エビデンスに基づく医療を提供する美容外科医寺西宏王

エビデンスに基づく医療を提供する美容外科医

寺西宏王

丁寧なカウンセリングで悩みを引き出し、豊富な症例数から導いたより良い方法を提案

　全国約100院を展開する美容クリニック「TCB東京中央美容外科」。理事長の寺西宏王さんは、「美容医療の透明性を高め、エビデンス（科学的根拠）に基づく施術を多くの方に届けたい」と語ります。

　「切らない二重整形」をはじめ、美容医療が初めての人にも負担が少ないメニューを用意。10代・20代に人気の目元の施術に加え、クマやたるみ、シミ・シワなどのエイジングケアにも対応。カウンセリングでは一人一人の悩みを丁寧に聞き取り、その内容を踏まえて施術を行っています。

　「二重まぶたを希望されていても、実はクマも気にしているというケースは少なくありません。専門知識がなければ、どのような解決策があるのか分からない方も多いでしょう。患者さまの声に真摯（しんし）に向き合い、悩みの背景も含めてトータルに提案することを大切にしています」

　同クリニックは、多数のドクターによる豊富な症例データを誇ります。ヒアルロン酸注射では約29万例、目元のクマ取りで約12万例などの臨床実績を蓄積し、論文発表など業界での症例共有にも力を入れています。
　「例えば、二重埋没法には、2カ所で固定する2点止めと、ラインに沿って糸を編み込む線止め（連続法）があり、各500件ずつの再手術率を比較した研究を2025年に国際的な美容外科学術誌に発表しました。『どちらがいいの？』という患者さまの疑問にも、線止めの方が高額ながら持続期間が長い傾向にあると、データをもとにお伝えできます。美容医療には多くの選択肢があり、エビデンスが判断の助けになると考えています」

心臓血管外科医を経て、美容医療の世界に転身し、技術力を発揮

　寺西さんは、産婦人科医の父の影響で、医師の道を志しました。美容医療業界に転身する以前は、心臓血管外科医として約14年間病院に勤務。心臓外科医を選んだ理由は、その技術力とチーム力に魅力を感じたからだと言います。
　「大学でアメリカンフットボール部に所属していたので、チームで力を合わせて目標を達成するところに共通点を感じました。手術では、執刀医だけでなく助手や麻酔科医、人工心肺を担当する臨床工学技士などが一丸となって取り組みます。また、手術の精度が患者さまの回復や予後に直結するので、技術を磨くことにもやりがいがありました」

　数多くの手術を経験し、第一線で研鑽（けんさん）を重ねる中、時間的にも体力的にもハードな職場環境に、「このまま家族やプライベートを犠牲にし続けていいのか」と考えるようになったそう。40歳で転職を決意し、次の道を模索する中で、同クリニックの創業者の青木剛志氏と出会ったことが、転機となりました。
　「当初は下肢静脈瘤の治療でもやろうかなと軽く考えていて、美容医療は未知の分野でした。それでも、新しい世界に挑戦してみようと決心しました」

　2019年に入社し、京都駅前院や梅田大阪駅前院の院長を務め、二重やクマ取りなど年間1000件以上（2022年6月～2023年8月）を担当。2024年10月に理事長に就任しました。
　「心臓外科医として培ってきた外科的な手技はもちろん強みですが、それ以上に、親しみやすさや丁寧な説明といった患者さまとのコミュニケーションやスタッフのチームづくりを大事にしています」

「関わるすべての人を幸せに」の理念を大事に、イキイキと働ける環境づくりにも注力

　寺西さんは、TCBグループが掲げる「私たちに関わるすべての人を幸せに」との企業理念に共感し、働くスタッフの幸せにも意識を向けています。
　「もともと、人に喜んでもらうのが趣味のようなところがあります。患者さまだけでなく、ドクターやスタッフにも、ワクワク感を持って働けるビジョンを示し、楽しく働いてもらえるように心がけています」

　これまで、豊富な症例を論文や学会発表などで共有する取り組みも積極的に進めてきた寺西さん。「『常識を疑い、未来をつくる』の座右の銘のもと、新しいことにチャレンジできる風土づくりを大事に、その先にいる患者さまにも幸せを届けられるようにしたいですね」と決意を語ります。

　患者と向き合う日々の中で、自身の幸せは、関わった人の笑顔だとか。
　「麻酔から覚めると、患者さまが本当に喜んでくれるので、その姿を目にするのがうれしいですね。カウンセリングを担当したスタッフも駆け付け、みんなで一緒に喜び合える瞬間に幸せを感じます」

　目元や肌のことで悩んでいても、いきなり美容外科で相談するのは、高いハードルを感じるかもしれません。寺西さんは、「キレイになりたい」と願うすべての人に、次のようにメッセージを送ります。
　「私たちは、多くの症例から得られた科学的データをもとに、患者さまの悩みに寄り添った方法を提案できます。勇気をもって一歩を踏み出すと、これまで気付いていなかった自分が見つかり、新しい世界が広がります」

（取材年月：2025年10月）

エビデンスに基づく美容医療を届け、一人一人の「なりたい」に寄り添う

丁寧なカウンセリングで悩みを引き出し、豊富な症例数から導いたより良い方法を提案

心臓血管外科医を経て、美容医療の世界に転身し、技術力を発揮

「関わるすべての人を幸せに」の理念を大事に、イキイキと働ける環境づくりにも注力

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