素社会を志向し、同社の主力である石炭火力発電設備の点検事業は下火になると予測。環境に配慮し、資源の再利用に取り組むなどチャレンジを続けています。

 「今後は、官公庁関係や一般企業など多方面から案件を請け負っていきます。インフラやものづくりの現場を支えることで、地域社会のお役に立ちたいと考えています」

 積雪量が多い富山県において、不便なく道路を通行できるよう消雪装置も展開。融雪に河川水や農業用水を利用しているのが特徴で、地下水採取による地盤沈下や枯渇防止にも努めています。

 「多様なニーズに応えるには若い世代の力が必要です。人材育成にも力を入れ、技術の習得やスキルアップを後押ししていきたいですね」

(取材年月:2025年6月)

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専門家プロフィール

石原雅彦

発電設備や生産設備の安定稼働を支える工事のプロ

石原雅彦プロ

プラント工事全般、メンテナンス業

富士機設工業株式会社

ひとたび故障すれば大きな損失につながる発電設備や生産設備。安定して稼働し続けられるよう、細部まで丁寧に点検・修繕を実施。20~30tにも及ぶ大型機械の入れ替えといった大規模工事にも対応します。

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