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家事も育児もすべてキャリア。誰もが持つ強みを見つけ、財産に変えるお手伝いを

失敗や負の経験を財産にしてキャリアをリカバーする専門家

堀左馬之介

堀左馬之介 ほりさまのすけ
堀左馬之介 ほりさまのすけ

#chapter1

育休取得と復職後のキャリア形成をサポートする「199Enrich」をリリース

 「どんな方も持っている自分の強みを見つけ出し、財産に変えるお手伝いをしています」と話すのは、「キャリアリカバー」の代表で、キャリアコンサルタントの堀左馬之介さん。

 企業、高校・大学、就労支援機関や医療機関、人材サービス会社などでキャリアカウンセリングを累計6600回以上、セミナー・講義は700回以上を実施。心療内科では、精神疾患や発達に課題を持つ患者1000人以上に就労プログラムを提供しました。

 「日本の労働市場では転職回数が多いほど、働いていない期間が長いほど就職のハードルが高くなる傾向にあります。しかし転職や退職は本人だけの問題ではない場合も多く、離職中の家事や育児、メンタルケア自体もキャリアといえます」

 自身も転職は7回。2年間の無職生活や育児休業といった、いわゆる「ブランク」も経ています。

 肩身が狭い思いをした過去を踏まえ、2024年4月に、育休取得と復職後のキャリア形成を全面的にサポートする「199Enrich(いくきゅう・えんりっち)」をリリースしました。

 「昇進や昇給に影響しそう、収入が減るなどの理由で育休を断念する方は少なくありません。しかし経験者の私に言わせれば、最低6カ月は必要です。わが子の誕生と成長を見守り、出産で心身の不調に陥りやすい女性に寄り添うためにも、男性が育休を取る意義は大きいのです」

 199は「出産前19日+出産後180日」を足した日数で、オンライン、対面によるマンツーマンのワークショップやセッションなどで育休ライフに伴走。従業員の育休取得を推進したい企業にも注目してほしいと呼び掛けます。

#chapter2

転職を繰り返し、不当解雇なども経てキャリアコンサルタントの道へ

 堀さんが起業するまでには長い道のりがありました。新卒で入社した住宅設備機器の会社、続く不動産広告会社は1年足らずで辞職。最初の転機となったのが、3社目のワイン販売会社でした。

 「ある時『人の話を聞かないと売れない』ということに気づき、傾聴を大事にしたところ営業成績が一気に伸び、周りの人から公私にわたって相談されることが増えました。次第に人さまの仕事や人生に関わることに関心を持ち、人材エージェントに転職しました」

 ところが時はITバブル崩壊の2000年。業績不振で退職を余儀なくされ、その後も不当解雇やパワハラに遭います。迷走する中、32歳の時に職業訓練校でキャリアコンサルタントの存在を知り、大学のキャリアセンターに転身します。

 「当時の学園長から頂いた『自分の転職や失敗を糧にして学生をサポートしたいという志望動機が、あなたを採用した決め手だった』という言葉が、今の私を支えています」

 学生がドロップアウトしないためのシステムを構築し、卒業後の進路決定率を向上。新たな転機が訪れたのは、職場で男性初となる6カ月の育休中でした。

 「ニート・引きこもりの人を支援するNPO法人でボランティアに従事し、お声がけにより副理事長に就任しました。しかし社会復帰の仕組み作りにまい進していた最中、トップの方が病に倒れて事業継続が困難になったんです。当時すでに副業でキャリア相談を受け、心療内科にも赴いていたので、本業にすることにしました」

堀左馬之介 ほりさまのすけ

#chapter3

生い立ちや趣味など人生履歴をヒアリングし、その人が持つ軸を明確に

 堀さんのキャリアコンサルティングでは、相手が抱える問題の根幹にアプローチして道筋を作ることに力点を置き、解決はクライアントに委ねます。自ら道を切り開くことで自信がつき、モチベーションや自己肯定感が高まると言います。

 「面談では、現在の仕事や職歴、生い立ち、趣味、子どもの頃の習い事などを丁寧にヒアリングします。一見バラバラに見える人生履歴も、紡いでいけば必ずその方の軸があり、強みがあります。それを言語化するのが私の役目です」

 職場の人間関係に悩む人には作戦会議のように方策を一緒に考え、物事の捉え方や周囲との接し方などをアドバイスし、約8割は転職をせずに終わるそうです。ほかにも、女性から「もっと働きたい」といった声も寄せられています。

 「奥さまからの相談が夫婦カウンセリングに発展することがあります。苦手意識から家事に消極的な男性は多いですが、奥さまを助けたい気持ちは持っています。より良い夫婦関係を築くためにも、同じ男性の視点でジレンマを解きほぐしたいと考えています」

 業務の傍らスキルアップにも努める堀さん。職業訓練に通いWEBマーケティングの知識を習得し、連携先の心療内科で医師採用を後押ししたことも。また知人から誘われ、病院の研究所では非常勤技術員として中高年者らの孤立予防に取り組んでいます。

 「人材を宝と捉え大切にする企業さまとともに、誰もが自分の持ち味を発揮し、やりがいをもって輝ける環境を整えたいですね」

(取材年月:2024年7月)

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堀左馬之介

失敗や負の経験を財産にしてキャリアをリカバーする専門家

堀左馬之介プロ

キャリアコンサルタント

キャリアリカバー

自身が転職7回、ニート2年、被パワハラなどを経験し、幅広い方の社会復帰、労働市場への復帰をサポート可能。家事育児、遊びや育休、ブランクも全部「キャリア」と捉え、その人が輝ける道筋を紡ぐことができる。

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