心をつなぎ、組織を活性化させるイベントプロデューサー土田通孝

心をつなぎ、組織を活性化させるイベントプロデューサー

土田通孝

セミナーや表彰式、運動会、創業祭など各種行事を企画から運営までサポート

　「運営そのものを委託したい」「予算内で実施できる余興を考えてほしい」「オープニングや研修用の映像を作りたい」といったニーズに応えるのは、「アドバンテージ」の代表・土田通孝さん。社内イベントのプロデュースで二十五年超の実績があり、小規模なセミナーから、表彰式や運動会、創業祭のような2000人超の大型式典まで、大小さまざまな案件を手掛けてきました。
　
　「当方は、企画・進行・運営までワンストップで請け負うほか、スポットでもサポートしています。会場の手配や講演者のキャスティング、司会台本やパンフレット、サイト用のバナー制作など、必要な部分だけでも相談を承ります」

　依頼の多くはリピーターで、「満足感の秘訣はお客さまとともに考え、作り上げていく共創にあるのではないか」と理由を分析。豊富な経験から導き出された企画力が最大の強みだと話します。

　「従業員の士気を上げたり、一体感によりチームビルディングにつなげたり、効果から逆算してプランニングできるかどうかに成功が掛かっています。『会社の雰囲気は？』『どこに課題を感じている？』など密度の高いカウンセリングを経て、クライアント目線で提案しています。打ち合わせの過程でお客さまにも主催者として誇りが生まれるので、私どもはパートナーとして当日までブラッシュアップを重ねるんです」

　音響、照明といった舞台美術も一手に担い、当日は裏方である土田さんらに、クライアントが壇上から直々に「御社に頼んで良かった」と声を掛けられることも。この仕事をやっていて良かったと感じる瞬間だと語ります。

重視すべきは「何を得るか」。イベントの目的に応じてプランニング

　「私は、金属部品メーカーの営業マンとしてキャリアをスタートしました。製造業者に製品を案内するなど職務に励んでいましたが、円高不況により経営方針が大きく変わることになりました。今後の進路を検討しているときに出会ったのがイベント業界です」

　ゼロからの挑戦でしたが、ものづくりに携わっていたこともあり、一から企画するイベント業は予想以上に肌に合っていたと振り返る土田さん。顧客の要望をくみ取り、提案するなど、営業で培ったコミュニケーション力も糧になりました。

　「クリエイター然とした雰囲気の方が多い中で、当時は元営業マンという経歴は珍しかったようです。『この演出は御社が求める成果に必要でしょうか』と、不要な要素をそぎ落とし、オーバースペックにならないよう一考を促し、驚かれたこともあります。私どもは、お客さまにとって真に有用なプランを打ち出すことに専念しています」

　関心を引き付けるため、時には奇抜なパフォーマンスも必要ですが、考えるべきは「何を得るか」。参加者に何を伝え感じてほしいのか、趣旨や目的を明確にすることが肝要で、現場の生産性が向上するなど費用対効果も踏まえ、現実的な視点で設計するのが同社のスタイルになりました。

　「社内イベントを催す意義は、社員の心を一つにできること。自社の取り組みやビジョンなどに触れ、仕事への意欲を育むエモーショナルな時間により一人一人に会社への愛着心が根付き、組織を活性化させるきっかけにもなります」

リアル・オンラインを手掛け、イベントの力で日本社会を元気に！

　時代の変化にもしなやかに順応し、業界に打撃をもたらしたコロナ禍ではいち早く新しいイベントの形を模索。2020年5月にはオンライン開催にこぎつけました。

　「リアル、リモートに優劣はなく、重要なのはお客さまが望む『目的』が果たせるかどうか。達成できるのであれば、コストを抑えられるオンラインも活用すべきです。メッセージ動画にチャットでコメントしたり、テーマに対してアンケートをとったり、双方向のやり取りを組み込むことも可能です」

　リアルでは現場でしかできない体験を重視。例えば社員旅行では、予算に合わせた場所を国内外から選定し、土地の文化が感じられるプログラムを構築。工芸品づくりやご当地グルメ巡りなどは共通の思い出にもなると言います。

　「インセンティブとして海外ツアーを採用する企業も増え、先日は台湾へ。『貢献してくれた社員の記憶に残る、華やかなひとときを提供したい』との思いを受け、現地のサーカス団を招いたり、DJパーティーを開いたり。ゆっくり語らうバーラウンジも用意したことで、社員同士の親睦も一層深まったそうです」

　近年、経費削減の流れから行事が縮小傾向に。土田さんは多くの人が交流することで生まれる価値は計り知れないと呼び掛けます。

　「イベントを通じて社内の団結力が高まれば、会社が元気になり、ひいては日本経済も活気づくでしょう。地域振興の一助になればと、自治体へのアプローチも始めています。大きなエネルギーを創出し、社会全体を盛り上げていきたいですね」

（取材年月：2025年9月）

会社への愛着心を育み、組織を活性化させる効果的な社内イベントをプロデュース

セミナーや表彰式、運動会、創業祭など各種行事を企画から運営までサポート

重視すべきは「何を得るか」。イベントの目的に応じてプランニング

リアル・オンラインを手掛け、イベントの力で日本社会を元気に！

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