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経営の現状を客観的な会計データをもとに分析し、企業の安定的成長へともに歩む

会計、税務、経営改善をトータルで支援する専門家

加藤一郎

加藤一郎 かとういちろう

#chapter1

月次決算の数値からタイムリーに経営改善へ向けたPDCAサイクルを推進

 「企業の安定的成長へ一緒に進んでいきましょう」と話すのは、東京都世田谷区の「加藤会計事務所」の代表・加藤一郎さん。公認会計士と税理士の資格を保有し、日々の取引や収支を記録・管理する会計と納めるべき税金を算出して申告する税務を通じて、経営についてコンサルティングしています。重視しているのは月次決算。決算書の数値から、経営状況を分析しています。

 「中小企業さまの中には、人手不足などの理由で月々の決算まで手が回らないところも少なくありません。しかし、経営は試行錯誤を繰り返していく必要があり、事前に立てた計画と比較して現状がどうなっているのかを知らなくては、次に打つ手が見えてきません。自社の現実は会計データに表れるのです」

 経営基盤を整えるには、計画・実行・評価・改善のPDCAサイクルを推進することが肝要。経営計画に基づいて決めた利益目標などの予算を月次、もしくは四半期ごとに実績を確認し、定期的な訪問により計画値との差分などを報告します。

 「企業の強みや目指す将来像を一番ご存知なのは経営者さまですから、主体となるのは経営者さまです。判断のための材料を客観的な数字で示し、PDCAサイクルが円滑に回るようフォローします」

 訪問時には、会計資料や会計記録が法令に準拠し、取引の実態に即しているか、適法性と正確性、適時性をチェックしています。

 「経営の透明性を示すことで金融機関からの信頼も高くなり、いざというときの融資もスムーズになるでしょう。経理事務を効率化する自計システムの導入もお手伝いしていますので、ご相談ください」

#chapter2

大手監査法人で公認会計士としてキャリアを積み、中小企業を支援するため独立

 加藤さんは、元エンジニアで製造業者に6年間勤務。現場で工程を合理化したり、新製品の生産ラインを設計したり、品質管理、原価計算、投資対効果の算出など管理業務に携わりました。

 「在職中、公認会計士系のコンサルファームが経営戦略を手ほどきしたことが転機となりました。会計データが分かるということは、経営が分かることに等しいと感じたんです」

 勉強に励んで公認会計士の資格を取得し、監査法人に転職。上場会社やそれに準ずる企業の監査、財務調査、上場を目指すIPO企業に対する課題調査、内部統制システムの検証などに従事。2社で十数年にわたり経験を積み、開業しました。

 「監査法人では大手企業が主なクライアントでしたが、日本の企業の大多数は中小規模です。業務を通して『中小企業が元気にならなければ、日本の社会は活性化しないのでは』という思いが強くなりました。これまでのキャリアを生かして、経営規模が小さくとも志がある企業を応援したいと独立を決意しました」

 独立への準備過程で、税務でも力になりたいと税理士資格も取得。節税対策や、中小企業を支援する税制の活用を検討するほか、税務申告書の信用度を高める書面添付、税務調査の立ち会いにも応じています。

 「創業やIPO、事業承継といった、企業のさまざまなステージもサポートしています。一般の事業会社にいたことで、現場の仕事の流れや会社の意思決定の仕方などをイメージしやすく、企業経営の実態に沿った助言・提案が可能です」

#chapter3

事業計画から携わり信頼関係を構築しながら、創業やIPO、事業承継もサポート

 「創業や事業承継も、司法書士や弁護士など他士業とも連携 しながらサポートします。創業支援においては、事業計画の策定から携わっていきたいですね。最初から100点満点のものを作ろうとすると、作業が進まなくなります。まずは概要を作成し、『ここの見積もりが甘かった』とか、徐々にブラッシュアップしていけばいいのです」

 事業承継においては、少子化などを背景に後継者がいないことが社会的な問題となっています。ビジネスで利益を上げて土台を盤石にするのと同時に、早い段階から準備を進めることが重要だと言います。

 「自社の株式については、関連する税制を含め、様々な観点から、負担軽減の対策を検討します。また、経営上の課題をクリアにして魅力のある企業へ育て、M&Aなど第三者の引き継ぎ手を探しやすくします」

 課題を抽出するのが自分の仕事だと語る加藤さん。全体を見通すだけではなく、製品ごと、事業ごとなど、部門別損益も計算してみると、この事業は採算性が低いとか、この製品は売れ行きが芳しくないとか、今まで気づいていなかった改善点が見えてくることもあるとか。

 「クライアントの事業を維持・発展させるために、時には耳が痛いことをお伝えすることもありますから、コミュニケーションを深めて信頼関係を築くことを大事にしています。経営者さまの思いを真摯(しんし)にお聞きした上で、アドバイスいたします。一緒に課題を乗り越え、良い結果が出た時に喜んでいただけるのが何よりうれしいですね」

(取材年月:2025年3月)

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加藤一郎

会計、税務、経営改善をトータルで支援する専門家

加藤一郎プロ

公認会計士

加藤会計事務所

大手監査法人で多くの企業支援の経験をもとに、仕組み作りで、経営改善や成長に貢献します。創業やIPO、事業承継、相続など企業のさまざまなステージもサポート。個人向けの相続対策・申告にも力を入れています。

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