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クライアントらしさを見いだし、共感を呼ぶブランディングでコアなファンづくりを支援

「ブランドらしさ」を定義し強みに変えるデザイン戦略の専門家

西村進

西村進 にしむらすすむ
西村進 にしむらすすむ

#chapter1

コンセプトの策定からWEBなどの販促物やイベントの企画・制作を一貫

 「私たちはコアなファンづくりを得意とする会社です」と話すのは、「レンコンデザイン」の代表取締役・西村進さん。前職の仲間で制作責任者の青野和成さんとともに、クライアントらしさを見つけ、共感を呼ぶデザイン戦略パートナーとして活動しています。

 「レンコンは“先を見通す”縁起物であり、泥の中から花を咲かせる姿が私たちのクリエイションに近しいものを感じ、社名に冠しました」

 西村さんらが最も注力しているのはコンサルティング。月額定額制で、新規事業の立ち上げなどを、広告宣伝の外部コンサルタントとして支援しています。

 「両者は混同されがちですが、ブランディングは好きになってもらう行為、マーケティングは売るための手段です。ブランディングとマーケティングを上手につなぎ合わせて施策を打つことが大切です」

 ブランディングには、製品の性能・仕様といったスペックを指す「機能的価値」、その商材ならではのメッセージや世界観を表す「情緒的価値」の2軸があり、西村さんたちは後者の「ブランドらしさ」の定義づけに知見を発揮します。

 「何から始めればいいか分からないという方のため、当方はコンセプトの策定から伴走します。商品・サービスに対する思いや強み、目指すビジョンを伺い、整理して提案します」

 プロジェクトごとにデザイナーやライターなど専門性を備えたメンバーをアサインしてチームを編成。感覚値に頼らず、論理的思考で訴求力を備えたWEBサイトやムービー、パンフレットといった販促ツールを構成したり、イベントを企画したり、顧客接点を図ります。

#chapter2

中小企業を見守り、道筋を示す「かかりつけのお医者さん」が目標

 西村さんは都内の学校を卒業後、1989年に人材関連事業大手のリクルートへ入社。求人広告の制作を通じてターゲットへのアピール力を養います。その後、オートバイ好きが高じて米国のバイクメーカー・ハーレーダビッドソンの広告を手掛ける制作会社に転職し、営業責任者として21年間勤務しました。

 「右肩下がりのオートバイ市場において、どうすればファンを獲得できるか。メーカーの視点に立った取り組みを学ぶことができました」
 
 有名ブランドのプロモーションに従事し、案件をともにした青野さんと自分たちの理想を実現したいと、2014年に創業しました。

 「無名だったアウトドア、家電メーカーとの出会いが私たちの原点です。まだ世に知られていないブランドを、メジャーな存在にしていくことに大きな喜びを感じましたね」

 例えば「自社キャラクターを作りたい」というオーダーには絵本や着ぐるみ、テーマソングまで制作し、一つのストーリーを展開。ある企業では、個性的で求心力のある社長を企業の顔としてブランディングすることを発案しました。

 「多くの経営者は数ある選択肢の中で、どこに経営資源を注げばいいか迷っています。皆さんがやりたいことを拾い上げ、道筋を示すのが私たちの役割だと考えています」

 何千億円規模の顧客を相手にする巨大な広告会社を大学病院とするなら、自分たちは課題を抱える中小企業を見守る存在、いわば「かかりつけのお医者さん」になりたいのだと西村さんは語ります。

西村進 にしむらすすむ

#chapter3

企業の成長に必要な施策を打ち出し、営業戦略や経営改善もサポート

 「SNSの普及で企業の広告が届きにくくなり、いい商品を作るだけでは売れない時代になりました。顧客にアプローチするには切り口や見せ方が重要です」

 西村さんらは全国の企業から引き合いがありますが、コンペや見積もりだけの依頼は受けていません。

 「他の会社にもできることなら、そちらにお願いするのがいいと思っています。私たちは熱量が高いファンを作りたい方や、新たな事業に挑戦する方を応援したいのです」

 新規取引では、経営者や従業員と面談を行い、対話を通じて思いを言葉にし、ビジュアル化することで方向性を明確にします。

 「大阪のグローブ製造会社からは、自社ブランドの立ち上げで相談を受け、お付き合いがスタートしました。一流選手が認める職人のグラブは、野球市場が縮小する中で毎年160%の売り上げ増を達成し、現在は経営改善もサポートしています」

 西村さんらは営業戦略も立案。企業の成長に必要な施策を優先し、時には「今それをやるべきではない」と伝えることもあります。

 「経営コンサルがコストカットを重視するのに対し、私たちは付加価値をどう乗せるかを考えます」

 前職から長きにわたる関係を続けるクライアントも多く、同社をパートナーに選んだ理由として、「レンコンさんとは相性が良い」を挙げるケースがほとんどだとか。

 「真摯(しんし)にものづくりをしている企業が正しく認知されることが願いです。皆さんの仕事を広く発信するお手伝いをしていきたいでね」

(取材年月:2025年2月)

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専門家プロフィール

西村進

「ブランドらしさ」を定義し強みに変えるデザイン戦略の専門家

西村進プロ

コンサルタント

レンコンデザイン株式会社

デザインコンサルティング、ブランディング、広告企画制作などを手掛け、高付加価値ブランドのプロモーションに長く携わる。まだ世に知られていないブランドを、経営とデザインを結びつけた支援を得意とする。

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