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特別な場所で理想のエンディングを。海外リゾート散骨という新しい葬送スタイルを提案

理想のエンディングをかなえる海外リゾート散骨の専門家

村田光史

村田光史 むらたこうじ
村田光史 むらたこうじ

#chapter1

旅先など思い入れのある地で自然に還る選択。海外リゾートを中心に散骨を代行

 「近年は供養の在り方が多様化しています。『墓守や入るお墓がない』『墓じまいを検討している』といった方に、新たな旅立ちとして海外での散骨を提案しています」と語るのは、「海外リゾート散骨 海と森のセレモニー」を運営する「KOKESHI Arts」の代表、村田光史さん。

 散骨とは火葬後の遺骨を細かく砕き、海や森などにまいて自然に還す供養方法。国内でも行われていますが、思い入れのある外国で行えば、より自分らしいエンディングを迎えられるだけでなく、家族にとってもお墓参りが特別なイベントになると提言します。

 「依頼者がご本人のケースでは、旅行や留学で訪れた思い出の国、写真などで見た憧れの場所、太平洋戦争の仲間が眠る南の島など、ご自身の歴史や思いをたどる事例が多いですね。また、依頼者が遺族のケースでは、『家族でよく行った旅行先を墓標にし、毎年訪れて手を合わせたい』という方が増えています」

 メインはフィリピン、フィンランド、オーストラリアです。それ以外の国でも散骨実績があり、実績のない場所でも散骨が可能か法制度などを無料で調査してくれます。契約後は、骨の粉砕や複雑な法的手続きも代行し、散骨時には献花のほか、オプションで音楽を流すなどの要望にもできる限り応えます。式の様子は動画に収め、散骨証明書と共に遺族へ送付します。

 「旅行代理店ではないため飛行機やホテルなどの手配はできませんが、遺族の方が散骨に同行もできます。葬送後はしんみりしますが、故人の意思を尊重したことで前向きになられ、『私の時もお願いします』と言ってくださいます。親族がいないひとり暮らしの方も関心があればご相談ください。人生を終えた後、責任をもって散骨いたします」

#chapter2

当たり前に疑問を持ち、常識にとらわれない発想で海外リゾートへの散骨事業を創業

 村田さんは音楽系の高校・大学へ進み、卒業後は楽器店に就職。程なくして、いろんなことに挑戦したいと考え、ITを学び関連会社へ転職。その後システムエンジニアとして独立し、自己裁量で働けるようになったため、バスクラリネットの製造販売やモンゴル人IT技術者を日本へ紹介する事業を始めました。

 「元来、当たり前だと思われていることに『本当にそうなのか』と疑問を持つ性格で、調べることも好きでした。楽器事業は、高額になりがちのマイナー楽器をもっと安く作れないかと考え、中国の工場と提携。学生時代に外国へ旅したり演奏オーディションを受けたりして、海外に対する抵抗感はありませんでしたが、コミュニケーションや手続きでは苦労しました。自ら道を切り開いた経験が、散骨事業にも生かされています」

 海外散骨に興味を持ったのは、祖母の逝去がきっかけです。お寺で伝統的なお葬式が執り行われました。

 「滞りなく終わったのは良かったのですが、他国の文化や儀式に興味があり知識を得ていたことから、他にも弔い方があるのではと。例えば私なら、アメリカのグランドキャニオンに骨をまいてほしいと思ったのです」

 しかし調べてみると、当該の地では散骨できないことが判明。「それなら世界の他の場所ではどうか」と調査を始めたのが事業のスタートでした。

 「今の私ならフィンランドでしょうか。森で散骨できるのは世界的に珍しく、春には桜が咲き誇る美しい公園もあり、穏やかに眠れそうだからです」

村田光史 むらたこうじ

#chapter3

終活の悩みもトータルサポート。人生のエンディングを明るく見送るお手伝いを

 村田さんは、シニアとその家族の一助になればとシニアライフパートナーの資格を取得。医療・介護、身元保証、相続や遺品整理など、暮らしや死後事務に関する心配事を聞き、税理士や司法書士といった各方面の専門家と共に解決に導きます。

 「お客さまとお打ち合わせの際、墓じまいにおけるお寺との交渉、不動産の処分など、散骨以外の悩みをよく伺っています。終活にまつわる内容は多岐にわたり複雑ですから、専門性を身につけた当方が窓口になり、お手伝いできたらと考えています」

 今でこそ日本で火葬は一般的ですが、亡きがらを荼毘(だび)に付す概念自体は戦後に急速に広まったといわれています。それ以前は長きにわたり土葬が主流だったとか。

 「葬送文化は時代とともに変化するものです。散骨によるお別れのスタイルはまだ新しく広く知られていませんが、お気に入りの場所で安らかに眠り、ご家族が節目に足を運んで在りし日をしのぶセレモニーとして認知されていくでしょう」

 現在、海外リゾートでの散骨を主軸にしていますが、将来、日本になじみがある外国人に日本での散骨を提案していくことも視野に入れているそうです。

 「葬送は本来自由なもの。さまざまな選択肢があってこそ、その人らしい見送り方ができると思っています。人生のエンディングや葬儀が明るいものであってほしいと願っています。 青くきらめく海や深い静かな森をはじめ、自然に還る散骨の素晴らしさを知っていただければうれしいですね」

(取材年月:2025年4月)

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専門家プロフィール

村田光史

理想のエンディングをかなえる海外リゾート散骨の専門家

村田光史プロ

散骨代行

合同会社KOKESHI Arts 海外リゾート散骨 海と森のセレモニー

希望する外国への散骨が可能か調査し、骨の粉砕や法的手続きを代行。葬儀は動画に収め、散骨証明書と共に遺族へ送付する。シニアライフパートナーの資格を持ち、墓じまいなどシニアとその家族の悩みにも幅広く対応。

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