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賃料評価の豊富な経験に裏打ちされた〝伝わる〟不動産鑑定書で、説得力のある資産価値を導く

地代・家賃評価に強い不動産鑑定士

新井隆之

新井隆之 あらいたかゆき
新井隆之 あらいたかゆき

#chapter1

家賃・地代評価に強く、権利関係が複雑な訴訟案件でも多数の実績

 東京都心部を中心に、土地価格の上昇が続く中、不動産の適正な評価額を知りたいというニーズは高まっています。
 「土地価格の上昇局面では、指標となる公示地価が実勢価格とかけ離れる傾向にあります。賃料交渉では貸主と借主、相続では相続人の間で評価額に対する意見が分かれ、もめる原因となるため、不動産鑑定の依頼が増えています」

 こう話すのは、港区にある「東京三田鑑定」代表取締役の新井隆之さん。不動産鑑定士として、不動産の売買や賃貸、相続、金融取引などさまざまな場面で高い専門性を発揮。鑑定評価のみならず、鑑定評価書のセカンドオピニオンや、不動産に関するコンサルティングを手掛けています。東証一部上場企業をはじめ、地方自治体の公共事業に伴う用地取得、金融機関の担保不動産など、都内を中心に全国から依頼が寄せられています。

 一般的な土地・建物はもちろん、特に得意とするのは、家賃および地代の不動産鑑定評価です。
 「賃料の評価は、土地や建物の評価額が定まってからスタートするため、評価方法が複雑で難易度が高く、専門にする不動産鑑定士は少数派といえます。また、家賃や地代の評価は、ほとんどのケースが裁判で使われます。当方では開業当初から、訴訟における評価も含め数多くの案件に対処し、培ってきたノウハウがあります」

 紹介が多く、権利関係が複雑な案件が舞い込むことも。これまで、シンボルタワーや大型ビジネスホテル、一棟貸しの老人ホーム、有名飲食店などの継続家賃、定期借地権付きリゾートホテルの継続地代など、多岐にわたる評価実績を誇ります。

#chapter2

統計学やグラフを活用して鑑定評価書の説得力を追求し、依頼者に貢献

 「不動産を科学する」を理念に掲げる新井さんは、平均値や標準偏差など統計学の指標も用いて鑑定評価の精度を上げるとともに、評価を裏付けるデータ収集・蓄積にも取り組んでいます。その一部を、自社のホームページで「地価変動率データ」「不動産の各種推移」として都度公開しています。

 また、〝伝わる不動産鑑定評価書〟を追求し、数値を可視化するグラフなどを積極的に活用。説得力を高めます。
 「不動産は〝生き物〟なので、地価水準の推移などを折れ線グラフなどで動態的に示すと、視覚的にわかりやすくなります。お客さまにも『欲しかった情報が得られた』と評価いただけることは多いですね。特に訴訟では、相手側から提出された不動産鑑定評価書と比較されるため、訴求力も結果を左右します。実際、裁判で私どもが提出した不動産鑑定評価に基づいた、依頼者に有利な判決が出されたケースもあります」と自信を見せます。

 聞けば、寝ても覚めても鑑定評価書のことばかり考えているという新井さん。
 「いいものを提出し、お客さまに喜んでもらいたいという思いが根底にあります。『ありがとう』と言っていただけるのはやっぱり楽しみですから。もともとExcelなどを駆使して分析することは好きなので、この仕事を通して自分の心の中にある〝原石〟が磨かれたと感じます。グラフの見せ方を考えたり、電車の中吊りで見かけた色の組み合わせを試したり、アイデアが湧くたびブラッシュアップし、もはや職人の境地に。自分でも作り込みすぎたと思うこともありますね」と笑います。

新井隆之 あらいたかゆき

#chapter3

大手ゼネコンや証券会社などを経て独立し、楽しみながら「進化中」

 新井さんが、不動産鑑定士の仕事を知ったのは、大学卒業後に勤めた大手証券会社でのことでした。
 「口座開設に来られたお客さまから、ご主人の職業が不動産鑑定士と聞き、どんな仕事だろうと気になったのが最初です。直後に証券会社が倒産して職を失い、サラリーマンとは違う人生を歩みたいと事務所まで会いに行ったところ、『君なら資格を取れるよ』と。今思えば運命的な出会いでした」と振り返ります。

 資格取得後、不動産鑑定士事務所で実務経験を積み、キャリアアップのため大手ゼネコンに転職。都心の複合ビルやオフィスタワーなど、大規模物件のプロパティマネジメントに携わりました。その後、外資系証券会社で不動産評価や遵法性の審査を担当するも、リーマンショックの影響で、独立を決めました。

 2007年に開業した事務所は、自身が卒業した慶應義塾大学の東門に隣接しています。
 「当初はOBのつながりで仕事を紹介してもらい、たまたま賃料評価の案件が多かったことで、道が開けました。先輩後輩のよしみで、提出した成果物に『見せ方を工夫すればもっとよくなる』などアドバイスをもらったり、沖縄でのリゾートホテル運営の実情を聞いたり、お客さまから学ぶことは多かったですね」

  不動産鑑定士として20年以上のキャリアを積んだ今も、「まだ成長過程」という新井さん。
 「最近、この仕事が天職と思うようになり、楽しくて仕方ないんです。仕事を続ける限り、私の不動産鑑定評価は進化し続けます」と決意を語ります。

(取材年月:2024年4月)

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専門家プロフィール

新井隆之

地代・家賃評価に強い不動産鑑定士

新井隆之プロ

不動産鑑定士

株式会社東京三田鑑定

地代・家賃評価で豊富な経験を誇り、権利関係が複雑な訴訟での不動産鑑定評価にも数多く対応。統計学を用いて客観性を高めるとともに、数値を視覚化するグラフなどを取り入れた「伝わる鑑定評価書」を追求しています

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