SDGsを“自分ごと”にするきっかけを作るジャーナリスㇳ
稲葉茂勝
Mybestpro Interview
SDGsを“自分ごと”にするきっかけを作るジャーナリスㇳ
稲葉茂勝
#chapter1
貧困や人権、気候変動、環境、そして経済、平和などの、あらゆる人類の課題を受け、国連が2015年に発表した「SDGs」。日本語で「持続可能な開発目標」とされ、地球規模で解決すべき17の課題が提示されています。
「自然と協調し、人類が物心ともに豊かな暮らしを営むには、SDGsの達成は、絶対に必要なこと。誰一人として達成の努力を免除されることはありません。実現には、人々の協力が不可欠です」と語るのは、NPO法人「子ども大学くにたち」の理事長でジャーナリストの稲葉茂勝さんです。
稲葉さんはSDGsの普及活動に邁進。東京都国立市を中心に大学教授ら専門知識を備えた講師を招き、小学4~6年生に向けて、SDGsをカリキュラムに据えた授業を実施しています。また、自らもSDGsをテーマにした講演会や出張授業、ワークショップなどを続けています。
編集者として40年以上のキャリアを通じて1500冊以上の書籍を担当してきた稲葉さん。2021年に自ら執筆し、ポプラ社から出版した「SDGsのきほん 日本のための17の目標」シリーズは、累計売り上げが4億円を超すヒット作です。これを含めて手掛けてきたSDGs関連書籍は40タイトル以上。
そんな稲葉さんだからこそ、SDGsの成り立ちにも触れるなど、「講演の内容が深い」、同時に、「分かりやすい」「面白い」と好評です。
#chapter2
「子どもの興味関心は無限です。大人の考えるジャンル分けが通用しません。ジャンルが無限にあると思ったら、面白くなり、児童書を数多く手掛けてきました」と稲葉さん。書籍の編集のほか、小学生向け新聞への連載や、全国読書感想文コンクールの自由課題本に自著が2度選ばれたこともあります。さらに複数の大手新聞社から取材を受け、NHKや民放各局の番組に出演するなど、マルチな仕事ぶりでも知られます。
2019年に設立し、理事長を務めるNPO法人子ども大学くにたちでは、全国で初めて、SDGsをカリキュラムの基軸に取り入れました。子ども大学は、地域の大学や企業、NPO、市町村・県などが連携して全国で60以上運営されている小学生向けの体験・学習プログラムです。
子ども大学くにたちでは授業のほか、教材開発や企画展示など、次世代にSDGsを伝える取り組みを展開。中でも大きな反響を呼び、2024年度で5回目を迎えたのが、毎年の「SDGs全国子どもポスターコンクール」です。日本国内のみならず、海外の小中学生からも力作が数多く寄せられます。
「ポスターの制作にあたり、例えば、お店の人と商品の製造やゴミの処分で生じる環境への負担などを話し合う。子ども自身が、ポスターというツールを使って、身近な物事と、SDGsの17個の目標をひもづけていくのが狙いです」と、稲葉さんはコンクールの目的を話します。
このように子どもたちが17の目標を“自分ごと”として考えるプロジェクトは、国連に評価され、2024年度からは各省庁などに加えて、国連大学(東京都渋谷区)が後援し、学長名を冠した賞が新設されました。
#chapter3
「2030年の目標達成を目指し、世界中でSDGsが推進されています。私たちも、あらゆる取り組みの規模を拡大し、加速しなければなりません」と稲葉さん。NPO法人子ども大学くにたちが中心となる、「SDGs全国子ども大学運動実行委員会」を発足しました。
また、2025年に開催される大阪・関西万博では、企業や自治体、個人などが未来社会をともに創り上げることを目指す『TEAM EXPO 2025』の共創パートナーとして、子ども大学くにたちを登録。活動のひとつとして、「SDGs全国子どもポスターコンクール」に応募された全国の小・中学生が描くポスター作品を会場に掲示・公開するという共創チャレンジを進めています。
このように、子ども大学くにたちでは、出張授業やワークショップなどに力を入れる一方、全国各地に講師を派遣し、年代や目的、知識量などに合わせてSDGsを楽しく学べるさまざまな活動を提供しています。事前アンケートでテーマを決め、クイズやオリジナルキャラクター「G'sくん」の折り紙体験、朗読会やコンサートなど、ターゲット層に合わせた活動の形を提案。ノーベル化学賞受賞者、大学総長や国連大学学長などの講演会を開催することもあります。
「SDGsという言葉は広く知られるようになりましたが、地方自治体や学校関係、企業の方々にも、『SDGsと自分たちがどう関われるのか分からない』『何ができるのか教えてほしい』という方、逆に『深く知りたいが専門的すぎない内容がいい』という方もいらっしゃいます。それぞれに適した具体策をお伝えしますので、お気軽にお問い合わせください」
(取材年月:2024年10月)
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Profile
SDGsを“自分ごと”にするきっかけを作るジャーナリスㇳ
稲葉茂勝プロ
ジャーナリスト
NPO法人子ども大学くにたち
SDGs関連著作40冊以上、編集者として1500冊以上の書籍を手掛けたジャーナリストが、学校・自治体・商店会・商工会、企業など、それぞれに適した内容でSDGsを“自分ごと”にするきっかけを提供します。
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