企業の成長につながるバックオフィス支援の専門家長澤真由美

企業の成長につながるバックオフィス支援の専門家

長澤真由美

経理、事務・総務の代行や業務改善を手掛け、本業に専念できる環境を整備

　「経理や労務管理に手を取られる」「会計処理がおろそかになり、会社の財務が把握できない」といった経営者の力になるのが、東京・池袋の「伝助」代表の長澤真由美さん。経理をはじめ事務・総務の代行や業務改善を通じ、企業活動をバックアップしています。

　「中小企業はバックオフィスに関するさまざまな悩みを抱えています。創業期は経営者ご本人やお身内が経理を担うことが多く、ミスが生じたり専任者の採用が後回しになったりすることが懸念されます。成長期になって人を雇ったものの、多忙で教える時間を確保できず、さらに作業が属人化して担当者の負担が大きくなることも少なくありません」

　事業を支えるお金や人材の課題を解決するべく、長澤さんは実務を請け負うほか、会計ソフトの導入・運用も手ほどき。省力化や効率化を後押ししています。

「煩雑で手が回らないという場合は客先を訪問。経営者さまが本業に専念できるよう書類のファイリングや郵便物の整理なども行います」

　小回りの利いた対応の原動力となっているのが、一定基準をクリアしたスタッフたち。簿記や給与計算などの研修を随時受け、任せる業務を段階的にレベルアップすることで、顧客の期待に応えられる即戦力を備えていると言います。

　「大切にしているのは、お客さまとのコミュニケーションです。何を改善してどんな目標を達成したいのか、低コストか手厚いサービスを求めるのかなど、要望を的確にくみ取るようにしています。また忙しい皆さまに、不要不急の電話でお時間を取らせないようにするなど、簡潔な連絡を心掛けています」

経理を充実させ、企業の「いま」を見つめることが課題解決や成長につながる

　「税務と経理は似ているようで、大きく異なっています。決算申告などの1年間の益金や損金を集計する税務が“過去を見る会計”だとすれば、財務状況を算出する経理は“現在を見る会計”。経理業務をしっかり行い、企業の『いま』を見つめることで初めて課題をひも解けると考えています」

　企業が成長するにはバックオフィスの充実が欠かせないと強調する長澤さん。特に経理代行のニーズは高く、振り込みや支払いの管理、請求書の発行や入金の管理、記帳や仕訳などをサポートしています。

　「ある会社では、経理人材が定着しないために社長がコア業務に集中できず、会計入力の不備やキャッシュフローの悪化も招いていました。当方が、請求書と振り込み記録を突き合わせるなどして入出金を確認し、帳簿を実際の資金の流れに合うよう整備。売掛金も整理して遅延なく回収できるようお手伝いしました」

　およそ1年かけて経理回りを整頓したことで、月次決算の早期化に成功。収支をリアルタイムで追うことで業績や手元資金の多寡が把握しやすくなり、金融機関からの融資もスムーズに。資金調達がかない、従業員も倍以上に増え、業務拡大につながっているそうです。

　「新しいビジネスに挑戦する際もフォローしています。飲食事業を立ち上げた会社では、決済サービスの選定からレジとの連携、従業員の経費精算の手順などを策定しました。可能な限り現場に即した業務フローになるよう設計し、事業が円滑に進む態勢を整えました」

社労士や税理士らのサポートにも取り組み、定常業務や季節業務を受託

　一度見聞きしただけで印象に残る「伝助」というユニークな社名は、長澤さんが愛読したある小説の登場人物に由来するのだとか。

　「優しくて、機転が利き、ユーモアがある男の子で、あやかりたいと思い名前をいただきました。人々にノウハウを『伝え』、企業や経営者の『助け』になりたい、というダブルミーニングにもなっているんです」

　大学卒業後に一般企業で経理の仕事に就いたのをきっかけに、お金の動きや取引を記録し、経営の実態を捉える簿記の面白さや奥深さに目覚めたという長澤さん。さらに専門性を高めようと勉強を重ね、税理士の資格を取得します。

　「バックオフィスの人材不足を解消し、会社の発展に貢献したいと、2021年に伝助を設立しました。創業時から伴走し、皆さまの事業が軌道に乗るよう私どもの知見がお役に立てば幸いです」

　長澤さんは、社会保険労務士や税理士などのサポートにも力を入れています。日常的に発生する記帳作業や振り込み処理、時期によって量が増える年末調整などの事務を受託することで、士業の方々が相談に乗り、助言・提案する顧客対応などに時間や労力を投入できるよう、環境作りに取り組んでいます。

　「士業の業務負担が軽くなることが、ひいては中小企業に対する支援の拡充にもつながるのではないでしょうか。また税理士事務所は多種多様な単純作業に追われ、スタッフが業務過多によりスキルを磨くことができないケースもあるようです。案件を重ね、キャリアアップを目指す人たちの力になれればと願っています」

（取材年月：2025年6月）

バックオフィス業務を通じてノウハウを「伝え」、経営者を「助け」、企業の成長をサポート

経理、事務・総務の代行や業務改善を手掛け、本業に専念できる環境を整備

経理を充実させ、企業の「いま」を見つめることが課題解決や成長につながる

社労士や税理士らのサポートにも取り組み、定常業務や季節業務を受託

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