海外渡航先のネット環境向上に貢献する通信の専門家阿部宏貴

海外渡航先のネット環境向上に貢献する通信の専門家

阿部宏貴

公式ストアから簡単に購入可能。FAQコンテンツやサポート体制の整備にも注力

　海外滞在中のインターネット利用は、サイトや動画の閲覧、メールやSNSの送受信などにさまざまな制約が生じることがあります。
　東京都日野市の「BeaconLink（ビーコンリンク）」代表・阿部宏貴さんは、「JapanConnect eSIM（ジャパンコネクト・イーシム）」のブランドでインバウンド・アウトバウンド向けにeSIM（embedded SIM）を提供。国内外のユーザーが、渡航先でも安心してインターネットを利用できるよう環境づくりに取り組んでいます。

　「eSIMはスマートフォンなどの端末に内蔵されているので、SIMカードのように物理的な抜き差しが不要。破損や紛失、盗難のリスクも抑えられ、海外でもストレスなく利用できます。近年は海外ローミングの料金も下がってきていますが、国や条件によってはeSIMのほうがコスト面で有利な場合もあります」

　JapanConnect eSIMは世界133カ国に対応しており、利用する国やデータ量に応じた多彩なプランを公式ストアで販売。自宅や勤務先などから手軽に購入可能です。

　ブランディング、マーケティングに力を入れる阿部さんは、複数のポータルサイトやSNS、YouTubeでeSIMの使い方を視覚的にわかるように発信。公式ストアと自社メディアを連携させ、旅行者がスムーズに情報にアクセスし、自信を持ってeSIMが利用できるよう工夫しています。

　「FAQや設定マニュアルを初めて使う方の目線で再構成し、購入後のサポート体制を整えることで、継続利用してくださる方も増えてきました。価格だけでなく、安心して使えることが選ばれる理由になるようなサービスを提供し続けたいです」

海外旅行、ビジネスなど、さまざまなシーンに対応したデータプランを用意

　公式ストアでは24時間オンラインでの手続きが可能。渡航先や使用するデータ量を選択し、送られてきたQRコードをスマートフォンで読み取るだけで、eSIMをインストールできます。現地に到着してすぐ、快適なインターネット環境が整うのが魅力です。

　データプランも柔軟性が高く、海外旅行やビジネスなど、さまざまなシーンに対応しています。
　「現地マップや乗換案内が使えれば十分というお客さまや、宿泊先などで動画コンテンツを楽しみたい方など、ニーズはさまざまです。利用期間は、台湾や韓国などの近隣では3日間、インドでは2週間といった期間のプランを選ばれる傾向があります」

　海外出張では、オンライン会議などに対応できるよう大容量プランを選ぶ人もいるのだとか。
　「テザリングも通信制限なしでご利用いただけます。『ストレスのないやり取りができて満足』『もっと早く知っておけばよかった』といった評価をいただくことも多いですね」

　サポートについても、日本時間の午前9時から午後6時まで、LINEを使って、海外滞在中でも日本語でリアルタイムにトラブルへ対応できる体制を整えています。
　「会社を立ち上げる前、バックパッカーとして20カ国ほど旅したことがあるのですが、ベトナム滞在中に私の設定ミスでSIMカードが使えなくなってしまったのです。丁寧なサポートを受けて助けられた記憶があり、そのときの感謝の気持ちが現在のお客さま目線のサービスづくりにつながっています」

実体験やユーザーレビューに基づいたeSIM情報をポータルサイトで発信

　阿部さんが運営するeSIMをテーマにしたポータルサイトでは、自社商品と他社製品も公平に紹介することで、ユーザーが自分に合ったeSIMを正しく選べるように解説。ユーザーレビューをもとにした比較や解説が、閲覧者から一定の評価を得ています。

　「以前は携帯電話の販売店で店長やマネジャーとして通算8年勤めていましたが、退職後の2023年からWEBでの発信を始めました。当初はスマートフォンアプリに関するブログを書いていたのですが、やがてeSIMやVPN（仮想専用線）サービス、マッチングアプリのサイトへと広がっていきました」

　現地での体験に基づく記事が注目され、香港のeSIMメーカーから声がかかったことをきっかけに、2024年に「BeaconLink」を設立。eSIM販売事業を本格化させました。

　また、阿部さんはeSIMの環境負荷の低減効果にも注目しています。
　「世界では年間44億枚ものSIMカードが製造され、プラスチックの製造で年間18万トンの二酸化炭素を排出していると言われています。eSIMに転換することで、こうした環境負荷を抑える一助になるのではと考えています。BeaconLinkとしても、環境省主導の『デコ活』や、ブルーシップなどの海ゴミを拾う活動に法人として参画しており、環境に関する情報発信にも取り組んでいきたいと考えています」

　今後は、これまで日本人向けに蓄積してきたノウハウをもとに、訪日外国人向けのサービスにも力を入れていく方針です。
　「英語版のストアもオープンさせるなど、市場が大きいインバウンド向けのマーケティングにも力を入れています。信頼されるブランドを構築し、グローバルに活躍する通信事業者に成長したいですね」

（取材年月：2025年7月）

海外旅行向けeSIMを提供し、インターネット環境の利便性向上をサポート

公式ストアから簡単に購入可能。FAQコンテンツやサポート体制の整備にも注力

海外旅行、ビジネスなど、さまざまなシーンに対応したデータプランを用意

実体験やユーザーレビューに基づいたeSIM情報をポータルサイトで発信

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